踏み踏み日記

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いじめという三つの立場


いじめられる人のことを考えろと言われたことがあるだろうか?
いじめる側はその立場がとても心地よいのかもしれない。
いじめられるよりは、いじめる方が気分が良いに決まっている。
人は、人の上にいることのほうが満足感を得られるのだから。
その味を覚えてしまえばそれを手放すことは難しい。
だからこそ、人はそのことに夢中で時に何かが見えなくなることがある。
だからこそ、いじめる側はいじめに対して反感をもてなくなる。
だからこそ、いじめを非難されたとき、自分が悪いのだということよりも先に、
「しまった。見つかってしまった。やだなぁ。」
「いじめた自分は悪くない。いじめられるあっちのほうに問題があるのだ」
説教を受けている間はこのようなことを延々と考えてしまうのだ。
いじめる側は、一般民衆からよく思われていないことは知っていても、いじめが発覚しても反省することがほとんど無い。
いままでの優位の立場を否定されることになるのだから。


いじめられている人を見たことはないだろうか?
いじめられているのを見たら止めなさいと言われたことは無いだろうか?
ただ見ているだけ。
見ているだけなら何の罪もない。
なぜなら加害者ではないのだから。
止められない力を持つものだから、人は人をいじめるのだから。
止められないいじめ方ができるから、人は人をいじめるのだから。
いじめを止められないことは罪ではない。
そんな風に考えたことはないだろうか?
その考えは正解である。
危害を加えていないのだから、罪を負う訳が無い。
むしろ、いじめを見つけて止めるほうが危険な場合もあるのだから。
むしろ、いじめを止めようとして、矛先がこちらに向いてしまうかもしれないかもしれないのだから。
いじめに関与しないということは、それ自体が正当防衛のようなものなのだ。
見ているだけの人は何も間違えてはいない。
海上で船が沈み、満員でこれ以上人が増えると沈みそうな緊急用ボートに人が乗り込もうとする場面で、その人を突き放してもそれは罪にならない。
なぜならそれが原因で乗っている人全員が死んでしまうかもしれないのだから。
助けようとしたことで、巻き込まれてしまうかもしれないのだから。
しかし、罪の無いことが常に正しいことだとは思わないで欲しい。
何もしないことが、正しいことだと思わないで欲しい。
目の前で苦しんでいる人がいることを忘れないで欲しい。
そして、少しでもいいからできるならその人を助けてあげたいと思って欲しい。
その場では思うだけでいい。
その思いをずっと持っていて欲しい。
いつか、自分がその人を助けられる境遇が訪れるかもしれないから。
来るか来ないかわからないその境遇が来るまで持ち続けて欲しい。
助けたいという思いが無ければその時助けることができないから。
やっと訪れた彼の救われる機会を逃がしてしまうから。
世の中決して救われない人は確実にいるのだから。
目の前で苦しんでいる彼をその中の一人にさせない為に。


いじめられたことがあるだろうか?
いじめられる方にも責任があると言われたことがあるだろうか?
いじめられる者は毎日が暗い日々と思ってしまう。
いじめる人が近くにいるたびにビクビクする自分が訪れる。
いじめる人が話しかけてくるたびにビクビクする自分がいる。
いじめる人がいじめてくるたびにビクビクする自分で居続ける。
いじめる人はビクビクするそんな自分が面白くていじめてくるのだ。
いじめる人はビクビクするそんな自分が気に入らないからいじめてくるのだ。
いじめる人はビクビクするそんな自分が攻撃しやすいからいじめてくるのだ。
そんなビクビクする自分がいじめられる原因なのだ。
そんなビクビクする自分がいじめの対象となる責任なのだ。

馬鹿なことを言ってはならない

いじめは100%いじめる人が悪いに決まっている。
力に対して畏怖することは罪なのか?
握られる拳を目の前に突きつけられて、それに怯む自分は罪なのか?
人に気に入られないことは罪なのか?
関わる全ての者に好印象を持たせられない自分は罪なのか?
弱くてつけ入れられる事が罪なのか?
人より弱い存在という自分は罪なのか?
馬鹿なことを言ってはならない。
いじめは100%いじめる人が悪いに決まっている。
人の強弱はある意味人の個性だ。
力の強い者。弱い者。
意志の強い者。弱い者。
同じ人は一人だっていない。
世界中一人だって存在しやしない。
我々はそれぞれが個を持つ人なのだから。
弱いという個を持つだけで罪なのか。
強いという個をもつだけで正しいのか。
そんなことはありえない。
そんなことはあってはならない。
人が人を人としてみる世界でなくてはならない。
強い者でも弱い者を認められる世界でなくてはならない。
弱い者でも強い物を認められる世界でなくてはならない。
それが人が人を人としてみる世界だと私は思うから。

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