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走走走 歌唄歌 走ること、歌うことのお薦め
04年10月、新潟マラソン
ウインドブレーカーを脱いでランシャツ、ランパン姿で体育館を出ると、寒くもなく、ちょうどいい気温。ということは、走り出すと暑くなることは必至。暴風雨や大雨の中での走行を回避できただけでもありがたいが、この環境を十分考えた走りにしないと痛い目を見そうな予感がする。ランパンのポケットにはエネルギー切れ対策のカーボショッツと、汗対策の食塩。今日お世話になるのは後者のほうになりそう。
作戦、というほどでもないが、とりあえず最初の5kmをネットで25分を切るくらいのタイムで走って、その後はその時の調子をみて考えようということにした。 号砲からスタートラインまでのロス、25秒程度。フルの参加者はそれほど多くはなく、ハーフと同じタイミングでのスタートだが、種目によって列を左右に分けてくれているので比較的スムースにスタートすることが出来た。ただし、スタート後、公道に出るとやはり多少の混雑はある。
最初の5キロ通過が25分55秒。
思ったより遅い。スタートロスの25秒と、公道に出たあたりの混雑を考慮してもキロ5分以上のペース。もう少し速く走っている気がしたのだが。次の5キロをもう少しペースアップしてみることにした。
右手には日本海が見え始める。曇りなのと、泥で濁った川が流れ込んでいるのとで、海の色は鉛色でいまいち冴えない。この後海沿いの直線が続く。
10キロまでが50分35秒。(ラップ、24分40秒)
ペースを上げたつもりが思ったよりも上がっていない。このあたりから青空が見え始め日差しが強くなって来る。隣を走る2人組の会話 「今日はベストを狙うのは厳しいかも」「いやいや、このまま気温が上がると完走も難しい」。
10キロ地点でハーフの人たちは折り返し。その先を走るのはフルの参加者のみ。人が減って走りやすいのはいいけれど、ちょっと寂しい感じもする。河口から離れ、日が出て来たので、海の色が薄緑色に変わり出した。残念ながら雲が掛かっていて佐渡島は見えないが、せっかくここまで来たのだからランも景色も楽しまなければ。
しかし、このコース、とにかく直線が多い。フラットだと聞いていたけれど、海岸線沿いで、砂丘のうねりのような細かいアップダウンが続いていて結構効いてくる。帰りも同じ道をたどるわけだから、最後まで上り下りを繰り返さないといけないことになる。これは後半、厳しい戦いになるぞ、などと考えながら15キロ地点に到着。
15キロの時間・・・・・・・・
あれ、時計の時間が・・・・ どうやらラップの計測のためのボタンではなく、横にあるストップのボタンを押していたらしい。 時間が50分過ぎで止まってしまっている。あ~あ、なんとドジな。こうなれば10時スタートということで、本来の時計の時間を見て通過時間を推測するしかない。とにかくハーフ地点に11時45分までに到着、1時間45分以下での通過、とこの時点で目標を立てて同じペースでのランを継続する。
折り返しは20.5キロ地点。 たぶん17キロ地点くらいだろうか、折り返して戻って来る Yさんとすれ違う。「Yさ~ん」と声を掛けたところ、笑顔を返してくれたが、かなり苦しそう。確かサブスリーを狙っているはず、だが、タイム的にも表情から見ても、ちょっと難しいかもしれない。
折り返し地点で気温が表示されていたが、25℃。やっぱりそのくらいにはなってるでしょう。ゴールまでそこから上がることはあっても下がることはなさそう。戦いの予感。
中間地点での時間、11時44分。
すなわち、ここまでのタイム、1時間44分○○秒
なんとか目標はクリアしている。ただ、いくら後半頑張っても、3時間半はちょっと無理かな、まして自己ベストはとてもとてもとあきらめの境地。 おっと~、この意識、後半の頑張りには大きな障害になる。北海道マラソンの時も、35キロ過ぎで3時間半切りをある程度確信してからペースが落ちてしまっている。集中力を切らさないため、とにかくペースを落とさず、時計を見ずにラストまで行くことにした。
中間地点からはペースを上げていった。前半もそれほど楽な走りをしていたわけではないが、まだ余力がある。気持ちとしてはその余力はできる限り後まで取っておきたいところだが、ここまで来て楽々完走したところで後悔あるのみ。直線コースのため、前を走る人や集団は結構離れたところまで見えたりするのだが、とにかく追いつくまで頑張れ、追い付いたら次のターゲット、という感じでかなりの人数を追い越した。追い越しながら、逆にいつかこの人たちにも追い付かれるのでは、と最後のペースダウンも覚悟したが、そうなればそうなった時のこと。ただ、地元の参加者がかなり多数を占める大会だけに、25℃を超える気温は新潟の人たちにとっては我々以上に厳しい条件だったと思う。後半はバテ気味の感じの人が多く見られた。
海岸沿いのコースのため、沿道を埋め尽くす観衆の声援を受けて、というわけには行かないが、ポイントポイントではそれなりの人数がいて声援を送ってくれる。逆にランナーの数も少なく、後半は集団状態で走ることはほとんどなかったので、応援の人とは目線を交わしながら声援を受け、感謝の意をお返しすることが出来た。これは力になった。
30キロ過ぎまではある程度フォームを保って走れていたが、少し怪しくなり、35キロ過ぎでは完全にドタドタした足の運びとなってしまった。自分でもよくわかっているのだが、疲れが出るとどうしようもない。調子が悪いときは練習の最初からこのドタドタが出てしまい、着地ごとに足に衝撃を受けてしまうことがある。いつもはこれをひとつの目安にして、こういう日の翌日は完全休養にしたりしているのだが、さすがに今はこれを機におやすみ、というわけにはいかない。
あと5キロ地点に到着、ここからは往路とは異なり川沿いのジョギング道路を走ることになる。いつもの練習コースである多摩川を思い出し、次の橋までは1キロちょっとくらいだろうか、と見当をつけて走る。ここで1人のランナーに抜かれてしまう。そういえば後半は給水地点を除いてひとりのランナーにも抜かれていない。ということで、これは抜かさねばとペースアップを試みるが、さすがに無理だった。しかもそのランナー、足の運びが非常にスムース。ここまで楽、し過ぎじゃないの?
人のことはさておき、40キロを通過、もちろん時計は見ていない。後半それなりに頑張ったが、足のへたり具合からみて3時間半は無理だろうと感じていた。ここで時計を見たら余計に頑張れなくなってしまう。とにかく前進あるのみ。
左手に競技場の照明塔が見え始める。川から離れ左手に90度折れ、競技場へ向かう。前方に一人のランナーが見えるが、どう頑張っても追い着ける距離ではない。競技場に入り、残りはトラック1周弱、最後の頑張りで前の走者とはそれなりに距離を縮めた。そして最後の直線・・・・???ゴール地点の時計は3時間29分45、46、47・・・ まだ30分に達していない。必死のダッシュで駆け込んだ瞬間はまだ59秒だった、と、思う、出来れば、希望としては。
で、受付でナンバーを言って記録証をプリントアウトしてもらって、結果、3時間30分01秒、でした。くやしぃ~~。でも、まぁいいか、ネットでは切ったし、後半激走できたし、もともと途中から30分切りはあきらめていたのだから上出来、上出来、と自分をなぐさめる。
北海道マラソンの暑さ対策として夏場も走り込んで来たことが、道マラ本番(気温17℃)ではなく、ここにきて役立ったかも。台風で一度はあきらめかけた大会だったが、2大会続けて3時間半そこそこのレースが出来たし、苦しかったけれど大会の雰囲気など楽しむことが出来たので参加して良かったと思う。来年の大会も都合が付けばぜひ参加したい。
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