Shingo’s endless journey

Shingo’s endless journey

Vol.3


「ゴミ袋を出しに行く男」がちょくちょく登場する。
決まって、その男の後方で何やら良からぬ噂話をする近所の主婦達。
そして情けない感じのBGM。

お約束はこの手のドラマの大事な要素の一つだろうけど、もういい加減この手の演出、
というか価値観を垂れ流すのをやめにして欲しいと切に願う。
なぜなら僕こそが「ゴミ袋を出しに行く男」なのだから。
勘違いしないで欲しい。決して奥さんに頭が上がらない訳ではない。
たまには頭を上げる日だってある。
「ゴミ袋を出しに行く男」は「ゴミ袋を出しに行く男」でも
胸を張って、楽しく、自ら進んで「ゴミ袋を出しに行く男」なのだ。
趣味といっても大袈裟すぎはしないと思う。
環境問題に興味を持ってからというもの、僕はゴミの分別にかなりの情熱を注いでいる。
最初は「やらなきゃいけない」という義務にも似た思いだったけれど、
燃せないゴミに出してしまえば埋められて終わるものが、
分別してリサイクルに回すことで新しい商品になり、再び僕らの前に現れるという旅の行程と、
それに関わった人達の手間や想いを想像してみて、
世の中はいろんなところで繋がってるんだなぁという事をしみじみ思ったり、
店内で人の物欲を煽る為の過剰な包装や梱包も、
家に持って帰れば分別しにくいゴミでしかなくて、
その経験の後、過剰な包装や梱包を見かけると「ぜったい買わねぇ。だまされねぇ」と
心の中で呟いてみたりと、「分別すること」から教えられた事は、
この他にも挙げればキリがないほどいっぱいある。

蛇口をひねれば出てくる水も、元をたどれば雨である。
その行程を想像して水を飲むだけで、ちょっとおいしい水になる。
日常の中で、いちいちそれを意識していられないのも事実だけど、
当たり前のように僕らを取り巻いている様々なものが、
どこから来て、どこへ行くのか?
その循環の道筋を想像してみる。そして循環の過程に自分が存在しているのだ、と
想像することで、僕は妙にワクワクしている。

2004年8月2日 櫻井和寿

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