ココロの森

ココロの森

2010.11.14
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昨日 の続きです。

同行の 紅ずきんさま
ぶっとび忠義馬鹿時代物の解釈に戸惑いつつ
トイレの大行列に並んで戻るとすぐ次の公演。

たった10分の休憩 を挟んで今度は激しい恋情モノ
アタマもおしりも腰も、もうちょっとゆっくり休ませたいものです・・・



おつぎは、
思い人に一目会いたいが故に

有名な「八百屋お七」の物語。

『伊達娘恋緋鹿子(だてむすめこいのひがのこ)』 です。



江戸の町を焼きつくす大火で店と家を失った八百屋・お七の一家は
新しい家ができるまでの間、江戸から少し離れた寺に身を寄せます。

が、その仮暮しの間に、
一家の一人娘であるお七は、寺にいた吉三郎という美少年と恋に落ち
深い契りを交わす仲となります。

やがて新しい家が出来上がると、お七の一家は江戸に戻りますが
新築の家に戻ったお七は泣いてばかりいます。

当時、江戸の外側の町に通じる道には大きな木戸があり、通行が制限されていました。
夜ともなれば、木戸は閉じられ、

そこを通り抜けることはできなかったのです。

江戸の外の寺の人間である吉三郎と大店の若い娘が人目を忍んで逢うことなど
とてもできるものではないのでした。。。





<あらすじ>


八百屋の戸口で佇む吉三郎。

吉三郎の主は殿様から預かった大事な剣を紛失した責任から切腹し、
その家来である吉三郎も明日の朝には殉死せねばなりません。
その前に、せめて一目、お七の影だけでも拝みたいと
雪降る中を笠で顔を隠し、店の前まで忍んで来たのでした。

と、用あって中から出て来た下女のお杉と行き会います。
驚くお杉ですが、お七に会いに来たのだと合点したため
自分が用を済ませて帰ってくるまで隠れていろといって
吉三郎を縁の下に押し込めます。


吉三郎が隠れたその上の座敷では、
両親に再三意に添わぬ縁談を薦められているお七が泣きじゃくっています。
老いた両親も、娘が吉三郎を慕っていることを知ってはいるものの
火事で焼失した家の借金の返済がままならず、どうしようもありません。
お七の父が婿養子で、このまま店を潰しては義理が立たぬこともあり、
お七に、何とか悪名高い金貸しの武兵衛の元へ嫁いでくれるよう、
手を合わせ泣いて拝み倒します。

そんな老親の姿を見て、泣く泣く嫁入りを承諾するお七ですが
やはり恋しいのは吉三郎。
用を済ませて家に戻ったお杉に、お七はわっと泣きつきます。
吉三郎に会いたいと泣きじゃくるお七に
まだ会っていなかったのかい?
 さっき家の前にいたから縁の下にかくまっておいたんだよ」
というお杉。

驚き飛び出て縁の下を見ると、そこには蓑に包まれた文が一通あるだけ。
お七と両親の気持ちに打たれた吉三郎は、そっとその場を後にしていたのでした。

吉三郎の想いと、彼の命が今宵限りと知ったお七は
再び泣きじゃくります。

彼を助けるには紛失したという剣を翌朝までに探し出すしかありません。
でもいったいどうやって?
思案に暮れるお七とお杉。

と、 座敷の戸棚がからりと開き
寝ぼけ眼の丁稚・弥作が飛び出て
「その剣なら、武兵衛が盗んで持っている」 と爆弾発言。

お杉と弥作は早速武兵衛の屋敷へ盗みにゆきます。


雪空の下、お七が気を揉んで待つうちに夜九つの鐘が鳴り響きます。
この鐘を合図に江戸の木戸は閉まってしまいます。
木戸が閉まればせっかく盗み出した剣も吉三郎に渡すことができません。

それでは彼の命は救えない。
そんなお七にふと火の見櫓(やぐら)が目に留まります。

あの江戸の大火事のときは、火事を報せる半鐘を合図に
木戸が一斉にひらいたのを思い出したのでした。

そんなことをすれば火あぶりになると一瞬躊躇うお七ですが
愛する人を救うため、決死の覚悟で櫓に上り、半鐘を打ち鳴らします。

お杉たちも剣を何とか盗み出し、追っ手を振り払い、
木戸の外へとかけるのでした。









こちらは非常にわかりやすいストーリーで
またツッコミどころも満載でしたw



ガラス細工のようにナイーヴな男心を
否応なく冷たい縁の下に押し込めるお杉の肝っ玉w

更にその後 「あら、縁の下にいたのに会わなかったの?」

ってそりゃないぜ、ベイベー!w



そして、自慢の娘を気に食わぬ金貸しに嫁がせねばならぬお七の両親が
泣きじゃくる娘に向かって言う慰めの言葉


「世間の親は壻(むこ)の気に入るようにと教へれど、
  こちら女夫はさうぢゃない。
随分と飽かれるように

 「ハテそりや言はいでも知れた事ぢゃ。
朝も飯の出来るまで寝て、人挨拶せいでも大事ないわい。
  小遣ひも湯水撒く様、出入りの者にも滅多無性に物遣って、
三本でよい釜の下も五本も八本もどっかどか






・・・どうです、このいいよう(爆)

床本にはまだまだ面白い言葉が続くのですが、
要するに、早く愛想尽かしされて出戻ってくる様、
娘に 不出来な嫁の作法 を事細かに教えているのですww





極めつけは、吉三郎を思い切らせるこの言葉。




「エゝ出家を落とした女はナ、
死なぬ先に地獄から赤鬼や青鬼が火の車で迎えに来て
  等活地獄の火の中へ打ち込まれ、
  熱い苦しいその中から恋しい男を呼んだとて、その人も堕落の罪、
  無間の底へ沈んでいれば、再び顔見る事もならぬ。
  何とそれが愛しい可愛い心中か、咄しするさへ身の毛が立つ。
  オゝ怖ゝ、ナウいやゝ」




吉三郎には国元に許婚がいて、それを横取りしたら彼は切腹だぞ、と言えば
お七はそれでじゅうぶん諦めは付く筈なのに
その後、更に これでもか、これでもか!の駄目押しの嵐(笑)


なのにお七ったら


 「等活地獄も焦がれ死にも心からなりや厭はねど、
  可愛い男を腹切らし無間地獄へ落とすのが、悲しいわいな」



などというから、このあと火の見櫓を見つけた際、

「鐘を打ったるこの身の科(とが)、
町々小路を引き渡され、焼き殺されても男ゆえ、 少しも厭はぬ大事ない。
思う男に別れては所詮生きてはいぬ体、
 炭ともなれ灰ともなれ」



なんてなっちゃうのよねえ~。


まったく、純情一途が激しいったら。。。。




しかも、この後、お七ったら
武兵衛の上に飛び降りますから! (爆)





そりゃあまあ、






ですわなwww (≧m≦*)








で、肝心な人形遣いさんのことなどをさっぱり書き落としておりましたが(滝汗)

平家物語の直実の勘十郎さんは
前回同様、ダイナミックで勇ましく、凛々しく、男気あふれる遣いっぷりでありましたハート

お七は清十郎さん。
やや堅さがありましたが、恋情迸るダイナミックな梯子上りは圧巻でした。
狐に変化するんじゃないか、と疑ったほどww




いやはや、今回も堪能致しました。

ご一緒頂いた紅ずきんサマ、
そして長文を最後まで読んで下さった貴方様、
誠にありがとうございました<(_ _)>

















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最終更新日  2010.11.17 00:21:25
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お疲れ様でした。  
紅ずきん  さん
嫌われる嫁指南。
「寝るときはずっと旦那に背中を向ける」ってのもありましたね(*`艸´)
文楽の(特に世話物の)こういうセンス大好きです♪

それにしても毎回休憩時間が短すぎなんですよねぇ。せわしいったらありゃしない(ノ ̄□ ̄)ノ
足腰のためにもこまめに席を立ってストレッチでもして身体を伸ばしたいところです。
本気でエコノミー症候群が心配になってきます(笑)

お七を遣っていた清十郎さん、遠目に見たらカッコイイような気がして、その場でパンフの顔写真を確認したのですが気のせいだったようです(爆)
やはりナンバーワンは勘十郎さんだと思います。
(2010.11.17 09:32:11)

紅ずきんさん  
*藤紫*  さん
ほんまにお疲れさんでした(笑)

やっぱりなんだかんだとツッコミどころの多い世話物が面白いですねえ(*⌒∇⌒*)
忠義馬鹿ものを見ていると、それはそれで面白いのですが
なんだか価値観がヘンになりそうです。
なんというか、物事の真理道理をねじ曲げて解釈するカルト教集団のような…
一度入り込んでしまうと抜け出せないような怖さがそこはかとなく…。

・・・清十郎さん、、、遠目で、、、そうでした?(爆)

ワタクシは若手大夫で、和泉元彌さんに似た方がいるのがきになっております。
あ、和泉元彌が好みのタイプというわけではありません、念のためw(≧m≦*)

(2010.11.17 11:09:00)

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