☆ 我が家に来たノラ猫





やって来たノラ猫



もう何年も前の話になる。

ある春が終わるころに茶色のネコが駐車場にウロウロしていた、

見ると1歳にもなっていない

子ネコである、

小さな公園に捨てられた猫であることは、

すぐに分かった!!!

やせていて、

汚れていて 

風邪でも引いているのか?

クチの周りは汚れている、

これでは!!誰も抱こうとは思わない

子ネコ・・

私の目を見て

”ニャー~ ニャ~”と、

弱々しい泣き声である。

よほどお腹が空いているのか!



「ヨシッ!!・・待っていろヨッ!!!」と

子ネコに

言い残し、

とり合えず ご飯にカツオブシをまぜて、

子ネコの前に出して見た・・・・

よほどお腹が空いていたのであろう・・・

ガツガツと食べてしまう、



「家では、お婆さんと家内がネコが嫌いだから・・

お前さんは飼えないので、ごめんヨッ!!」

と言って窓を閉めた・・・・



数時間ほどしてから、

もう何処かへ行ったのかな~と思い

窓を開けると、

子ネコは、

私を見て泣き出した・・・・

・・・・・・・・

もう 

どうしようおもなく、

抱きかかえて風呂場に連れて行き、

子ネコを洗って上げて自分の部屋でご飯を食べさせる。

この、子ネコは、

病気であり後どれぐらい生きられるのか分からないが

面倒見てみようと決めたのである。

もちろん、お婆さんと家内は反対していたが、

このまま

子ネコを

追い返すことは自分には出来そうに無い!

追い返しても・・・

後で後悔することになるのは分かっていたから・・



----捨て猫ノラを動物病院へ連れて行く--


一部屋汚れてもいいから、

子ネコの病気を治してあげようと・・・・

キャッツフード・牛乳など、買い揃え、

少しずつ食べさせ元気になる様に毎日面倒見ていた。

子ネコの名前はノラ猫でしたので!!

「ノラ」と名前をつけた。

ノラは、

鼻を詰まらせていて、あたりかまわず 

”クシュン・クシュン”

として部屋の中が汚れる、

自分はティッシュであちこちと拭いて回る日課に

なっていた。

そんなある日に、

動物病院にノラを連れて行き

診察してもらう事にした。




病院の先生に、

「何とか治して下さい・・・・」と

頼んでみる。

ノラは病院が嫌い見たいででした。

診察台に乗せると!!

動物の本能であろうか?

先生がノラに触ろうと手を出した時・・・

弱々しい、ノラの顔が一変したのである、

ノラの顔がこれほどまでにも恐ろしい顔になる変わることに

おどろき!!

思わずノラから手を放してしまった。

少しの時間であろう、




ノラは先生に向かって攻撃姿勢をとったのである・・・

そして私の方を見て

”助けて”と

思える様にしがみ付いて来た、

「ノラ・・お前の病気を治す為なんだ、おとなしくしてくれ!!」と

思わず言葉にだしてしまった!!

先生に、

このノラの経緯を説明して、

再度お願いしたのである、

先生が

「よしっ!!分かった・・治してやる!!」と

言って

網を持ってきて、ノラにかぶせ 動けない様にして診察が始まった。

網の中のノラは、網から出ようと、もがき歯で網を喰いちぎろうと

形相を変え野獣にも見えた・・・・



注射を打つ時は、子ネコの泣き声とは違い、

野獣の鳴き声に代っていた。

先生も、

「こんなに気強いネコは初めてダッ!!!」 と

先生も驚いていた。

治療を終え、網から出して上げると、

何と私に甘えて,

しがみ付いて来た時は、

子ネコに戻っていたのである。

・・・可哀想なノラ

・・・・元気になれヨ・・・と





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---- なかなか快復しないノラ ----


待合室では、犬・ネコの患者が数匹待っている・・・・

みんな、綺麗な可愛いネコ・子犬たちである、

それに、比べると ノラは、何とやせていて、きたない!!

自分もあまり良い格好はしていない、

作業服である、

ノラと自分は何処か似ているかも知れない・・・


「ノラ・・・他人にどう見られてもいいから一生懸命生きようナ~・・」

と、ノラに話かけ自分にも言い聞かせていた。


「お前(ノラ)・・・病気になって追い出されたのか???」

・・ひどい 飼い主が居るもんだ??と

つくづく思う・・・



「ノラ・・・俺の所に居てもあまり良い生活は出来ないんだヨ・・

元気になったら好きな所へ行ってもいいからな~・・・」 と 

話かけるが、

ノラには分かっていないことは、

 充分承知しているが、話しかけてしまう。



そうして病院通いも一週間に一度通い

ノラも慣れてきたのかおとなしくなり手当てを受けるようになって来た。

病状は重くなかなか治らない、

鼻がつまり、

クチで息をしていて苦しいそう・・・


昼間、昼食のために家に帰り、

ノラの横で私が仰向けに寝ると、

それを待っていたのか、

ノラが私のお腹の上に乗りそのまま寝てしまう・・・

昼の休み時間をこの状態で何日も続けていた、


ノラは、

家に居る時はほとんど寝てばかりの生活が続く、

一ヶ月が過ぎ二ヵ月が過ぎようとするころになると、

鼻づまりも少し解消されて来て

ノラも少しずつ元気になってきて遊ぶようになる


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二ヶ月を過ぎようとするころには、

鼻の通りもよくなって来て。

ノラも病院通いもしなくてもすっかり快復してきた、

近所のオバサン(と言うと叱られるかな?・・)達に

ノラちゃん元気になったね!!と

頭をなでられて喜ぶノラになってきた。




病気の時、

相変わらず、家内とお婆さん(家内の母親)は、

ネコ嫌いは直らないのである、

近所の主婦さん達からの話によると・・・

”私が仕事に出かけたのを見計らって・・ノラを家から

  追い出しているんだヨ!!!”と

耳うちしてくれる・・・・

まあ~仕方がない・・・

自分が強引に家に入れたのだから、

「ノラ・・・我慢をしてくれ・・・

   俺の前ではそんな事はさせないからナ~・・・・」


ノラが返事をしたのかしないのかは分からない・・・



ノラが居る部屋は一階の一部屋を使っている。

その隣がお婆さんが居る部屋である、

そのことで私は、驚いた事があった!!

私がお婆さんの部屋で、

ノラに「ここへおいで!!」と

数回、呼んだ・・が

ノラは、お婆さんの部屋に入ろうとしない

私の呼ぶ声に、

”ニャ~ン”と

答えるだけである・・・・

あ~あ~そうか、

私の居ない時に、しっかりと叱られているんだ~~・・・と 

その時感じ取った・・・・

「そう~か そう~か・・お前かしこいんだ~・・・」 と

言って、

ノラを抱きかかえて、ひざの上で寝かせて上げる。

ノラは安心したのか、

ゴロゴロ言いながらひざの上で寝ている、

顔を見ると

・・・可哀想なやつ・・・・・

ティッシュで鼻の周りを拭きながら心でつぶやく自分・・・


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三ヶ月ほど経つころには、ご飯もしっかり食べられるようになり

もう安心だ、

ところが、元気になると、

これも一つの悩みが増えたのだ!!!


公園に居る、トカゲを捕まえてくるようになり、

そのトカゲを家の中へ持ち込み、

放しては、捕まえ・・・放しては捕まえるといった、

ゲーム感覚で遊び始めている・・・

それを見た家内は、

!!家の中にトカゲが居る~~ギャアギャア~騒ぎ出す!!!!

または昆虫なんかも捕まえてきては、家の中で放して遊ぶ

これでは、ノラは嫌われてしまうが、

自分ではどうしようもなく見守るしかない・・・

そして夜になると何処かのネコとケンカしてキズを負って   

返って来ることが多くなってきた。

ヤンチャなオスねこ

ノラであるが頼もしくもあり

自分にとっては可愛いノラだ!!

そんな にぎやかな日はいつまでも続かなかったのである。


---- その日は突然やって来た ----


どうやって書いて良いのか迷っている自分・・・・・・である

約10年ほど前の出来事である。

このノラというネコが家に来て何の変化もない家庭に、

動物、ペットがもたらしてくれた、

数ヶ月ドラマ

命の大切さを教えてくれた

・・・ノラ。

必死に生きてくれた

・・・ノラ。

元気にならなければこんな事にならなかった

・・・ノラ。

俺の愛情を無視して行ってしまった・・・ノラ。

バカヤロウ~~

・・・ノラ~。

  ・・・・・・・・


あの夜12時ごろに・・・

表でネコ同士で喧嘩が始まり心配して表に出て見ると、

ノラとよそのネコがにらみ合って、

イカクしている!!!

ノラが私の姿を確認すると同時に相手のネコに、

飛び掛かって行った。

相手のネコはたまらずに逃げ出す・・・・

そして ノラは追いかけだし・・・

広い道路を横切り追いかける・・・



「ノラ~~・・・帰ってこ~ぃ・・・・」と

叫んだ!!

・・・・・・これが

最後の言葉になってしまったのだ・・・・



ノラは勝ち誇った顔をして私をめがけて走る出した!!!!

ところが

・・・西から

一台の車がスピードを出して走って来る車には気が付かなかった・・・

その 瞬間  

鈍い音と共に・・・

ノラが私の方向に転がってきた・・・

  ””どうしたんだ~~・・ノラ~どうしたんだ~””

私は、その時に 

はねられた、と

一瞬思った が

認めることは、出来ない・・・・

私の目の前の出来事は、

夢なのだ・・夢なのだ・・・・


””そんなことあるはずがない・・・・”””


「ノラ~~早く起きて家にかえろう・・・」

  ・・・・・・・・・

  ・・・・・・・・。

抱きかかえるとノラはクチから血を流してぐったりしている・・

抱いたまま家へ入れ、

毛布の上に寝かせ・・・

明日になれば、

元のノラになっているんだ!!

自分では、

このノラはもう息をしていないのは分かっていたが

この現実は認めること出来なかったと言うより、

夢の中の出来事であってほしいのだ・・・

そして朝になれば、

何事も無かった様にヤンチャなノラが

飛び回って・・・

また昆虫を捕まえて来て!!

家の中で遊び・・・・

家内を困らせている・・・

のだ と、

・・・ノラ~~

部屋をどんなに汚してもいいから~~

皆をどんなに困らしてもいいから・・・・

元の生活に戻るんだ~~~

・・・・たのむ~・・・・・


私は、朝を迎えるために、

いつもより多くお酒を飲み!!ました。

そして 

朝が来る・・・・・

そっと・・・

毛布に寝ているノラを見る・・・・




恐る恐る手を出し、

ノラをなでる・・・

「ノラ~・・ご飯を食べようか??・・・」と

声をかけ

ノラをなでた手が冷たさを感じる・・・・・・・

ウソだろう~・・

もう言葉は出ない・・・・・
        ・
        ・
        ・
        ・
        ・


お前が元気になって、ネコらしい生活が出来たのは、

わずか一ヶ月にもならないんだ!!!

可哀想な

ノラ・・・

こんな事になるんなら、

あの時 

ご飯を上げないで、

追い返せば、何処かで長生き出来たんだ、と

自分に言い聞かせてみた、





「ノラ・・・ごめんね!!!・・・・」

ノラがやって来た時の

”助けて~・・”と

言っていた、

あの目を思い出しながら

しばらく、

忘然としていた自分。



わずか、

数ヶ月のノラとの生活を思い出す事は簡単である。

何度も、何度も思い出し・・・



火葬場へ行く為に

ダンボールに毛布を入れ、

そっと!

ノラを寝かせて、

ご飯も入れて・・・



・・そっと 手を合わせた・・・・

もう・・・・ 

ペットなんて飼うなのはいやだ~~

でも、

ネコは大好きな私です。

(10年ほど前の9月の出来事の日記)


この後、またノラ猫(クロネコ)の話になります。



やって来たクロねこ へ

















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