1200字文芸帖(楽天出張所)

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解説 #41~45


 JJの愛犬ル・パンは、魔女の黒猫エスメラルダが仕込んだ秘薬入りビーフジャーキーを食べたために人間に変身してしまった。エスメラルダの目的はル・パンを仲間にすることだった。エスメラルダも「指輪」を狙う一人で、クレイラたちやカイザーに組織的・戦力的に出遅れていたからだ。ただ、この仕業はJJとル・パンを悲しい宿命に陥れてしまう。飼い主と飼い犬は紛れもなく愛でつながっているのだ。

第42回 「問題は、俺が何を言ってるのかではなく、何で俺がこう言わされているのかということだ」
 長いタイトルだが、言いたいことはそのまんま。小説の中の人物はなぜこのセリフを言っているのだろう?作者の意図、計算された演出なのだ。では実生活ではどうだろう?我々のセリフはどれだけの意味・意図があるだろう?日常の自分のセリフに意識してみたら、自分がどれだけくだらないことばかり喋っているかに気付くだろう。そのセリフは小説や戯曲の中ではありえないことばかりだ。意味がない説明的なことばかりなのだ。
 とても薄いがジュリアンのトランペットの伏線でもある。

第43回 「動き始めた呪い」
 カイザー・ファミリーにも世代交代の波が訪れていた。「指輪」をオカルトとしか判断できない父ドン・カイザーと、「指輪」を恐怖支配の道具と判断する息子パツキンピアスタトゥー。
 ここで「指輪伝説」。「指輪を安全に所有するには、それ以前に指輪を所有した全員の命を奪わなくてはいけない」。カイザーはコレを信じたが、無論、クレイラはこんな言い伝えは無視している。

第44回 「新しいお父さん?」
 単発の読みきり。JJの妄想。
 ヤクザの娘だったJJはその家庭環境で悩んでいた。普通のサラリーマンの家庭にあこがれた。だけど、自分にもやはりヤクザの血が流れていることが分かってしまう。自分は気にしなくても、周りが気にするのだ。回りがそう扱えば、自分もそう振舞うしかないのだ。

第45回 「13まで刻む時計」
 ここで新アイテム登場。「13まで刻む時計」。第48回のエスメラルダのセリフで説明されるが、ここで再確認。
「13まで刻む時計」が正常に機能するには「指輪」と「反発力」と「鐘」が必要。正常に機能されるというのは(以降ネタバレ、クローバーに姿を変えたエスメラルダの一族を人に戻す力なのだ)
「指輪」は、黒魔力を白魔力に変える。つまり、指輪が無い状態で時計が鳴ると、その音を聞いた人は皆クローバーに姿を変えてしまう。(←パツキンはこの効果の情報を入手している、。しかし誤解して音を聞いた者は死ぬと思っている)
「反発力」は時計の針を動かす力。これが無ければ時計は動かない。その反発力とはパティとベティの神がかり的な双子の対照力である。
「鐘」は魔力を空気感染させる道具。これが無いと時計の魔力がどこにも伝わらない。鐘は姿を変えトランペットとなってなぜかジュリアンが持っている。
(今後のヒント:1、クレイラとパティ&ベティの双子は本当の姉妹ではない。2、レンとジュリアンは二人で一人の存在である。3、黒猫エスメラルダは死んでいない。)

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