SCREAM,LONDON LIGHT-ON

合鍵


この完璧な空の下

ずっと待っていたんだ
俺が人間に戻る日を

ずっとこないと思っていた

待ち焦がれたその日は突然に
でっかい笑顔を浮かべてドアをあけた

瞬間に
解けた氷の音が聞こえたんだ

少しの間をおいて

君が与えてくれた温もりは
暖かくやわらかだった
生まれて初めて心が受け入れた温度は
少し控え目で

ひえきった体を
気の遠くなるような長い時間をかけて
暖めるには最高に心地の良い温度だった

虹が空に橋を架けた
綺麗な糸を紡いで作った橋

海と空との間を駆ける虹

いつか

そこを渡る小さな命が生まれたなら

海は虹に与えられた体温で命が尽きるまで
暖めるだろう

虹が途切れても涙ひとつ零さずに
一生懸命暖めるだろう
終わりが来たなら
少しだけ
膝枕で慰めてくれるかい?

この完璧な空の下

俺が生きる場所を

俺達は見つけた



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