凄い想像力・空想力




小学校中学年のあたりから自覚している。
私は本を読むのが好きであった。
物語を書いたり、絵や漫画を描いたり、図書室でいろんな本を借りたり、
また少人数の友達と公園で遊んだり、空き地や草むらに秘密基地を作ったり、
学校や家の小動物の世話をしたり、弟や妹とごっこ遊びをしたり…。

とくに田舎でもないので、野山を駆け巡って川遊びする事も無く、
また都会でもないので、適当な遊び場やさほど整備されていない公園が多くあった。

どのあたりで、私の想像力や空想力が育まれたかわからないが、
クラス1のチビだった頭の中は、おそらくクラスの誰よりいつもパアーッと広がっていて、
そこへ何かを創造していくのが楽しかった。

母から「空想家のアナタに合うかも」と『赤毛のアン』を渡された。
嫌いではなかったが、凄く共感する事もなかった気がする。どちらかというと、ライバル意識(笑)?

その時、空想家という言葉を覚えた。…いいな、「ワタシは空想家です」。
後々、あまり良いとは思えなくなるが(笑)。


ずっと自分にとって、想像力がある事はプラス要素だった。
現実を逃避するわけではなく、それに付随していろいろ空想するのは面白い。
他人に迷惑をかける事なく、好き勝手に思い巡らす。

必修クラブの七宝焼きの教室にいたクラスメイト、
将来この人とケッコンして、一緒に七宝焼き教室を開いている場面…とか
雑誌の懸賞に応募したハガキに描いたイラストが編集部の目に留まり、
漫画家デビューの話が舞い込む…とか。

実際はどうあれ、本心はどうあれ、常日頃から線香花火がパッ・パッと瞬間毎に開くように
それこそ様々なドラマが生まれてくるのだ。

他の人も同じように考えるのかと思っていたが、そうでもないらしい。


大人になっても、変わらずにそういう性質がある。
さらに複雑多岐に渡り、一瞬の間に30分位のドラマがポンポン生まれて消える。

例えば、この前、職場でユーザーから住所変更の連絡を受けた。
「○○市、××町、てんじん、天神様のテンジンです」
「ハイ、わかります」
話はどんどん先へ進んでいるのだが、私の頭の中ではこういう具合。

「てんじん、か~。田舎に天神山(てんじんやま)ってのがあったなぁ。犬の散歩でよく行った。
 あの犬のフンは、そのままあそこの栄養になってんだろうなー。
  (→その頃の家や、家族で散歩した場面、木々が茂った山が浮かぶ)

 日本の住所で、てんじんってよくあるな。いくつくらいあるんだろう?……
 昔決めたんだろうな、誰が決めるんだろう。なんとなく村人達が呼んで決まっていくのかな。
  (→日本地図や、昔話の雰囲気が浮かんでる)

 そういや、あの天神山って、古墳だったんだよね。バチ当たりだな~(笑)。
 古墳…コフン、なんて久し振りに思い出した言葉だ。
  (→社会の教科書が広がってくる)

 あのそばに住んでいた友人から、地区バレーボール大会の時に
 君に劣等感がある、なんて言われたっけ。今、何してんだろうな?
  (→中学卒業後、成人式の日に見かけた友人を思い出す)

 あ、そういえば『天神』ってタイトルの芝居やったな~、市民劇団で。
 …ところで、こんな事を仕事中のほんの一瞬の内に考えてるワタシって、なんなんだ?」


先週、精神的にフラフラになり、
思いつきで突然ピアスを空けたのだが、その時はこんな具合。

「あ~、心が苦しい。重い。なんでこんな思いをするのだ。
 あの人はもう私の好きな人とは全然違う人になってしまったじゃないか。
 こんなに捕われる必要はないのに…。
  (→周りが見えない状態で、町の雑踏を歩いている)

 ピアスか~。普段なら絶対嫌だったが、運命変わるって言うし、今なら出来そう。
 占いにお金かけるより、なんかいいかも。
  (→思考回路のバルブが開きっ放し。ただ漠然と)

 …今度の人、ピアスしてるかもな。ワタシに似てプレゼント好きな人だから、
 コレ欲しいって言ったら買ってあげるんだろうなぁ。そういうのって喜んじゃうよな~。
 んで、喜ばれると嬉しくなっちゃうんだよな~。相乗効果。わかってる。
 アナタの良い所も、悪い所も、喜ぶ所も。
 そして、今のアナタを見る限り、その人もアナタもただケッコン願望がある時に出会ったのさ。
 料理してあげたい人と、料理作って欲しい人が、偶然近くにいたのさ。
 ケッコンしても絶対、離婚するね。親類の離婚率の高さ、自分で言ってたしね。
 自分がそうなっても平気な顔してそう…。
  (→あまりにリアルに場面を思い描いて、涙腺が緩み、歩きながら泣き出す)

 …そんな事にならないで、シアワセになって欲しいよな。
 ワタシがこんなに悩んでいるのが、無駄にならないように…。
  (→視界ゼロ・風力ゼロ。わずかな努力(笑))

 ピアスしてるワタシを気に入ってくれる人に出会えるかもな。
 おっ、前向き前向き。いいねぇ…」
  (→全く抽象的な、新恋人のイメージがもやもや…(笑))



私が何か思った事や、想像した事を、ちょっと突っ込んで友人に話すと、
「フツー、そんな事まで考えないヨ?」
「また話が大きくなる~」
…なんて、言われる事がままある。
自分の中では、ほんの入口なのだけど。

それから、思うのは、このワタシの想像力・空想力は、
今やプラスではなく、全くマイナスの要素ばかり引き起こしてくれる、という事。

もちろん、良い事につながる場合もなくはないが、
本当に無駄な、しょーもナイ空想して、自ら打ちのめされて、どないすんねん(笑)。

この、実に豊かな想像力を、
馬鹿みたいにいろんな事を思いつく空想力を、
減らしたい。

貧困な想像力と乏しい空想力で、
下手な過去や未来を構築せずにいけたら…
ちゃんと前だけ向いて歩いていけたら…
どんなにいいだろう。

今の私にとって。
切なる願い。

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