イヌやネコの検査や治療に関する最新情報(社長の独り言)

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2009.04.25
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カテゴリ: FIP
 皆さん、ご無沙汰しています。
 もうすぐゴールデンウィークですね。
 巷では、最長16連休などという会社もあるようです。
 私にしてみればうらやましい限りなのですが、半ば強制的に休まされるというのは、当事者にとっては辛いものなのでしょうね。私も昔は大企業に居た事もありますが、不況のときはノー残業デー、休日出勤ゼロ、長い夏季冬期休暇、等々経験しています。
 でも、リフレッシュと割り切ってゆっくり休むのも良いのではないでしょうか。

 さて、今回は「FIPとFIPV」について、再度書きたいと思います。
 前回、2月ごろでしょうか、「FIPVというのはFIPという症状を起こすウィルスのことで、実態はコロナウィルスです」と言うことを書きました。

 ここ最近、FIPV遺伝子検査に関して同じような指摘を頂く機会がありました。
 「FIPV遺伝子検査とあるが、正確にはコロナウィルス遺伝子検査でしょう?正しく明記しなさい」という指摘です。



 2月の繰り返しになりますが、再度簡単に説明します。少し長くなりますが、興味があれば最後まで読んでみてください(私の文章は長い!といつも言われています・・・)。

 コロナウィルスとFIPウィルス、FIPとの関係について、「通常、腸上皮細胞で増殖するコロナウィルスが、何かの原因で変異して腹腔マクロファージで増えるようになり、全身的に広がり、致死性の病気を発症させます。この病気のことを伝染性腹膜炎(FIP)、FIPを発症させる原因ウィルスをFIPウィルス(FIPV)、と言います。」という考え方があります。
 しかし現在においても、学術的にはコロナウィルスとFIPVとの遺伝子レベルで違い(変異)があるかどうかは、はっきりとわかっていません。(変異についての報告はいくつかあります)。
 一方、臨床的にみると、FIPを発症したネコの血液や腹水、胸水からは、高頻度でコロナウィルスが検出されます。また、FIPを発症したネコから分離されたコロナウィルスは、腸コロナウィルスよりもマクロファージへの感染力やマクロファージ内での増殖性が高い、という実験データもあります。
 これらの事実は、マクロファージで増殖するようになったコロナウィルスが全身的に広がりFIPという病気をおこす可能性が高いことを示すものと考えられます。
 さらに、外見的には健常なFIPを疑う症状を呈していないネコでも、血中からコロナウィルスが検出されるケースがあります。ウィルス数は低値ですが、今後FIPを発症する可能性が高いと考えられますので、十分な経過観察が必要です。

 理解して頂けましたか?簡単にまとめると、次のようになります。
1)FIPをおこすウィルスがFIPVであって、正体はネコ・コロナウィルスである!
2)でも、FIPを発症したネコの血液、腹水、胸水から分離したコロナウィルスは、腸コロナウィルスよりマクロファージに感染して増えやすい!
3)そして、FIPを発症したネコの血液、腹水、胸水からは、高い確率でネココロナウィルスが検出される!
4)つまり、腸コロナウィルスとは性質の違うFIPを発症するコロナウィルスが存在する可能性が高い(遺伝子レベルでの違いは明らかではありませんので、可能性とまでしか言えません)!



 でもこれで、FIPとコロナウィルスの関係がよく整理できたのではないでしょうか?

 暖かくなって、ネコやイヌの動きも活発になってきましたね。
 でも、この時期になると検査を依頼される件数も少しずつ多くなります。
 飼主さん、日ごろの観察、大切ですよ。
 飼主さんが、イヌやネコたちの一番目のホームドクターです!


 自分の行きたい方にしか歩かない、無理やり引っ張ろうとするとこちらにお尻を向けて座り込み、徹底抗戦。「じゃ、帰ろうか」と言う間に、我が家の方向に一目散、このときは早いです。賢いのやらずるいのやらわかりません。

 では皆さん、よい休みを過ごしてくださいね。また次回。










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Last updated  2009.04.25 17:01:18
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Re:再び、FIPとFIPVについて、です(04/25)  
ま き *  さん
以前セカンドオピニオン先で、勝手にコロナウイルス抗体検査を病理に出されたことがあります。
いったい何を調べるんだろう?と疑問でしたが、遺伝子検査ってのもあるのですね。
抗体検査とどう違うのかはわからないですが、どうせ病理に出すならそっちのほうが詳しそうでいいなぁと思いました。
抗体だけじゃねぇ。。。 (2009.04.25 18:04:18)

Re[1]:再び、FIPとFIPVについて、です(04/25)  
まき*さん、タラちゃん元気ですか?
今までFIPの診断にはコロナウィルスの抗体検査が広く使われていました。ただし抗体は、現在感染しているのかどうかわかりません。過去に感染したとしても残りますからね。その先生は多分FIPを疑ったのでしょう。遺伝子検査は、コロナウィルスを直接検出しますので、その時に感染しているかどうかリアルタイムにわかります。また、抗体価が高くてもウィルスが出なかったり、抗体価が上がっていなくてもウィルスが検出されたり、のように検査結果が一致しません。いま、直接ウィルスや細菌を検出する遺伝子検査は、いろいろな感染症で応用されています。でも、遺伝子検査自体を知らない先生も多いのも事実ですね。むしろ飼主さんが情報を持って獣医さんに行くことも多いようです。飼主の言うことを真摯に聞いてくれる獣医さんを探すことも、飼主の役割かもしれませんね。まき*さんも努力されていますよね。我々の情報も、少しは飼主さんや動物たちに役立つと幸いなのですが・・・。 (2009.04.25 19:15:36)

初めまして  
ぬこ さん
大変興味深く、記事を拝見させて頂きました。
現在ウェットタイプの子と闘病を初めて4ヶ月目に突入しております。
次回、検査をお願いする予定でございますが
(今後は定期的に体内のウィルスの増減など見ていくため)
あるサイトにて、血液よりも腹水で検査をした方が精度が高いとの記述を拝見致しました。
実際のところはどうなのでしょうか?
また、検査結果が出た際にはブログにこちらの記事をリンクさせて頂いても構いませんでしょうか? (2009.05.18 01:15:58)

ご覧頂きありがとうございます  
ぬこさん、ご覧頂きありがとうございます。
そうですか、4ヶ月も頑張っているのですか。
ぬこさんと獣医さんの二人三脚の成果ですね。
日ごろどのようなケアをされているのか、FIPのネコさんを抱えている飼主さんには、とても参考になることと思います。
さて、ご質問の件ですが、同じ個体でFIPが発症しコロナウィルスに感染していた場合、血液よりも胸水、腹水の方がウィルス数は高く出ます。どちらを検査するかは、先生とよくご相談下さい。
このようなブログでもお役に立てれば幸いです。
よろしくお願いします。 (2009.05.19 19:41:59)

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