Bird Cage

【プラトーン】



監督 オリヴァー・ストーン
上映時間 120 分
製作国 アメリカ
初公開年月 1987/04
ジャンル ドラマ/戦争


この映画を初めて観たのは、いつだったか。
多分小学生だったんじゃないかしら(年ばれるか?w)

当時は、ただひたすらハラハラして怖かった。
内容はほとんど忘れてしまったのに、その恐怖感だけは未だに残っている。
よって大人になっても、あえて観ることはなかった。
あまり気持ちのいい映画じゃないとインプットされていたから。

けれど、つい最近ベトナム戦争について調べる機会があり、やはり文章だけでは感覚が掴みにくかったのでベトナム映画で検索をかけた。

真っ先に飛び込んできたのがプラトーン。
当時の恐怖、みたいなのが蘇ってきたが、内容はおぼろげにしか覚えていなかった。
兵士が両手を空に向かって上げ、絶命する。あの有名なシーンしか記憶になかった。
他人様のレビューとか読んでもイマイチぴんとこない。
これは借りて観るしかない。

お風呂も入って準備万端で、いざ観賞。
DVDの扱いに多少苦しめられたものの(冒頭部分を2回見せられた)無事スタート。

確かに目は背けたくなるようなシーンはあるものの、比較的残虐性、という所では良心的な作り。
直接映さなかったりとかね。
そこらで、これは単なるスプラッタを期待して観ているマニア向けではない。という区切りを付けているのかもしれない。
そういう意味で、戦争映画でも大衆向け。

けれど、これは『ベトナム戦争映画』ではなく、『ベトナム戦争に行った青年の映画』なのだと思う。
本編はずっと、クリスの視点で描かれている。

物語の主軸は、クリス・エアリス・バーンズの3人を中心に動いていく。
他の方のレビューを見ていると、エアリス【善】・バーンズ【悪】という捉え方をしている方が多いような気がする。
そういう私も、エアリス派であった。
無法地帯と化した戦場で、唯一の正義であるような。
エアリスがバーンズの裏切りによって取り残され、あの有名なシーンにて絶命した時、バーンズ憎し……とも思った。

しかし最後に、クリスがこれは自分との戦いだった。と語るシーンがある。
ここでやっと、ああ…エアリスもバーンズも、誰の心の中にもある感情なのではないか、と思った。
人を殺す事を、何て酷い!と思う気持ちもあれば、自分に仇なす者を葬り去りたいと思う気持ちも、誰の心の中にでもあると思う。

性悪説と性善説というものがある。
人間の本性は、本来悪である。とするものと、人間の本性は本来善である。という説だ。
ニワトリが先かタマゴが先かという話に似ている感もあるが、ぶっちゃけどちらでもいい。
善であろうと悪であろうと、そのどちらも持ち合わせているのが人間だと思う。

この映画は、実際にベトナム戦争に行った監督が、その時に負った心の傷、トラウマともいうべき過去と対峙するために作ったような気がする。

補足として、色々調べた際に知った事を。
激戦の後、辛うじて生き残ったクリスが目を覚ますと鹿がジッと見つめているシーンがある。
私は、ベトナムのジャングルにも鹿がいるのか。程度にしか思わなかったけど、原作の方ではエアリスが「死んだら鹿になりたい」と言う台詞があるのだとか。
これを知って、不覚にも目頭が熱くなった。
現実味がなくなるという判断か、映画の方ではその台詞はなかった。
けれど、最後に鹿を登場させるのは憎い演出だなぁと思ってみたり。

最後、クリスがバーンズを殺すが、それじゃバーンズと一緒じゃないか、という意見がある。
けれどあれは、バーンズの魂の開放。と見る方が私は好きだなぁ。
きっと彼は、生きている間中地獄から抜け出せる事はないと思う。
恨みじゃなく、もう開放されていいんだ、という気持ちでクリスが撃ったと思いたい。

今回観たDVDは特別編だったので、インタビュー特典のようなものがあった。
しかもこれが本編並みに長い。
でもかなり面白い内容だった。
久しぶりに観てみるか…と思った方は是非この特典も併せて観てもらいたい。

つくづく人間の環境適応力、というものは物凄い。
新兵の成長っぷりには目を見張るものがある(笑)

もっと色々思う事はあるんだけど、キリがないのでここまで。
とにかく、私はこの映画が面白いと思う。
派手さはないけど、しっかり作り込まれている感じ。
戦争を煽る内容でもなく、反戦映画でもない。
けれどこの映画は、公開当時には大きな役割を果たしたんだと思う。

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