The door of the heart...

私と両親


それは、年を重ねる毎に

「素直に接する事の出来ない自分」

「言われたとおりにやってきた自分」

 「自分の意志を貫きたい自分」 

とが、ぶつかり合って両親を攻撃していたのかも知れない。

理不尽だと思える、親の発言・行動。
私は間違っていないと思う事でも、親から見れば違うもの。
自分が親になって、初めて分かる真実と、やっぱり今でも変わらない気持ち。

両親には両親の歩んできた道がある。
そこから学んできた事、与えられた環境、
それらが両親の親という形を作らせているのだろう。

今まで育ててきて貰った感謝は常にあり、今でもありがたく思う事はたくさんある。
ただ、私が助けて欲しい事には気付いて貰えない。
私の直面している現実から、目を背けないで聞いて欲しいし、見つめて欲しいと思う。


<私と父>

父とは特別、思春期にイヤだと思った事はなく…
しつこく干渉もしてこなければ、無視もしない。
私にとって、父が一番話しやすい存在だったかも知れない。
ただ、話す時間があまりにもなかった。
家にいない訳ではないが、二人になれる時があまりなかった。

小さい頃は、勉強を教えてくれたり
無理矢理キャッチボールをさせられたり…
ひどく怒られる事もあった。

それは良い思い出であり、父という存在が私の中にはある。
プールへ通っていた時も、父が帰りに迎えに来てくれていた。
特別、遊びに連れて行って貰ったりした事はないけれど
その事を私はイヤだとは思わなかった。
ただ、毎日帰ってきていて、家にいる。夕食は必ず一緒に食べられる。
毎日の生活に、父のいない時は無いと言う事が、私の中では父が存在する理由でもある。

会社での社員旅行へ行けば、私と弟へのお土産は欠かさず、
母がいない日曜などには、ドーナツを作ったりした記憶もある。
まぁ、休みの日に掃除機をかけるのが父の日課でもあったが。

ただ、何もしない父ではなく、
短気で怒りっぽい父でもあるが、色々と動いている父だからこそ
父親という存在がイヤではなかったのだろうと思う。

今でも、父は祖父になりきれない父をしている。
あまり甘やかす事を好まない父。
旦那よりも怖く、息子を叱る時もある父。
でも、それが父なのだろう。
私はそれでいいと思う。
父なりに息子達をかわいがっている様子が分かるから。


<私と母>

タイプが一緒だからぶつかり合うのか、はたまた水と油程違うからぶつかり合うのか…
分からないけれど、母とぶつかる事は度々あった。
それは、私が自分の意志をぶつけるようになってきてから。

何でも言う事を聞いていた頃とは違い、
母への不信感をぶつけていたりした。
あまりに弟とは違う態度を見せる母。
同じようにしていると言いつつ、全く違うという事を認識しない母。
今でもそれは変わらないと思うが…

私から見て母は、まだ子供なのだろうと思う所がある。
まぁ、祖母がそう言う風にしているからいけないのだと私は思うのだが…

決して、褒めようとはしなかった母。
これは、私に対しても弟に対してもそう。
テストで良い点を取っても褒められた事が今までない。
試験に合格しても…まぐれでしょ~とおめでとうが無い。
ただ、負の言葉だけがつもりに積もる。

何でも話そうとする私に、いつしか耳を傾けなくなっていた。
そうされた事によって、私は心を閉ざしていったのかもしれない。
高校受験の時も、自分の言った言葉も忘れ、私の悩んでいる事にも気付かない。

仕事をしているからと、弟を私に任せ
最低限やって欲しい事はして貰えなかった記憶ばかりが残る。

だから私は、仕事をしても怠ける事はしたくないと思っている。
一時期仕事をしていた時は、実際そうだった。
仕事をしているから、手抜きをしてはいけない…とは言わないが
それに甘えて怠けるのは違うと思う。

こんな事を言っているが、母を嫌いという訳ではない。
たまに話せる事があって、たまに会うから今はちょうど良いのかも知れない。
でも、それでも私は少しでも母との間にぎくしゃくとした物を作りたくないと思っている。
母は面倒な事が嫌いなのだろう…
私が旦那の事で離婚を言い出した時に、実際、話を背けた。
しばらくの間、私と会おうとしなかった。
だから私は、不満を言う時は言葉を選んでいる…



両親には、二人で仲良くやっていて欲しいと思う。
私は両親の22歳の時の子供だ。
弟も20歳になり、手がかかる訳でもない。
祖父母と言うには早い年齢だが、それなりにやってくれればいい。
両親に何かがあれば、私は手助けをしようと思う。
それは、私の恩返し。
嫁に行ったからと言って、娘である事には変わらない。

でも一番は…
何事もなく、元気でいてくれる事が嬉しい。


                                2004.10

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