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一週間ぶりのブログになってしまいました・・・
今さらなのですが、私の "Julie(ジュリ)"
という名前はもちろんニックネームです。
「どうして"Julie(ジュリ)"なの?」というご質問を頂きましたので、今日は私のニックネーム
"Julie(ジュリ)"の由来について、「ひとりごと」を呟きます・・・
"ジャン・ジャック・ルソー"
という人をご存知でしょうか?
スイス生まれの思想家、作家で、「社会契約論」や「エミール」という教育書を書いた人として
有名です。何だか難しい名前の本で、なかなかなじみの薄いジャンルかもしれませんが、
トルストイやゲーテにも大きな影響を与えた人なんです。ルソーを当時一躍有名にした
のは、
「ヌーベル・エロイーズ(Nouvelle Heloise)」
という長編小説です。
「書簡体小説」と呼ばれる形式で書かれているのですが、聞いたことあるでしょうか?6巻から
なるそのストーリーは、ある貴族の女性と平民の青年の恋愛が「書簡(手紙)の交換}という形
で綴られています。
自然な感情と理性の調和が図られた、とても美しい小説です。その優雅なフランス語とロココ
スタイルの絵画を想わせるような純真無垢な二人の書簡は、出版以来約30年もの間、革命前夜
のパリにおいて市民の間の不滅のベストセラーとして絶賛の的だったんです。18世紀の半ば
で一世を風靡した、唯一の文学作品だったと言えるでしょう。
その主人公の女性の名前が "ジュリ(Julie)"
と言います。ここで、簡単にストーリーをご紹介
させて下さい。
美しい貴族の娘ジュリと平民の青年サン・プルーは互いに愛し合っていたが、父母の反対に遭い、
ジュリは泣く泣くサン・プルーをあきらめてヴォルマールという地主と結婚する。しかしなぜか、
ヴォルマールは寛大にも妻の昔の恋人サン・プルーを家庭教師として屋敷に招いてやる。ジュリと
サン・プルーはお互いに罪を犯すまい、不倫を犯すまいと、苦しい理性のたたかいを重ね・・・ついに
死の間際、病床のジュリはサン・プルーへの愛を告げ、天国で結ばれることを祈って神に召される・・・
初めてこの小説のことを知ったのは小学生のとき 。
"ベルサイユのばら"
の中に出てきたの
がきっかけでした。その後、短大のフランス文学の授業でルソーについて学んだときに、
「ヌーベル・エロイーズ」を詳しく知ることができました。
18世紀のフランスは、貴族と平民の結婚には国王の許可が必要な時代と聞いています。
「死によって
しか結ばれない愛もある・・・」この小説は、身分の違いや障害の多い恋に苦しむ
若者たちの心を代弁しているところがあったのかもしれません。
それが、この時代にベストセラー
となった所以でもあるように思えます。
私はこの"ジュリ"という女性がとても好きです。運命に苦しみながらも、清らかな心でサン・
プルーを愛し抜いた彼女の心がとても愛おしく感じられました。
ブログでのニックネームを考えていたとき、私の大好きなフランス女性の名前がいいなと思い
ました。その時に、ぱっと浮かんだ名前がふたつありました。
ひとつはこの"ジュリ"、そしてもうひとつは"カミーユ(Camille)"でした。女性彫刻家であり、
彫刻家ロダンの愛人でもあった "カミーユ・クローデル"
です。ですが、カミーユという名前は
以前よりワインビジネスにおいて、私のビジネス・ネームとしてすでに使っておりました。
それで最終的に、私の大好きなもうひとりのフランス女性、小説「ヌーベル・エロイーズ」
の"ジュリ"にしようと決めました。(チョット厚かましいかなとも思ったのですが・・・そこは、
お許しいただきたい!
)
"ジュリ"という名前は、日本人にとっても聞きなれた、呼びやすい名前かなとも思ったので・・・
みなさんにも、ぜひ機会があったらこの小説を読んでみて下さいと言いたいのですが、残念なが
ら現在は絶版になっているようです。
上記の写真は、タイトルが 「新エロイーズ」
となっていますが 、
「ヌーベル・エロイーズ
(Nouvelle Heloise)」
の ”ヌーベル(Nouvelle)”というフランス語は、”新しい”という意味
です。なので、タイトルが「新エロイーズ」と訳されているわけです。(”エロイーズ”というのは、
実在した女性の名前なのですが、彼女についてはまた別の機会にお話したいと思います。)
「ヌーベル・エロイーズ」を初めて読んだのは、確か社会人になりたての頃だったと思います。
こうして呟いているうちに、何だかまた読みたくなってきました・・・以前読んだときとはまた違った
思いが湧き出るかもしれません。今度のお休みにでも、久しぶりに"ジュリ"に逢いに行ってみよう
かな・・・
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「わたくしの霊魂はあなたなしに存在いたしましょうか、あなたなしにわたくしにどんな幸福が味わえ
ましょうか?いいえ、わたくしはあなたとお別れするのではありません、あなたをお待ちしに行くの
です。徳は地上でこそわたくしたちを隔てましたけれど、永遠の住み家ではわたくしたちを結び合せ
てくれましょう。わたくしはこの楽しい期待をもって死んでゆきます。罪にならないでいつまでもあなた
を愛する権利を、そしてもう一度、あなたを愛しますと言う権利を、この命と引換えに贖えるのを深く
喜びつつ。」
書簡 12 ~ ジュリよりサン・プルーへ ~
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「ヌーベル・エロイーズ」の”ジュリ”とは、ものすご~くかけ離れている
「Julie」
ですが、これからも
”Julie のひとりごと”
のお部屋に遊びに来て頂けたらうれしいです・・・!
Amities, Julie