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2013.10.30
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カテゴリ: 読書
図書館司書さんのお勧め本ということで
ジョン・グリーン「さよならを待つふたりのために」を読みました。


【送料無料】さよならを待つふたりのために [ ジョン・グリーン ]

あらすじは
***
アメリカに住んでいるヘイゼルは現在16歳。
13歳の時に患った甲状腺ガンが3年後に肺に転移。
酸素ボンベが手放せない生活を送っている。
学校も通えなくなったヘイゼルに、母親は
ガン患者、あるいはガンを克服した人たちが体験を語り合う

気乗りしないまま参加していたサポートグループにある日
骨肉腫で片脚を失ったオーガスタスという少年がやってきます。
脚を失うまではバスケットの花形選手だったオーガスタスは
背が高く青い瞳の美しい少年で、ヘイゼルは一目ぼれしてしまいます。
オーガスタスも、初めてあったヘイゼルから目が離せない様子。
そんなオーガスタスにヘイゼルは今まで誰にも教えたことがなかった
お気に入りの本を貸してあげます。
オーガスタスもその本を心から気に入りました。
ところがその小説は、結末がありません。
ヘイゼルとオーガスタスは会うたびにその本について語り合います。
そして著者本人に、物語の続きを聞きに行こうということに。

「オランダまで来てくれたら会う」という約束を取り付けた二人。
しかし、酸素ボンベを常時身につけていなければならないヘイゼルが
何時間も飛行機に乗ってオランダまで行けるのか?
そしてヘイゼルの命は?
***



辛い小説でした。

途中までは清々しくてすてきなラブストーリーなのです。
ヘイゼルとオーガスタスの。

二人が気に入った小説の著者を訪ねるオランダ旅行は
小説のクライマックスで、
キラキラした若者の恋を、微笑ましく感じていられました。

ところが、オランダからアメリカに帰って来た後で
予想に反する展開があるのです。
注意深い読者なら伏線に気がついて
「おおかた、そんな事だろうと思っていた」というかもしれません。
私はうかつにも読み過ごしていて
「そんな…」と絶句してしまいました。

タイトル「さよならを待つふたりのために」は
もちろん、さよなら=死 を待つ
ふたり=ヘイゼルとオーガスタス
な わけですが、この小説を読み終わると
二人に限らず、人は誰でも必ず さよならしなくてはいけなくて、
その さよならは必ずしも望む形では訪れないのだということを
考えさせられました。

だからといっていたずらに死を恐れるべきではないし
生きることに絶望するべきではないと、教えてくれる小説です。

そして「さよなら(=死)を待つ」のは
ヘイゼルやオーガスタスのように
病気を患っている人に限らない、
元気でこの先何十年も頑張るつもりの人であっても
本当は明日の命さえわからないのだ、
誰もがみな、さよならを待っているのだ、と
考えさせられる小説でした。

人間と動物を同等に扱うことに拒否感を持つ方もいらっしゃるでしょうが
主人公が徐々に「別れ」に向かっている様子は
この9月に天に召されたディディエとよく似ていて読むのが辛かった…。

それに私の家系は紛れもないガン家系で、
いずれ自分も…という思いがあるので
とても「ただの小説」とは思えない小説でした。

お勧め度は
★★★☆☆

外国の小説だからでしょうか、
たまに見かける
「難病の主人公と死、恋愛さえからめればOK」というような
安直さは微塵もない小説でした。
オランダ帰国後の雪崩をうつような展開に
耐えられると思う方のみ読んでみてください。


【おまけ】
私がこの小説に入り込んで行けた理由は
自分と主人公ヘイゼルに共通点があったこと。

その1.モノに名前をつける
私がカメラにニコラ、ICレコーダーにネフリュードフと名付けるように
ヘイゼルは酸素ボンベにフィリップと名前をつけています。

その2.本を媒介として異性と心を通い合わせる
恥ずかしながら私もかつて、小説をきっかけに恋愛感情になったことが2度ありまして。
1度目は18歳の時。
「太宰治なんか嫌いだ」という私に
「君は太宰が嫌いだと言うけれど…」という書き出しの手紙を添えて
太宰治『パンドラの函』を下さった先輩。
まぁ片思いに終わったんですが、速攻惚れました。

もう一人は、オットです。
私が食わず嫌いで村上春樹を読んだことがないというのを知って
プレゼントしてくれたのが「羊をめぐる冒険」でした。


ああ、堤真一、何か私に本をプレゼントしてくれないものか?!



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最終更新日  2013.10.30 19:15:43
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