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著者の奥さんが、芸術界の東大である藝大の学生さんで、奥さんの日常や、藝大の学生さんの様子や芸術に対する想いがすごく魅力的に描かせています。
著者の方が、学生さん一人一人にお話を伺っておられ、
そこには芸術に対する気持ちや生き様がみられ、とても熱い気持ちになりました。
何かを残したいという人。
誰かに認められるとか、誰かに勝つとかではなく、ものを作っている時間が好きという人。
ただただ絵を描きたかった人。
言葉で音楽を伝えたい人。
ほんとに一人一人が芸術家で、奥深くて、こんな世界があるんだなと、すごく刺激をもらいました。
好きなことにただただ没頭したり、他の誰かの意見ではなく、自分の好きに真っ直ぐだったり、羨ましくなるくらいの熱量で、好きを形にしようとしている姿は、眩しくなります。
しかしその裏には、アスリートと変わらないような努力や精神力、そしていろんなことも犠牲にしてのものであることも知り、芸術に対する見え方が大きく変わりました。
映画ブルーピリオドを以前見に行き、藝大に入るまでの様子が描かせており、藝大に入るのがどれだけ難しいことかは知ってるつもりになってましたが、音楽学科などでは幼少期から芸術への道は始まっているようで、楽しいだけでは語れない、その人が奏でる音には、いろんな背負ってきたもの積み上げてきたものの音なんだと思うと、それだけの覚悟や想いが滲み出るからこそ、人は音楽を聞くと感動したり、がんばろうと思えたり、芸術に触れたくなるんだなと思ったりもしました。
「ものを作ることは、人生そのもの。」
本の中にでてきた言葉ですが、大学生のときにそういうものに出会えてるって、すごいことですよね。
そして、一番印象的に残っているのは、ブラジャーウーマンさんのお話でした。
奇抜なファッションの裏に込められた想い。
性同一性障害、共感覚など、小さい頃から自分のことがわからない、わかりたいと誰よりも困惑しながら、戦いながら、たくさん自分自身と向き合うなかで見つけたのが、美への追求だったり、作品で表現することなんだと知り、
「自分の人生と作品は繋がっている。血管で繋がってるみたいに。」という言葉には、すごくいろんな想いが絡まり合っているメッセージのように思い、ブラジャーウーマンさんの作品、見てみたいと思いました。
他にも、魅力的な学生さんがたくさん出てきます。
そして美術学部と音楽学部とはこんなにも違うんだなと、その比較も楽しみながら読んできましたが、
最後には、美術も音楽も繋がっているし、混ざり合うことで、さらに美しくなるんだと知りました。
なんて素敵なんだろって気持ちで、読み終わりました。
芸術に関しては無知に近かった私でしたが、美術にも音楽にも、今までと違った見え方ができそうですし、たくさんの刺激がもらえる本でした。
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