混沌としためいぷる日記

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Nightmare City 序章


 場面変更、描写などは可能な限り原作に近づけるよう努力していますが、至らない部分もあるかもしれません。
原作の雰囲気を大切にしたい 、という方は見ないほうがいいかもしれません。





 空には、鉛色の雲が流れていた。
「……イヤな雰囲気だな……」
 空を見上げながら、黄色い猫の獣人はつぶやいた。

 近年、目覚しい勢いで発達しだしたネット―ワーク世界。
 その究極形態ともいえるのが『DLP』であった。
 DLP――『ドリーム・リンケージ・プロジェクト』の略である。
 これは、その名の通り『夢の共有』――。
 カプセル型の特別な機材にプレイヤーを寝かせ、その意識を技術者たちが作り出した仮想空間へ送り、さまざまなことを行うことが出来る、というものだった。全員が同じ夢の中にいるかのような感覚になるため、この名がつけられたのだ。現段階では、DLP内で自分の好みの姿になったり、同じDLP内の人間と話したりするくらいだが、最終的には買い物などもできるように計画されている。
 そのDLPの起動テストに、彼――DLP内では『ギコ』と名乗っている青年は参加したのだった。
 今回のテスト内容は『かくれんぼ』。
 DLPを内部から管理するAIの自立能力を確認するテストである。
 テストの内容は単純明快。二十人近くいるプレイヤーが、仮想空間の各地に隠れた七人のAIを捕まえるというものだ。
 AIはそれぞれ独自の判断でプレイヤーの目から逃れようとする。七人全員捕まえるか、制限時間が切れた時点でテストは終了。データを分析し、更なる改良に役立てようというのだ。
 今までのテストでもエラーなど見つからず、今回も全てがつつがなく終了するはずだった…………



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