LA STANZA CHIARA 〜キアラの覚書〜

LA STANZA CHIARA 〜キアラの覚書〜

キーンベック病


朝から忙しい。
手術着のママだし、点滴はまだ続いている。
明け方から痛みが酷くなったので、薬を飲む。
早い時間に、A先生が、いらして写真で昨日の手術の説明。
砕けた月状骨をとって、入れようと思ったけど、腕の関節の軟骨もダメになっているので、
隣の舟状骨とその上の骨を繋いで、何とか持つでしょう、と言う。
「きれいに出来たから、大丈夫」
平均寿命まであとン十年。

暫くして、今度は傷の消毒。
初めて傷を見る。
「T先生がいってたけど、フランスじゃこ~んなに切るんだってさ。
 こいうことは日本人じゃなきゃダメだね」
外科医はね~、手先が器用で、きれいに仕上げることに喜びを感じる人でなきゃ、と思う。

「もうすることないから、帰っていいよ」
「え~っ、痛いんですけど」
「きょういっぱいくらいだよ」
そういえば、外来の時、T先生も、早ければ2泊3かといってた。
《それにまだ、朝ご飯食べてないんですけど・・・》

でも結局、お昼を食べて退院。
お向かいのベッドの方が、「アタシより後に手術したのに・・・」と驚く。


© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: