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2009年05月25日
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社会心理学から見た現代日本の問題点という副題が表しているように、社会心理学という分析を通して現代の日本について考えてみましょうというものになります。

「近頃の若い者は」という太古の時代より繰り返されてきた言葉は、過去を美化する年寄りの愚痴であるという事は有名となっていますが、現在の日本を語る上で、害悪にしかなっていないのが、過去の日本と現在の日本を比較し、昔は良かったという安易な結論に至る事であるとします。

そういう人が、現在の日本の現状を語り、どう変えるべきかとなると、単純にモラルや心の問題という精神論ばかり振りかざしてしまい、思考停止に陥り結局は屁の役にもたたない事を繰り返してしまうと。

その前提条件を挙げたうえで、日本の問題点と改善点を明確にしようという試みが本著になります。

結論としては、安心社会と信頼社会という2つの概念が存在しており、かつての日本は安心社会という社会構造が成り立っており、日本人はその構造に適した行動を行っており、そのために上手くいく事が多かった。

しかし、現状の日本では安心構造が崩壊しており、信頼社会に移行せざるを得ない状況にも関わらず移行に失敗してしまい疑心暗鬼になっていると。

安心社会というのは、基本的には農業系村社会の事であり、回りは知った顔ばかり、農作業を基本としているため、個人のわがままを通す事によって不利益になる事があからさまになるために、暗黙のルールという前提条件のもと全てが回っているという社会。

そのため、基本的には排除の論理がまかり通り、暗黙のルールを知らないよその者は生きにくい形態になるが、ある意味何も考えなくとも、互いに分かりあっているという安心が保障されていると。

一方、信頼社会というのは、村社会とは違い知らない者同士が集まり、暗黙の了解が通じないため、基本的には明文化されたルールにのっとり行動する事を求めらる。



この2つの社会的概念を提示し、安心社会が崩れてしまった日本は信用社会に移行しなければいけないし、そのためにはどうしたものかというのがいろいろと出てきます。

最終的には社会システムとして、正直者が報われるというものを作り上げるしかないという結論なんですけどもね、モラルやらなにやらを精神論だけで何とかしようとする人は単なる思考停止、教育やらなにやらで同行できない事は有史以来示していると。

まぁある意味真っ当ですね、人間基本的に欲望には弱くて当たり前なんですから、その欲望に弱くて当たり前を前提に、いかに悪い方向にいかないようにするのか、悪い方向に暴走しないようなストッパーをどう設定するのかが重要であるというのは、なかなか分かっていても論議されない事なのかもしれないとか。


第 1章 「心がけ」では何も変わらない!
第 2章 「日本人らしさ」という幻想
第 3章 日本人の正体は「個人主義者」だった!?
第 4章 日本人は正直者か?
第 5章 なぜ、日本の企業は嘘をつくのか
第 6章 信じる者はトクをする?
第 7章 なぜ若者たちは空気を読むのか
第 8章 「臨界質量」が、いじめを解決する

第10章 武士道精神が日本のモラルを破壊する

第10章などは、タイトルだけ見ると、納得したくないようなものですが、武士道精神というのは、基本的には統治者の論理であるという事であり、それを全てに当てはめてはいけないという事と、商人道という考え方とは真逆とまではいかなくても、相反するものであるのに、これを中途半端に融合させてしまい最悪なものができあがるというものになります。

武士道が基本的には主君に対する忠誠心と考えれば、これを商人に当てはめると、お客様のためという看板を掲げながら、主君を守ろうという忠誠心を見せて、偽装であるとか隠蔽が横行するという事。

逆に商人という利益を追求するという考え方が、統治者に入り込むと賄賂の横行というような分かりやすい悪事に突っ走ると。

混ぜるな危険ってこういう事だよなと、妙に納得してしまったりします。



日本の「安心」はなぜ、消えたのか





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最終更新日  2009年05月25日 21時04分54秒
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