ハナちゃんといっしょ

ハナちゃんといっしょ

韓国・プサン’95 


ビートル2利用

●ビートル2でGo!●

大学時代の親友、Tちゃんといっしょの二人旅。現地係員案内の1泊2日の小さなツアーに参加した。Tちゃんは当時岡山に住んでいたので、博多で待ち合わせる。このとき、駅からビートル2の乗り場まで無料シャトルバスがあるなんて知らなかったので、普通に博多埠頭行きのバスに乗って終点で降りる。なかなかおしゃれな場所だけど、ビートル2の乗り場を探すことができない。国際ターミナルは別の場所にあると気づいたおバカな私たちは、タクシーをつかまえた。

博多港からプサン港までは3時間弱。船の揺れもほとんどなく、快適な旅だった。Tちゃんは3度目の韓国だったが、私は初めてだった。プサン港に近づくと、ハングル語、ロシア語、漢字で書かれた船がたくさんある。小さな船も、盛んに行き来していてわくわくした。

●入国はキムチのにおい●

船を降り、建物に入った瞬間、何かにおう。にんにくのにおいだ。嫌いなにおいではないにしろ、なんだか変な感じだった。カナダも台湾もにおいが気にならなかったけど、韓国には独特のにおいがある。
入国はやや厳しいかなと思った。どこの国に行ってもそうだが、入国管理間は、無表情で暗い。ニコリともせず、日本語で質問をしてくる。これは、韓国の一番嫌だなって思うところだ。準戦時下国家なので、仕方がないといえばそうなのかもしれないけれど。

無事入国チェックを終えると、現地係員の金さんという美しい女性が私たちを待っていた。肌なんかつるつるで、本当にきれいだった。日本に留学して日本語を学んだのだという。聞けば、新婚さん。
なんと、このツアーの参加者は私とTちゃんの2人だけ。ちょっとお得な気分になった私たちだった。

●プサン●

金さんの話によると、プサンは交通渋滞がとてもひどい場所らしい。ところが、運のよいことに、私たちが行ったときは渋滞なんてまったくなかった。「ラッキーですよ」、と金さんは言った。
プサンの町並みで思ったこと。看板である。ハングル語や英語の看板があるのは、まあ普通かなと思った。しかし、いろんなところにロシア語の看板がある。その看板の近くで、時々白人を見かけたが、ロシア人だろう。港町で距離的にも近いという理由もあるだろうけど、大陸に来たんだなって思った。
それから、港町だからだろうか、若い人たちがおしゃれっだったと思う。

*国連墓地*
まず最初につれてこられたのが、ここ国連墓地。1950年の朝鮮戦争で、南のために戦って命を落とした外国人の墓地である。南側に参戦した国の国旗が立ってある。もちろん、日本はない。

*龍頭山公園*
プサンのシンボルである、龍頭山タワーが立っている。ここには、豊臣秀吉が朝鮮出兵したときに、豊臣軍を破った将軍のでっかい銅像が、日本方面を向いて立っている。この国じゃ英雄なんだろうなあ。

*チャガルチ市場*
2日目の朝早くにつれてこられた場所。海辺独特のにおいがした。海の上では漁船が走り、たくさんの人がいて、活気があった。もちろん始めて見るものもあった。まず、エイを売っていた。強烈なにおいがするらしい。また、儀式で使うのだろうか、豚の首が並んでいた。Tちゃんが、
「豚さんたち、なんだか安らかな顔だねぇ」
とつぶやいた。活気におされて、写真を1枚も撮っていない。

*やっぱり屋台!*
夜はプサンの街中を少し歩いた。ツアー外だったので金さんは来ないが、暗い場所や人気の少ないところには行かないこと、スリに気をつけることとアドバイスをいただいた。
夜でもお店は遅くまで開いているし、屋台では、いろんな食べ物のお店、アクセサリーや洋服、何でも売っていた。甘いものが大好きな私はケーキ屋さんへ。日本語も英語も話せない店員さんとジェスチャーでのやり取り、楽しかった。言葉が通じなくても、お勧めのスウィートを買うことができた。
Tちゃんは香水が大好きで、屋台で値切っていた。しかも、うまい!
「これとこれ、2個買うから安くして(語尾、ハートマーク)」
と、かわいく微笑む。Tちゃんの希望でコスメのお店に行くが、店員さんたちの恐ろしいほど濃いメイクにびびり、入口から出口までそのまま素通り。
夜の街を楽しんだチビッコ2人は、大満足でホテルに帰った。

●キムチィーな2日間●

台湾同様、韓国の食にはハズレなし!何もかもがおいしくいただけた。一番驚いたのは、一品の料理に対して、何種類もの小鉢ならぬ小皿がついてくることだ。店によって漬物の種類は違っても、必ずキムチがある。辛い物の大好きな私にはたまらない、それも、日本のキムチとは別の食べ物のごとくおいしいのだ。

*法酒*
夕食はプルコギ、もちろんおいしかった。でも、焼肉は普段でも食べ慣れているし、レタスに巻いて食べるというのも日本の韓国料理屋で出てくるのでそんなに珍しくはない。何がおいしかったって、法酒という名前のお酒。Tちゃんはお酒は少ししか飲めないが、私は好きである。焼肉をすると、ちょっぴり飲みたくなった。アルコールを頼むと自腹だが、残りは家に持って帰るつもりで一瓶買った。私は日本酒があまり好きではないけど、これはさっぱりしていて飲みやすかった。家に持って帰ると、父と父の友人たちが飲んでしまった。

*韓定食*
ホテルの朝食は自分でメニューを選ぶことができた。ありがたいことに、日本語のメニューだった。韓定食というのが気になり、注文する。驚いたのは、食器が全部金属だ。ご飯、お味噌汁の器、お箸にスプーン・・・。前夜のプルコギは日本人観光客ということもあり、割り箸での食事だった。韓国人はこんな平たい金属の箸でよくご飯が食べられるなと思った。しかも、味噌汁でも何でも、汁物はスプーンだし。日本でやっちゃうと、お行儀が悪いって叱られるんだけどな。所変わると作法も変わるからおもしろい。

*海鮮鍋*
さすが港町プサン。いろんな種類の魚介類が入ったお鍋、とてもおいしかった。できたかどうか確かめようとふたを開けようとすると、「まだダメよ!!!」店員のおばちゃんに叱られた。

●垢すり初体験!●

このツアーのハイライトは、竜頭山タワーにてプサンの夜景を楽しむということだったが、急遽変更してもらった。Tちゃんが、どうせ韓国に行くなら垢すりをしてみたいと言った。私も賛成。金さんに垢すりができないか尋ねてみた。金さんは、別料金の自腹になるのでいいならと、朱塗りのコモドホテル(泊まってないけど)の近くにあるサウナというか、銭湯に連れて行ってくれた。料金は日本円で5,000円弱、悪くない。

さて、いよいよ垢すりが始まる。私たちのために、2人の垢すりのオバちゃんがやってきた。その格好がものすごい。Tちゃん担当のオバちゃんは黒ブラに黒パンツ、私担当のオバちゃんはノーブラに黒パンツ。男性だったら絶対に見たくないだろうという方々。暑いから服なんて着てられないんだろうけど。
丸裸になった私たちは寝台に寝せられ、まずは石鹸をつけて軽く体を洗われる。そして、本格的な垢すりが始まった。力を入れてゴシゴシこすられているんだけど、やっぱりプロ、それがそんなに痛くないのだ。気持ちがいいし、信じられないくらいの垢がボロボロ出てくる。私たちって汚かったんだな・・・。
オバちゃんが私の手を伸ばすと、グニュッとオバちゃんの三段腹の間に手先が突き刺さる。柔らかいけど、微妙な感じ。おまけに、えっ、そんなところまで???と、赤面しそうなとことまですられる。
仕上げはハツミツを体全体に塗られ、マッサージ。顔は摩り下ろしたキュウリでパック。とても気持ちがよかった。

終ってサウナに入るが、そこのサウナが洞窟みたいでおもしろい。髪も洗って着替えると、今度は鏡の前に座れと言われる。今度は若いお姉さんが出てきて、丁寧に私たちの髪をセットしてくれた。至れり尽くせりだった。
次の日の化粧のりは最高、お肌つるつるだった。

●こんな運転、あり?●

ツアー外だったので、ホテルまでタクシーで帰る。金さんがホテルの住所と運転手さんに書置きをしてくれて置いたので、何も告げずとも紙を見せただけでタクシーは動き始めた。運転手は超無愛想、それもこわ面。こんな恐ろしい運転、ちょっとなかったかもしれない。プサンは渋滞の町、運転手さんはメインの道路ではなく、ただひたすら狭い裏道を走るのだ。それもものすごいスピードで。Tちゃんと私は恐ろしくて、車内では一言も話していいない。
そのとき、事件は起こった。タクシーの目の前を、ポリバケツを背中に背負っているおばあちゃんが歩いていた。タクシーはおばあちゃんのポリバケツをかすっていたのである。私たちは悲鳴をあげる寸前。おばあちゃんは大丈夫だろうかと見ると、何事もなかったように歩いている。うそやん・・・。日本じゃ接触事故だよ。海外では、荒っぽい運転手さんに気をつけましょう。

●日本男児?韓国男児?●
竜頭山公園から帰る途中、軍隊に所属しているらしき男の子たちが木陰で休んでいた。私たちの乗ったワゴンは彼らの目の前で信号待ちだった。私たちが彼らを見ると、手を振ってきた。若くてかわいい子ばかり・・・。Tちゃんと私が
「韓国の男の子って、絶対日本人よりもかっこいいよね」
と話していた。すると金さんが、
「え、そうですか?私は日本に行ったとき、日本人の男性ってなんて素敵なんだろうって思いましたけど」
と言った。やっぱり、隣の芝は青く見えるのだろうかと感じた瞬間だった。

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