*転入生*

















便利 ~切ない恋の物語 (違~















ちょうどその頃私たちのクラスに転入生がやってきた。


カルガモだ。


背が高いから目立つ。


ミッチャンは目立つ人が気に入らない派ではなかったが


ちょうど新しい情報を入手したくてうずうずしていたミッチャンには、最高の獲物だった。


カルガモが学校に慣れてきた5月の終わりごろ。


ミッチャンは動いた。


放課後カルガモを1人残らせ、側近たち(?)に取り囲ませた。


側近たちは、あらかじめ用意されていた質問事項を読みあげ


細かいところまでつっこんではカルガモの個人情報を搾り出した。


前の学校にいた時のポジションや彼女の有無、


また友達や彼女?とは週何くらい連絡を取るか


今一番親しいのは誰か、成績はどれくらいか。


かなりプライベートなところまでしっかりと答えさせた。


私はそばでその様子を見ながら、そのミッチャンの異常なほどの独占欲に恐怖を覚えた。


全てを知りたい、自分が知らないことがあるのは嫌。


そんなミッチャンを止めることができる人を、私たちは知らなかった。
















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