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父はかれこれ10数年前、事故で大怪我をした。
どれくらいの大怪我かというと、救急車で搬送先病院を探しても、怪我の状態がひどくてなかなか決まらず、やっと隣の市の病院が受け入れてくれたが、ストレッチャーで運ばれた父を見て、待機していた看護婦さんが顔を背けた。
そして病院の先生が、「ここ2,3日が山だから、会わせておきたい人がいたら呼んでください。」というくらいの大怪我だった。
今でもあのときのことは覚えている。
しかし・・・悪運強い、いやいや生命力の強い父は、不死鳥のごとく死のふちから舞い戻った。が、残念ながら、両腕はつかえなくなり、今は義手生活をしている。
その父が、病院でまだICUにいた頃、母に
「これでもう船には乗れない・・・」とさびしそうに言ったそうだ。
父の趣味は釣りだった。小さなレジャーボートで週末よく釣りに出かけていた。
そんな趣味がもうできないかも・・・と涙ぐんだ母は、退院したら新しい船を買っていいと言ってしまった。(それを聞いた私は、「お母さん、まだ弟も大学に行ってないこの状況で、どうしてそんな無駄金使うのっ。」とあきれた)
しかし、それを聞いた父、入院中にもかかわらず嬉々として勝手にYAMAHAのレジャーボートを購入してしまった。
そして退院後、予約していたボートがやってきたっ!!!がここで問題発生
父はすでに義手である。どうやって操縦するのだ???
車の免許は問題なかった。ずっと以前、サリドマイド児の方も運転できるような車が開発されているため、父も問題なく免許は更新できるとのことだった。
でも船舶の免許は・・・船舶の場合、人命救助ができることが最重要事項のため、父の場合、救助されることはあっても救助することは難しい(笑)で、免許は無効となった。
ここで、非常にポジティブかつわがまま&楽観的な父
自分ができないならと、家長命令で家族全員船舶4級の免許を取ることを指示!!これに喜んだのは弟だけだった。
こうして渋々とった船舶4級、その後東京にでた私は失効し、船に無関心な母も失効、唯一、喜んでいた弟も東京転勤で失効になった。
今の船に私はほとんど乗っていない。父が海にでかけたいときはご近所の友人が操縦してくれる。
その船があって良かったと思えることが久々にあった。
子どものころは毎年行っていた。船で海上まで行って、見上げるような大きさの花火を堪能する。渋滞も人ごみも関係ないし、船には飲み物も食べ物もたくさん用意されていた。
昔は他のグループと何艘か船を連ねて楽しくみていた。
今は帰省と花火大会の日にちがなかなか合わず、今年もだめだと思っていたら・・・
今年は大丈夫じゃん!!早速父に言ってみた。
お祭り好きの父はすぐに友人家族に、操縦をお願いし、私は学生時代の友人家族を呼び、母は買出しにでかけ、大人8人、子ども4人で久々に船に乗った。友人夫婦は昔招待したことがあったが、子どもたちは初めて。
心配なのは船酔い。停泊中、別の船が通ると波が起こり船が揺れるのだ。

こうちゃん、船に乗って花火にを見るのを知って楽しみにしていた。
船が花火大会の海上に向かって進みだすと、友人のおじょうちゃんの手を握ってあげている。
そして、海上に到着

こうちゃんも友人のおじょうチャン方も大喜び、みゆもと花火を見ている・・・し食べている。
良かった~。船酔いはなかった。
こどもたちは大騒ぎで「たまや~」なんて叫んでいる。

13000発の花火が見事にあがった。
途中子どもたちは眠くなったものの、最後、ワーグナー(かな)の曲とともにあがるフィナーレの連続花火までしっかりと見て、一斉に船が帰りだして波が荒れる前に帰ったのだった・・・
唯一、こうちゃんを除いて・・・
あれだけはりきってみていたこうちゃん、フィナーレの直前にダウン、ばぁばに抱かれて寝てしまった。
友人
「子どもも女連中はがめつくしっかりおいしいところは見れたけど、こうちゃん、いいところを逃したよねぇ~。こうちゃんらしいわ(笑)」
おっしゃるとおり
久しぶりのこじゃれた外出 2012.12.18