愛し愛されて生きるのさ。

愛し愛されて生きるのさ。

その1

○柴咲コウ『眠レナイ夜ハ眠ラナイ夢ヲ』

 この曲はなぜか柴咲コウ本人が出演していないドラマの主題歌らしい。
「タイトルを聞くたびに、一瞬意味が解らず困惑する」と友人が言っていた。「ねむれないよるはねむらないゆめを?」確かになんのこっちゃである。

 歌詞もよくわからない。要は「生きるって難しいけど、私は私なんだからいいじゃない」みたいなことなのだろうか。自信はない。

 曲も何だかソツがない感じ。RUI名義で発売した前作『月のしずく』が大ヒットして、それに続けと出した曲なのかテイストは似ている気がする。
この人、そこそこ歌が巧いだけにこういう正統な歌を歌われても話のネタにしにくい。広末の「MajiでKoiする5秒前」はガンガンネタになったのに。
 しかし彼女の次の曲は中島みゆきが提供するらしい。ぜひぜひ聴く者を絶望のどん底に突き落とすような、恨み節満載厭世観たっぷりの曲を歌ってほしい。そっちのほうが池袋のヤンキー上がりの彼女にはハマっているでしょう。ネタにもしやすいし。

 柴咲コウは梶芽衣子に似ていると思う。そう思っているのは自分だけかと思っていたら、ウチの母親も「梶芽衣子かと思ったわー」と言っていた。やっぱりね。

○和田アキ子『トゥモロー ~ジョージアで行きましょう編~』

 前から私は、テレビに出てくる子役が嫌いである。昔の安達祐実やら「渡る世間は鬼ばかり」に出てくる妙にシャキシャキ喋る小娘とか。「大人顔負け」みたいなキャッチフレーズも大嫌い。無邪気な表情をしていながら、「こういう顔すれば大人は喜ぶんでしょ?ほらほらどーなの?」というような思惑が見て取れるからだ。子供は子供らしく何も考えずにバカやってればいいんだよバカと思ってしまう。そしてそのバックにいる親たちにも腹が立つ。子供を見世物にしてアブク銭稼いでんじゃねぇよバカ。

 そこでゴッドねえちゃんこと和田アキ子の『トゥモロー ~ジョージアで行きましょう編~』である。この歌は吉本新喜劇の芸人がワラワラ出てくる例のCMのイメージソングである。もともとはミュージカル『アニー』のテーマソングでもある。『アニー』も嫌いなんだよなあ。時々テレビでやってるオーディション風景の演出家に媚びる子供たちを見ると、折檻したくなる。で、この曲のプロモーションビデオにはそんな気持ちの悪い子供たちがゾロゾロ出てきてアッコ姐さんと共に朗らかに歌っている。あー気持ち悪い。

 アッコ姐さんが子供好きだというのは聞いたことあるが、子供たちと共演することで、「乱暴なイメージだけど実はピュアなのよ」みたいな製作者の意図が見えてきて腹が立つ。いいかげんやめませんか「子供=ピュア」的なとらえ方。あと歌うときにみんなで肩を揺らしながら歌うのもやめてほしい。あれも「子供=ピュア」を体現するための方法なんだろうな。

 とにかくこのプロモに出てくる子供たちはカワイくない。にくったらしい。まだ北朝鮮の律動体操キッズたちの方が可愛く見える。きっと彼らの方が本当の意味で無邪気なんだろうよ。

○Mondo Grosso『Next Wave』

 大沢伸一率いるモンドグロッソのニューアルバムである。装丁が非常にシンプルで価格も2500円と邦楽にしては安い。CDも安くしないと売れない時代なのか。

 とってもオシャレムードむんむんのハウスアルバムであった。西麻布あたりのクラブでヘビーローテーションなんでしょうな。ボーカル陣も微妙に豪華。幸薄そうなBoAに、モー娘ばりに増殖しているドラゴンアッシュのKj、映画主演で大失敗のUAなどなど。

 東京に憧れる田舎娘(デザイナー志望)が喜んで聴きそう。それだけ。

○元ちとせ『TRUE COLORS』

 元ちとせの最新シングル『千の夜と千の昼』のカップリングに収められた、シンディ・ローパーのカバー曲。

 結論から言うと、元ちとせは洋楽を歌わないほうがいい。彼女の個性はやはり例のこぶし回しであって、洋楽には全くマッチしない。英語の歌詞が英語に聞こえないのだ。発音も微妙にクセがある。オリジナルの『TRUE COLORS』は名曲であるが。

 元ちとせの曲は最近セールスが落ちてきている。まあデビュー曲の『ワダツミの木』が売れすぎたってのもあるが。

 でも私は彼女の歌は好きである。前シングル『この街』も郷愁を感じる名曲であったし、アルバムの中に収められていた『心神雷火』『凛とする』も聞き飽きない魅力がある。

 私にとって彼女の歌の魅力は、独特のこぶし回しよりもファルセットである。どちらかというと彼女の声は低めだが、そこから高音でスコーンとファルセットになる感じが心地よいのである。

 というわけで、私は元ちとせのことを結構買っているのだが、世間はもう飽き始めているのだろうか。ちょっと残念。

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: