愛し愛されて生きるのさ。

愛し愛されて生きるのさ。

『アカシアの道』

『アカシアの道』(2001・松岡錠司監督)
アカシアの道


 近藤ようこの同名コミックが原作。痴呆症になってしまった老いた母と、その母に虐げられた娘の話。

 痴呆症にかかってしまった母親をいやいやながら看護するうちに、“親子”というなかなか切れない関係性を浮き彫りにしていく、考えさせられる映画である。子供というものは、常に親からの愛情を求めているものなのである。それは大人になっても決して変わらない。

 ラスト、アカシアの木の下で母娘2人で歩くシーンが秀逸。「お母さん、私ずっとこうして手をつないで欲しかった。お母さんはやってくれなかったけど私はやってあげる」というセリフが素晴らしい。自分を許し、母親を許し、母娘の関係を再生する清々しいエンディングである。

 映画全体に流れる雰囲気は非常に淡々としている。そのぶん、人物の心情がしみじみと伝わってくる。夏川結衣ももちろん好演しているが、母親役の渡辺美佐子は「さすがベテラン」と思わせるリアルな演技を見せてくれる。

 誰かに強い憎しみを感じてしまったときに観たくなる映画である。憎しみを憎しみで返しても仕方ない。「許す」ことも前へ進むためには必要なのだ、ということを感じさせてくれる映画である。


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