愛し愛されて生きるのさ。

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『がんばっていきまっしょい』

『がんばっていきまっしょい』(1998・磯村一路監督)

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 昭和53年の松山を舞台に、ボートに青春を賭ける少女たちの2年間を描く。主演はこの映画で注目を浴びた田中麗奈。監督は『あさってDANCE』『群青の夜の羽毛布』『船を降りたら彼女の島』の磯村一路。実は私はこの映画の予告編ですでに泣きそうになっていた。ストーリーもわからないのに…。

 青春映画というと、ヤンキーものだったり惚れたはれたの恋愛モノだったりすることが多いが、この映画はひたむきに部活に取り組む少女たちが主人公である。しかし決してスポ根映画にはならずに、あくまで淡々としたタッチで描かれている。そこには「泣かせよう」という意図は見えないが、自然と涙腺が緩んでくる。

 「胸がキュンとなる」という言葉があるが、この映画を観たら本当に胸がギュウっとなった。ひたむきにボートに打ち込む彼女たちの姿に心を打たれること間違いないだろう。最初はヘナチョコだった彼女たちが成長していく様子に、見てるこちらもワクワクしたりハラハラしたり。「2時間で終わるなんてもったいない、4時間でも5時間でも続けば良いのに」と感じた映画はこれが初めてであった。

 この映画で役者たちは実際に練習を重ねた上でボートを漕いでいる。ラストの大会シーンで歯を食いしばりながらボートを漕ぐ表情は芝居を超えていた。スローモーションになり、リーチェの『オギヨディオラ』が流れるこのシーンで泣けて泣けて仕方がなかった。ボートを漕ぐ者とそれを見守る者の、心が1つになった名シーンである。青春時代という短い期間のなかで、輝いていた瞬間を見事にフィルムに収めている。スポーツじゃなくても、青春時代の輝いていた瞬間は誰にでもあったと思う。そんな自分の青春時代が懐かしく感じられる。

 何か1つのことを懸命に頑張るって素晴らしいことだ。大人になると徐々にそんなこと忘れてしまう。むしろ懸命になることを恥じる社会である。そんな大人たちにも是非観てもらいたい。少なからず感じるものがあるはずだから。


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