右脳で絵を描こう



「右脳で絵を描く」(Drawing on the Right side of the Brain)という講座に行ってきました。ベティー・エドワーズ博士の著書「脳の右側で描け」を元に構成されている講座だそうです。絵が下手だと思っている人でも上手になると評判だったのと、今までと違うものの見方を学べるというので、興味を持っていたのです。私の受ける講座は2日間、合計8時間の講座です。
本当は40時間のコースなんですって。8×5日間。5つの技能を学ぶそうです。①縁の感覚(手を描く)、②空間の感覚(膝~足、椅子)、③角度とプロモーション(部屋の角)、④光と影(人の横顔を描く)、⑤トータル(自画像を描く)。これが基本の知覚表現になるとのこと。
日常生活の中、私たちは本当にたくさんの場面で、左脳を強く働かせています(Lモード)。言葉で考えてしまうし、文字を読んでしまいます。また、目を描きなさいといわれたら、目のシンボルを描いてしまうというように。
こんな実験をやりました。画用紙に、あか、あお、きいろ、むらさき・・・と文字が書いてあります。それをある一定の速さで声に出して読みます。みんな、簡単にできました。しかし、その文字には色がついていて、あかには青色が、あおには紫が、きいろには赤が、むらさきには黄色がといった具合なのですが、今度は、その付けられている色を一定の速さで読み上げていきます。それが!!難しいんです。もしよかったら試してみてください。自分がいかに左脳ばかり使っているか実感します。
スライドで脳の仕組みや(ペンフィールドのマップほか)、他の生徒さん達の絵の変わりようなどを見た後、いよいよ実践です。
一枚の肖像画を渡されました。眼鏡をかけたおじさんが椅子に足を組んで座っているものです。それを写すというのが課題だったのですが、そのまま写すのではありません。その絵を上下さかさまに置いて、足元から上へ上へと描いていくのです。これはおもしろかったです!もしちゃんと上から書いてたら、これは顔、これは手・・といった具合に頭で認識しながら描くことになるのですが、逆からだとそうはいきません。ただただ、なんだか分からないけど線を描いていってる、そんな感じです。でも、右からの線と左からの線が一致しないといけないのだから、空間をみる練習にもなるわけです。無意識に線を見て、描く。これは、ストレス解消にもなるのではないでしょうか?時間があっという間に過ぎるのを感じ(60分)、自分の描いた絵を元の方向に(頭が上になるように)ひっくりかえすと、あらあら、なかなかうまく描けてるではないですか。それも、味のある絵に。みんなの絵もなんとなく個性が出てて、本当に面白かったですよ。
そのほかには、スケッチブックを見ないで、絵を描く対象物だけを見て(じっくり)描く練習をしました。「1mm1秒」というらしいのですが、時計の秒針カチカチのスピードで描いていきます。純粋輪郭画法ともいい、スローダウンで物を見る練習です。まずは手の平のしわ、それから花を描きました。もちろん、スケッチブックを見ないのですから、出来た絵は「なんだろう?」って感じで、絵だとはいえないようなものなのですが、これは右脳にスイッチを入れるためにとても有効な練習で、物をじっくり、新しい見方を身に付けられるとのこと。次の講座まで、一日5分ずつの練習です。

***2回目***

2回目行って来ました。絵の方は上達したかというと、かなり良くなったと思います。他の人のを見ていてもどんどん上手になっていて、驚きです。いつも、物(事)をいかに見ていないかに気づかされました。私が受けたのは2回コースなので、もう終わってしまったのですが、先生のお宅で続きを教えてもらえるらしく、行きたいナーと思っています。本当は5回コースなんですって。もしかしたら、広告とかで見たことがある人もいるかと思いますが、私もどうかなーって思っていたのも事実ですが、本当にうまくなるものなんだと実感しました。

今日は「空間を見る練習」をしました。最初は植物を描きました(4Bの鉛筆で)。先生のお宅から持ってきた、切られた椿とポトスがあり、自分で描きたいものを選びます。横に倒して描いてもいいし、もし植物を立てた状態で描きたいなら、紙コップの底にカッターで十文字に切り込みを入れ、そこに茎を差し込むと便利でした。書く際、植物に焦点を当てず、その周りに出来ている空間に焦点を当てます。なかなかこれが最初難しかったです。左脳が働いてしまうんですね。でもふっと無意識みたいになる瞬間があって、そうすると空間が捉えやすく感じました。空間を書いたらその部分を塗りつぶしていきます。そうやって空間をとらえ、またとらえ・・とやってると、あら不思議ちゃんと植物の姿になっていました。空間だけとらえて描いているのに、どの葉が前に出ていてとか、葉の曲がり具合なんかも上手く出来ています。その後、葉の葉脈など書き入れていくと、とても立派なものになります。

今日のメインは、自分の手(手首から指先まで)を描くこと。これも空間をとらえて描いていきます。今回は、黒枠(真ん中がちょうど手が入るくらいに長方形に切り取られているもの)とアクリル板(黒枠と同じ大きさ、板の上にマジックで十字(中心が分かるように)に線が入れられている)が用意してありました。黒枠とアクリル板をクリップで留め、黒枠からのぞいているアクリル板に、(ステドラーの)黒水性ペンで手の形を大まかに書いていきます。手はアクリル板の下に、自分の好きなポーズで置きます。この際自分の利き目を使うため、もう一方の目は閉じて描きます。(利き目の調べ方:腕を真っ直ぐ前に伸ばし、両手を重ね合わせ、両手の親指と人差し指の付け根のところに小さな三角形を作り、その三角形の穴から部屋の上隅っこの角を見ます。左目をつぶってください。角は見えますか?右目はどうでしょう。これを行って、見えた方の目が利き目です)
目を開けます。今度は画用紙に黒枠を写し、十字に線を薄く引きます。その枠の中に、鉛筆の粉をまき、ティッシュで伸ばして黒くします(グラウンドというそうです)。アクリル板に描いた手をそこに写し取っていくのですが、空間をとらえるわけですから、手の輪郭を描くのではなく、空間の部分を練りけしを使って消していきます。
手がなんとなく浮かび上がってきたら、いよいよ、手のしわを書き入れたり、陰影を作ったり(明るいところは消しゴムでけしたり、指でこすってもっとぼかしたり、綿棒を使ったりしてみる)してみましょう。陰影の目安として、画用紙の上の方にバリュースケールを作ると便利です(長方形を描き、5つのマスに分け、一番左は真っ白、真ん中が中間の濃さで、右端は6Bの濃さくらいで。)。手を描いている時間は、1時間くらいだったかと思います。どこが明るい、どこが暗いとか、しわってこんなになってるんだと感じながら描いていきます。紙ばっかりを見るのではなく、手:紙を8:2位です。1mm1秒を思い出して、スローダウンでじっくり見ていきましょう。

その後は見せあいっこです。みなさん、びっくりするほど上手く、しかも個性的に描けていて、ちょっと感動ものでした!

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