ストレス解消のためのリラックス法



人間が生活していくうえで、適度なストレスは体と心のバランスを保つ為に必要です。有意義に時間を過ごすことができたり、前向きな状態になり、免疫力もアップします。全くなかったら、体温調節が出来なかったり、暗示にかかりやすくなってしまったりするそうです。しかし、過度なストレスは体にゆがみや変調をもたらします。様々な体の器官に作用し、現代の医療で解決が困難な症状までも引き起こします。ストレス状態が続くと、身体の各臓器は萎縮し、副腎皮質だけが肥大します。肥大した副腎からは糖質コルチコイドが分泌され、ストレスの原因に対する防御体勢をとります。しかし、糖質コルチコイドはサプレッサーTリンパ球(Bリンパ球が感染源を退治するために形質細胞に変化することを抑制するリンパ球)を活性化します。また胸腺・リンパ器官も萎縮することも手伝って免疫力が抑えられます。更に重いストレス状態が続くと身体全体が疲弊し,死に至ることすらあります。

ストレスの原因となる刺激のことをストレッサーといいます。ストレッサーは大きく分けると4つあります。物理的ストレッサー(高温、低温、放射線、騒音など)、化学的ストレッサー(酸素欠乏、酸素過剰、薬害、栄養不足)生物的ストレッサー(病原菌の侵入)、精神的ストレッサー(人間関係トラブル、精神的苦痛、怒り、不安、憎しみ、緊張)です。現代社会のストレスの原因のほとんどが精神的なもので、これが一番複雑で、解決困難だと言われます。また、最近は自分が疲れていることに気づかない人も増えています。頑張りすぎはある日突然大きな病気になることも考えられます。

<大脳生理学から見たストレス>

  ***私たちの脳とストレス***

人間の脳はコンピュータみたいにデータを確実に残すわけではありません。あいまいな部分が多いです。人の記憶はそれぞれ違います。見た人によっても違う捉らえ方をするし、その時の感情によっても左右されてきます。また、正確に覚えていないことも多いです。未来を、私たちはそのイメージを重なり合わせることで見て、悩んでいます。先のことは本当は分かりません。今を大切に生きることで出来てくるものです。悩んで、悩んで、もしかしたら無駄な時を過ごしていませんか?

ストレスは、「~しなくてはならない」(規範規制)という心のブレーキと、「~したい」(欲望)というアクセルを同時に踏んだことにより起こります。

「~したい」という人間の本能の部分をつかさどるのは脳の旧皮質(古い脳といわれる)のところにあたります。たくましく生きるためにある部分で、生まれたときには既に完成しています。

「~しなくては」と理性が働くのは脳の外側の新皮質にあたります。人がよりよく生きるために発達した脳です。新皮質の代表的な部分は前頭葉(額のところ)で、後天的に成長していきます。そのため、赤ちゃんは悩まないといわれます。まだ未発達な脳の為、昨日、今日、明日の差はなく、今、ここに生きているのからです。

ストレスは、脳の新しい部分と、古い部分の接点で起こります。心配、悩みなどがあると、感情の乱れが生じ、ストレスが起こります。極度のストレスがあると、自律神経系やホルモン系は身体に直結しているため、異常が生じてくるのです。心と身体は密接につながっていることは忘れないで下さい。

ストレスをコントロールするには、リラックスを感じる旧皮質にほっとする時を与え、「間」(クッション)を持つことで、理性にきちんと考え、判断する時間を持たせることです。そうすると、感情は安定します。

<ストレスケアの為の方法>

普段から自分なりのストレスケアが必要な時代になってきました。ケアの方法にはいろいろあげれます。

  ***食事の面から***

栄養バランスの取れた食事も大切です。ビタミンB1(玄米、豚肉、たらこ、落花生、豆類、しいたけ、にんにくなど)、ビタミンC(柿、イチゴ、芽キャベツ、カリフラワーなど)、カルシウム(いわし、牛乳、チーズ、かいわれ大根、かぶ、大根の葉、豆類)、はストレスケアに欠かせないとのこと。その中でも、ビタミンB1は特に大事で、これは、脳内物質の代謝をよくし、情緒を安定させる為に欠かせないもので、不足すると、精神的能力の低下、イライラ、不眠をまねくそうです。

また、アルコールは多量に摂ってしまうと、肝臓をこわしかねないし、免疫機能を高めるビタミンA、B6や、神経疲労の回復に重要なB1の対外への流出を促し、体をストレスから守る機能そのものの低下をまねいてしまうそうです。



  ***自律訓練法***

カウンセリングではシュルツ博士の自律訓練法(ヨーガからヒントを得たそうです)というのを教わりました。かけるならいい暗示をかけ、行動や感覚を支配してあげましょうというもの。
6公式あります。
1:両腕、両足の力が抜け、ゆったりとしている
2:両腕、両足が温かい
3:心臓が静かに打っている
4:呼吸が楽だ
5:胃の辺りが温かい
6:額が涼しい


  ***溜息健康法(呼吸法)***

気功の先生に教えてもらったのに、溜息健康法というのがあります。大きな呼吸(腹式呼吸)をすることは、心と体をリラックスさせます。肺に溜め込んだ古い空気(気)を、吐き出すことで、温かくなり、こりも取れ、肌も良くなるそうです。吐き出すには、肩に一度力を入れて持ち上げ、それを力を抜いて下ろすと同時に、声を出しながらハーっとため息をつくのがいいそうです。なるべく鼻で息を吸い、口から出していきます。呼吸の浅い人は普段、肺の上、三分の一しか空気の入れ替えをしていないんですって。きちんと入れ替えをしてあげないと、身体の中が汚れてしまいますね。

  ***アロマセラピー***

アロマセラピーもストレスケアの1つです。香りを使った療法のことです。香りの刺激は脳の大脳辺縁系(本能や感情をコントロールしたり、自律神経系やホルモン系の中枢があるところ)に達します。それにより、心がリラックスしたり、体全体の働きを整えたりします。

「アロマがストレスを緩和するわけ」

アドレナリンや糖質コルチコイドを出す副腎皮質や皮質は視床下部の支配下にあります。更に視床下部は大脳辺縁系に影響されます。ストレスの原因は感情的に悲しい、つらい、くやしいなどの気持ちを伴います。感情をコントロールしているところは大脳辺縁系です。更に、ネガティブな気持ちについてくよくよ考えるようになると大脳皮質と大脳辺縁系の間で悪循環が生まれます。大脳辺縁系は、香りを嗅ぐと刺激される部分です。アドレナリンが分泌されていらいらするときは交感神経を緩め、副交感神経を優位にさせる精油を用いればよいのです(イランイラン、ラベンダー、カモミール・ローマン、マージョラム、ネロリなど)。また、ネガティブな気持ちが続く時には、明るくほっと出来る気持ちにしてあげるとよいでしょう(スイートオレンジ、グレープフルーツ、ジャスミン、ローズなど)。

但し、アロマセラピーは自然療法で、医療行為ではないので、過信は禁物ですし、精油を嗅いだだけで、症状や、悩みが消えてしまうわけではありません。全く効果がないように感じる場合さえもあります。けれど、自然の植物の大きな力があなたを助けることは確かです。体質、体調も考えて調合を変える必要性もありますので、迷ったら専門家に相談されると良いでしょう。


© Rakuten Group, Inc.

Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: