トランスパーソナル心理学



「今の自分は本当の自分?」「どう生きていけばいいのかな?」とおそらく多くの人が、考え、悩むと思います。そんなあなたは、自己成長(さらなる心の成長)をするチャンスが来たと思えばいいのです。本当の生き方を求め、大切な何かに気づきましょう。

***トランスパーソナル心理学にたどりつくまで***

心理学は、意識とは、無意識とは何だろうと問いつめていった結果、自己超越にたどりついた。それが、トランスパーソナル心理学。ホロトロピック・ブレスワークのS.グロフ、人間の心をその1部として含む宇宙そのものが自己進化という壮大な思想家K.ウィルバーがいる。母体は人間性心理学。人間性心理学では人間の潜在的可能性に着目し自己実現を目指し、自分の性格、過去の出来事から「~できない」と思い込んでいることを「~できる自分」に変えていくゲシュタルトのように、「自己実現」、自分が本来持っている可能性を存分に発揮し生き、それにより過去の傷や人間関係へのとらわれから解放することを目指した。人間性心理学だと、自己実現までは可能だが、トランスパーソナル心理学ではエゴイズムを超えて成長することが出来る。自己超越を目指す、個を超える心理学なのだ。トランスパーソナルとは、「自分とは何か」という感覚が「私は私」という狭さから解き放たれ、他者、人類、地球上のあらゆる生命、さらには宇宙全体へと広がっていく体験、それに伴う感覚の変容だという。「本当の自分とはどんな自分か」にどこまでも答えようとする。心理療法や心理学のワークショップ、宗教の修行や瞑想などで人々が示した様々な超正常な体験の意義を探求するための、新たな心理学の必要性から生まれ、宗教や最新の科学で説明が出来なかった部分がこの心理学により可能になった。

***トランスパーソナルな生き方***

「この人生で私たちの注意をひく1つ1つの出来事を、私達に何か大切なことを教えてくれるものとみてそのメッセ-ジをよみとっていく慎重な生き方と同時に、この人生この世界のプロセスを信じるがゆえに、必要あらばあえて一歩を踏み出しリスクを冒すこともいとわない、そんな生き方。」

あ、そうだ、こういうのを求めていたんだ、って私は思ってしまいました。本当に最近の私の周りには、必然的な偶然がいっぱい起きていて、だから、それから逃げずに学び取ろうとしていたから(でも、心に「間(ま)」を持って、自分のペ-スで)、なんだかこの言葉、妙に納得してしまったのです。「この人生、この世界で起こるすべてのことには意味がある」といいます。家族の中の問題にしても、他の人との関係にしても、体が不調だったことにしても、最近は「あー、このことを学ぶためだったんだ」なんて気づかされることが増えました。私が、今、いろいろ勉強しているのも、みんな繋がりがあるように思えます。違うことをやっているようなのに、文献の中や、先生の話(時には、映画やテレビにまで)に、ほぼ同じ内容の文章(単語)が出てきたり、次に学ぶべきこと(道)がちゃんと現れたりと。不思議ですが。
「聖なる予言」の本についても、ほぼ同時期に4人の人から話題に出されました。これも何か意味があるでしょう。もう一度きちんと読むべきなのだと思います。今読んだ方が、もっと進んだ捉え方ができるかもしれません。

***トランスパーソナル心理学の説明***

トランス(trans)とは、超えるの意味。パーソナルは個、私の意味です。トランスパーソナルとは、「自分とは何か」という感覚が「私は私」という狭さから解き放たれ、他者、人類、地球上のあらゆる生命、さらには宇宙全体へと広がっていく体験、それに伴う感覚の変容だそうです。

トランスパーソナル心理学は1960年代、アブラハム・マズローとスタニスラス・グロフによって始まりました。1969年には、トランスパーソナル心理学会が創設されています。定義は確定していないらしいのですが、ロジャー・ウォルシュとフランシス・ヴォーンによると、
「トランスパーソナルとは何か。まずトランスパーソナルな体験とは、アイデンティティや自己の感覚が、個人的なものを超えて拡がっていき、人類、生命そのもの、精神、宇宙といったより広い側面を含むようになっていく体験のことである。・・・そして、このようなトランスパーソナルな体験及びそれに関連した諸現象についての心理学的研究を、トランスパーソナルな心理学というのである。」とのことです。個が個として生きながら、同時に宇宙そのものに中心を置きつながることのできるものなのです。

トランスパーソナル心理学は、心理療法や心理学のワークショップ、宗教の修行や瞑想などで人々が示した様々な超正常な体験の意義を探求するための、新たな心理学の必要性から生まれました。背景には、

・チベットの死者の書に書いてある内容
・宗教者などの修行による神秘体験
・臨死体験者の報告
・ニューサイエンスが発見した不思議の世界
・ヒッピーなどのドラッグ(LSD)や、麻薬によってみたり聞いたりする世界

があるようです。意識とは、無意識とは何だろうと問いつめていった結果、自己超越(幽体離脱、魂といった)にたどりついたわけです。宗教や最新の科学の接点が、トランスパーソナル心理学と言えるでしょう。

注意しなくてはならないのは、変性意識状態の体験をした場合、もちろん大きな癒しとなり、意識の変容はもたらされますが、特殊な体験はあくまで特殊な体験で、日常生活は変わらないということです。地に足をつけた普通の人が、毎日の生活の中で個をこえて働いている力をどう生かし心を豊かにしていくかが大切だということです。

「自分」を出せないとか、「自分」が「自分」でいられない(自己喪失状態)というところから、「自分が生きている」と実感できる自分、自己決定できる自分を確立していくわけです。私という1人の人間の内側にも存在するものに気づき、自分の人生は結局自分がつくっているのだ、自分の1つ1つの行為は自分が選んでいるのだという主体性の感覚を持っていきます。

例えば、悲しさの存在を自分から切り離さず自分の1部として認める、身体症状なら「症状で苦しめられている自分」と共に「その症状を作りだしている何か」も自分の1部であるということを認める、または、人間関係の中で、「犠牲者の役割」を演じるパターンを身に付けてしまっているなら、自分の中には他の部分もあることに気づき、その部分を実際に生きられるようになるといったように。

***グロフ***

グロフは1931年チェコ生まれ。60年にLSDセラピーを始めた。その後、アメリカに渡り、エサレン研究所で、LSDによる体験が薬物中毒による妄想ではなく、人間の魂の深層に潜む普遍的なものだという確信を深めた。しかし、その後LSDが全面禁止される。そこで、彼は薬物を使わず呼吸と音楽とボディーワークによってLSD摂取時と同じ心理体験を誘発しうることを見い出した。これが、ホロトロピックセラピーだ。非日常的意識状態を通ることで、精神的な障害や心身症の非常に有効な治癒につながるという。彼は精神医療の現場の体験を通して、人間の問題の根深さと同時に、魂の驚くべき潜在力、自己治癒力を知ったのだという。ホロトロピックセラピーでは、4段階を体験する。まず、華々しい体験(知覚体験、これは深い象徴的意味を持たない)、次に、抑圧された記憶や残り続けている心理的事件が無意識から浮かび上がってくる(自伝的、個人)、そして次に、誕生に関わった心理体験の領域に入り(BPM、個人と超個人の境界面、誕生と死)、最後はもっと深いところ、常識では想像できないような体験の起こる領域(個人と宇宙の繋がり)を体験する。3段階目の、BPMは、基本的分娩前後のマトリックスといわれる。BPMⅠは子宮内の状態(胎児にとって理想的な至福の状態)、BPMⅡでは分娩開始の段階(子宮口はまだ空いていない、胎児は子宮によって締め付けられ、不安で解決の道が見つからない出口なし状態)、BPMⅢでは子宮口が開き胎児が産道を進んでいく段階(押しつぶされそうな圧迫、生き延びる為の激しい戦い)、BPMⅣは誕生の段階(締め付け、不安、苦痛がぎりぎりのところまで高まる、突然の解放とリラックス、暗闇から光へ)にあたるという。BPMⅡ、Ⅲは、非常に多くの心身症的問題や精神病理の源泉となっているそうだ。良い出産、悪い出産が人格のかなり決定的な基礎になっているという。グロフは封鎖されたエネルギーを徹底的に解きはなてば、驚くほどの治癒効果が上がり、症状が劇的に緩和されたり、消失するという。エネルギーを解き放つとはどういうことなのか、その後自分がどう変わるんだろうと想像した。また、LSDなしでこんな体験が出来るということに魅力を感じる。穏やかな方法ではないので、戸惑うが、症状を抑えず全部出してしまい、自分で治るのを助けるところなど、東洋医学的な部分もあり、興味を持った。

***ケン・ウィルバー***
人間の心の成長の3つの水準を設けました。
・プレパーソナル:個としての自分を確立する以前
・パーソナル:個として自分を確立した状態
・トランスパーソナル:個を確立した後、さらにそれを越えていく
これらの水準は彼の「アートマン・プロジェクト」の準備段階で生まれたそうです。


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