アダルトチルドレンって?


1:アダルトチルドレン
2:アダルトチルドレンと共依存
3:自分を成長させる

  ***アダルトチルドレン***

私はアダルトチルドレンです。って言ったら驚きますか?でも、現代8割もの人がアダルトチルドレンだと言われているんです。(クリントン大統領も1950年代半ば、自分でアダルトチルドレンだって宣言しています。それにより、社会的な関心が一気に高まったのです。)

アダルトチルドレンとは「安全な場所」として機能しない家族の中で育った人々のことを言います(Adult Children of Disfunctional Family)。子供らしい感情を感じられずに育ってきた大人とも言えます。(元々はアルコール依存症の治療現場から生まれた言葉、アルコール依存症者に育てられた子供、Adult Children of Alcoholicsだそうですが、現代では、この意味が拡大されたとのこと。)

生き迷ったり、生きにくさを感じたりするのは自分がアダルトチルドレンになっている証拠だそうです。

自分の感情がよく分からないとか、ありのままの自分でよいと思えないとか、過度の仕事を抱え込んでがんばりすぎるなんて人もそうです。あとは、楽しめないとか、フリをする、ノーが言えないなんていうのも。当てはまりますか??

機能不全の家族の中で、「子どもたちは、無意識のうちにある『役割』を演じるようになります。外傷から心身を守り、少しでもダメージを少なくするためです。いわば自己防衛です。しかし、自分の感情を親に受け止めてもらうことも、自分の感情をいきいきと出すこともなく子ども時代を送ったアダルト・チルドレンたちは、情緒的に未成熟であるため、ストレスをため込みやすい青年期を迎えることになります。かつて心に受けた傷が、年月を経て、ストレス障害を引き起こすのです。(恋愛・結婚症候群 中村延江著)」  

また、アダルトチルドレンの人は、心の穴を埋めるためにしばしば何かに没頭します(タバコ、酒、ギャンブル、体を掻く、親の子供の支配など)。そしてそこから抜けれないこともしばしば。このような習慣は、不健康な習慣で、アディクションと呼ばれます。アディクションの視点から捕らえると、本人を取り巻く人やものとの関係の持ち方に問題があるとするようです。

また、これはアディクションともいえるのかもしれないのですけれど、性的関係をすぐに持ってしまうということ、それも、けっこう何人ともということ。
関係を急ぐというのはあるかもなと思います。寂しさを紛らわそうとしているのか、繋がっているということで安心感を得ようとするのか。でも、その後にはまた空しさが残ってしまうことが度々。こう思ったことがある人は今の時代多いのではないでしょうか?
「アダルトチルドレンは、本音の感情を自分の親にも見せられずに思春期をすごしています。そのため、大人になった今も、スムーズに感情を表現できず、他人とのコミュニケーションや信頼関係を築くことに苦労しています。(恋愛・結婚症候群 中村延江著)」とのことです。
そう、本当に信頼するなんて、出来なかったなあと思います。でも、何を話して、どうやったら相手を自分の方に向けておけるか分からない。だから、その手段として、関係を持っていたような気がするのです。
前の彼とも、体の関係を持つことで続いていたような気がします。けんかをしても、結論のでないままいやーな感じでそのままになって、でもベットに入ってから関係をもつことで、なーなーになっていたような。
彼は外国人だったのですが、初めてエッチした時、「日本人ってすぐやっちゃうよね」と言われてショックを受けたのを覚えています。確かに彼ともあって2回目位だったような。
今だったら考えられないけれど、仲良しになる=エッチするだったような感じはあります。『人を信用しないといわれるアダルト・チルドレンが、知り合って間もない相手に身を委ねてしまうというのは、一見すると矛盾した行為にも映ります。ところが、これは矛盾ではないのです。…信じられないから関係を急ぐといえます。性的な関係では、相手との一体感が味わえ、親密になるような実感が得られるからです。…「誰かにぞんぶんに甘え、依存したい」という欲求が満たされるひとときなのです。(恋愛・結婚症候群 中村延江著)』
そうそう、と、納得してしまいました。そして、私だけじゃなかったんだ、私がおかしいんじゃなかったんだと許せてあげる自分が今いるのです。

そう、アダルトチルドレンは病気じゃないんです。自分でそうだって気づくことが大切で、自覚することで人生が変わっていきます。「重要なのは、本人がどう感じ、それが現実に自覚症状となって現れているかどうかなのです。(恋愛・結婚症候群 中村延江著)」気が付いてよかった、立ち止まれてよかったと私は心からそう思っています。

回復は、自分が親からの拘束を受ける中で身に付けた対人関係や感じ方を、どう自分に楽な行動にかえていけるかを考えることで、ほぼ達成するということです。

私はカウンセリングの講座(自分で気づくきっかけになります、箱庭療法もいいと思います)や本(私が参考にしてるのは、ヘルスワーク協会というところから出ている『ほんとうの「私」のみつけかた』です。図書館で借りられます。)を読んで知識を得てますが、セラピストさんに相談したり(自分で気づくようにもっていってくれます)、グループ療法をうけたり、瞑想、アファメーション(自分を肯定し、大切にする言葉)なんかもいいようです。


  ***アダルトチルドレンと共依存***

アダルトチルドレンと共依存は密接な関係にあります。アダルトチルドレンは、共依存になりやすいといわれます。共依存とは必要とされることを必要とすることで、自己の喪失とも言われます。

一番大きな原因は、アダルトチルドレンが自尊心が乏しい(自己評価が低い)からだそうです。

アダルトチルドレンは子供の頃に共依存的な生き方しか出来なかったのです。アダルトチルドレンは親たちの混乱に巻き込まれながらも、親たちを心配し、親たちの期待に沿うことばかりを考えて生きてきた子供であり、本当の親の愛と関心に飢えたまま大人になりました。アダルトチルドレンは自分のやりたい事よりも、その役割を果たす事の方が重要だから、その役割を通してしか自分の欲求を満たす事が出来なくなってしまうのです。

共依存はアルコール依存症などの治療の中から生まれました。アルコール依存の夫を持つ妻たちが、いつも夫の事ばかり考えていて、自分というものを持っていなかったといいます。また、何度か結婚してその度に夫がアルコール依存だったり、その父親もそうだった、なんて事が分かってきました。そうした人々の中には夫に暴力を振るわれても夫を支え、子供に尽くしている献身的な妻や母親が多いのです。彼女たちの多忙な生活にはこのような夫婦を親として育った成人のことをアダルトチルドレンと呼ぶことがあります。

共依存とは、人間関係において、きわめて他人に依存的で、他人の世話をすることで自分の存在価値を見い出そうとし、他者をコントロールしようとすることです。共依存の人は、他人に尽くして評価してもらう事でしか、自分を評価できないので、人の世話をやきたがります。度をこしてしまうのです。共依存の人はそれをする必要があり、親切で行うのとは少し違うからです。相手の為じゃなくて、(自分の気持ちを満たす為に)自分の為にやるのです。また、共依存のパワーというものはすごく、はじめは相手に尽くしているようでも、そのうちにペットのようにして、相手を支配するようになり、今度はその相手の方が自立できなくなります。そうしている間に、本当に自分が何をしたいのかが見えなくなってしまうのです。

『「共依存」は相手から離れることを促す言葉(愛情という名の支配 信田さよ子著)』だと言う人もいます。

共依存は連鎖します。これは、『自分が過去に経験していないことを新たに行動することが人間にとってとても難しいことだということを表しています。…人は過去に意味不明の苦しみを受けると、その意味を確認するために同じようなことを繰り返すことがあります。…しかし、「人はなぜ自分がされたようにしてしまうのか」という問いに対する明らかな理由は、まだ分からない部分が多いのです。だからこそ、されたことを繰り返すまいという自覚が大切なのでしょう。(愛情という名の支配 信田さよ子著)』

世代連鎖は断ち切れます。共依存に限らず、自分自身が気付くことはとても大切なことです。気付いた時点でもう変わりはじめているし、誰しも変われるのです。

アイメッセージは、共依存の関係から抜け出る第一歩です。アイとは、”I”
、私のことです。私を主語にして話していきます。自分の言葉にイエスと言わせようとするとその言葉は支配、コントロールの言葉になります。相手を変えない、コントロールしない言葉がアイメッセージです。このことが相手に分かると、相手もこちらをコントロールしなくなるといいます。

  ***自分を成長させる***
「問題に直面し、苦しみ悩んでいるときというのは、実は、その人にとって成熟の機会でもあります。それまでの自分のやり方が通用しなくなっているときだからです。(恋愛・結婚症候群 中村延江著)」

私がカウンセリングの勉強を始めたのは自分を知りたかったから、自分を好きになりたかったからです。とりあえず、とりあえずと生きてきて、でもそれが通用しなくなった。人生を立ち止まってしまったのです。私にとって、変わるチャンスだったのだと今になると思うし、あのまま進んでいたら、自分が壊れていたかもしれません。

「アダルト・チルドレンの人は、恋愛や結婚に逃げ場を求めることがありますが、実際には試練の場と化すことが多いようです。でも、そういう機会に、自分自身ときちんと向き合い、乗り越えることによって、人は成熟していけるのです。こうしてみると、つらい恋愛も結婚も、人間を飛躍的に成長させるチャンスだと考えられます。(恋愛・結婚症候群 中村延江著)」

まだ、全く恋愛、結婚に逃げないわけではないけれど、少なくとも恋愛をやっと楽しめるようになったように感じます。自分のことも大切に思えるようになったから、相手も大切に思えるようになったように思います。今までは、相手が離れていくことを付き合い始めてすぐに不安に思い、結婚、結婚と持ち出して相手を苦しめていたように思います。それも、相手の返事をするまでの間も待てなかった。ほぼ強制的に返事を求めていたように思います。でも、心のどこかに「これでいいの?この人で本当にいいの?」と思う部分もあって、でも、依存しすぎちゃっているから離れられなくなって、苦しくなっている、という感じを繰り返していました。

そう、心って成長するんだなと私は実感しています。自分と向き合うことはとても怖いことだし、不安がよみがえります。でもそれと共に、たくさんのことに気付き、癒されていきました。私がカウンセリングを学んだところは、グループカウンセリング形式だったから、それがかえってよかった。みんなで話して、話していくうちに元気になれる自分がいたように思うのです。


© Rakuten Group, Inc.

Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: