ダンスセラピー



感じることで気づいていくことを大切にするワークショップだなと感じました。

まず、虫眼鏡で自分の手や皮膚の観察。それが今の私とどう関わっているのかに気付いていくこと。それが今回のワークショップの自分のテーマになってきます。私のテーマは「手が冷たくなること」。

カールハインツ・ロッシュ氏のワークショップは参加者自身が「一歩」(ワンステップ・ビョンド)踏み出すためのものだそうです。それを身体で感じ、経験していきます。

足をきちんと床につけて、膝を少し曲げ、体を揺らしていきました。関節を緩めていく感じ。腕を片方ずつ伸ばし、それに合わせて、股関節も伸ばしていきます。ストレッチや体操ではなく、「からだ」と「こころ」の動きを、意識的に知覚していきます。体を揺らしていると自然に声も出てきます。お腹から出てくる声と胸から出てくる声、股関節から出てくる声はみんな違うものなのです。

男女一組のペアになって、片方が動ける木、片方は動けない木。2人で木のダンス。向かい合わせから始めて、動ける木の方が動けない木の肩とか肘とか膝とかをトンと押します。押された木(動けない木、目は閉じている)はその刺激に対して揺れます。でも足(根っこ)はきちんと床についたまま。手だけ足だけを意識して動かすのではなく、本当に木になりきる。動ける木の方も相手に合わせて踊ります。2人の動きはいつも対になります。相手と響き合うということを少し知った気がしました。刺激は不意に起こることもあるし、大きいこともあります。これは人生も同様かもしれません。でもそれに逆らわないで、その衝撃に身をまかせながらもちゃんと元の自分、位置に戻ってくることができます。
踊っている人たちがだんだん木に見えてくるから不思議でした。そして、私も木になっていました。

その後、畳の上に寝転がって体を動かしていきました。自分の体を感じながらのゆっくりの動きは眠気を誘います。

自分の好きな巻貝を両手に1つずつ持って、ここまでで感じた事をみなにシェアしていきました。手に収まる何かを持ちながら話すのはなんだか落ち着きました。

クレヨンを使って「皮膚」を描きました。紙の上を考えずにクレヨンが動いていきます。
渡された用紙は片面が建物と泡ぶくと空の写真で、もう片面は空と右端の方に数人の人と柵の写真です、この面の方が空の部分が多いです。
絵を描いたら、一部分(好きなところ)を折り曲げて、裏面を出します。その部分は「過去」にあたるのだそうです。それから、どこか好きなところをビリビリと破きます。そこは「傷」なのだそうです。その絵を壁に貼って、皮膚に関するソロダンスをしました。曲に合わせて。
私たちの奥底には気付かなかったエネルギーがあり、それを表現することはなんとも言えない感じがしました。自分の内側の声を聴くそのプロセスである気がします。それを観てくれている仲間たちとは、木のダンスの時のように響きあう何かがありました。

1日しか参加できなかったのですが、心、体が開放され、自由になることを少しだけ体験できたワークショップでした。

「フェルデンクライス」
フェルデンクライスとは、体の動きを通し私たちの本当の能力を引き出す方法。人間が生まれてから成長していく中、動きを通しあらゆることを学んでいきます。その感覚による学習に基づいて開発されたそうです。
個人レッスン(機能の統合)とグループレッスン(動きを通しての気づき)のふたつのレッスンがあり、ゆるやかでシンプルな動きの中で不必要な緊張のない動き方を学んでいきます。レッスンの中で、日常の体の働きがいかにパターン化し硬直化しているかに気づく事で、私たちに本来備わっているダイナミックで、無駄のない、柔軟性と調和性のある動きをする能力が再開発される(自分自身になれる)そうです。「気づき(awareness)」を高めることは自己実現にも繋がっていくといわれます。

「ペーター・シェレンバウム」
参考文献 「愛する人にノーを言う」
     「愛されない者の傷」

「アナ・ハルプリン」(Anna Halprin)
ヒーリングアート としてのダンスワークにおける開拓者。 15年にわたり、ガン・エイズ・その他多くの問題を ダンスムーヴメント・アートヒーリングを通じてワークしているそうです。「ダンスとは まずはじめに人生の方法である」と彼女は言っています。



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