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この作品はロバート・ワイズ・プロダクションの作品である
から、彼自身の意思は反映されているはずである。
この作品が、どのようにしてロバート・ワイズ監督作品とし
て実現したのか、その経緯を知りたいところである。
これは持ち込み企画で、彼が監督をするようになったのか、
あるいは彼自身がこの映画化に積極的であったのか。
この映画の良さは、展開の滑らかさである。編集は大ベテラ
ンのウィリアム・レイノルズであるが、かっては名編集者と
して「市民ケーン」を手がけたロバート・ワイズの力も寄与
しているのであろう。
結婚式のシーンから幸福な音色の鐘の音を積み重ねて、それ
が次第に荘重な重い鐘の音となって、ザルツブルクを行進す
るナチの軍隊が描かれるまでの流れは見事である。
この映画は、ミュージカル作品としては不合格スレスレなが
らも、ロバート・ワイズらしい演出が冴えるのは、一家が国
外脱出を決意してからの終盤の展開である。それまでの明る
く軽快な展開から夜間撮影を主体としてサスペンスフルな画
面の連続となる。
もしかしたら、この映画でロバート・ワイズらしい演出が発
揮されるのは、この終盤だけなのかも知れない。
それでも全編にわたって楽しめるのはロバート・ワイズをはじめとする職人的映画術によるものであろう。
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