叶わなぃ。







                      大切に 大切に

                      慈しんで守ってきた卵



                      近年 やっと羽根が生えたのよ

                      未だ 一寸しか無い 微々たるものだけど



                      生まれたばかりの 純白は

                      澱んだ空氣の中 微かに震えて

                      白濁色の雫を 振り払う



                      ねぇ 君は知らないでしょう

                      今 僕がどれだけ感極って居るか

                      確かに生まれたんだ 此の卵は

                      誰にも其の存在を 認めて貰えないけれど

                      でも 誕生したんだ



                      何も知らない 卵

                      小さな羽根を震わせて 唄う

                      赦されない 存在

                      無垢な 舞い落ちる純白



                      乎嗟 とても僕には云えません

                      君は 存在しては不可ない存在なのだと

                      卵は 唯 待って居る

                      僕が 此の窓を大きく開け広げ

                      「さぁ 御行き」と羽ばたかせる 其の瞬間を



                      僕は 君が望む

                      たった1つの 些細な願いでさえ

                      叶えてあげることが出来無い



                      卵は今日も 羽根を震わせる

                      あの 大きな窓から 飛び立てる日を

                      何時か 何時かと

                      待ち続けて居る




                     ---------------------------------------------

                      猫が居たら喜びそぅな…。。





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