「配偶者。」






               あたしと貴方の間には

               幾重にも薔薇鉄線が張り巡らされて居る



               ねぇ あたし達は何処で間違えたのでせぅ

               稚拙な時代の硲の中で

               不器用乍ら 手を握り合って居たあの頃

               今となっては もぅ貴方の温もりさえ覚えて居無い



               もぅ騙し合うのは御終いにしませぅ

               あたしも貴方も 二人共道の歩き方を忘れてしまったのだもの

               今となっては あたしと貴方を繋ぐのは「配偶者」と云う鎖だけ

               もぅ御互い苦しめ合うのに疲れたでせぅ



               あたしは貴方を愛して居た

               貴方はあたしを愛してくれた

               其れだけで もぅ充分



               薔薇鉄線が音を反響させ乍ら崩れ落ちる

               あたしと貴方の小さな世界が崩壊する

               先に微笑んだのは あたし?貴方?

               最期に触れた体温が妙に優しくて

               此の世界の末路にとても相応しい氣がした



               有難う 御免なさい

               あたしは貴方に逢えて本当に良かった





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               別れたらもぅ配偶者じゃ無ぃのに。(苦笑)




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