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2007年11月30日
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テーマ: 愛しき人へ(901)
カテゴリ: カテゴリ未分類
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今年は例年に比べて喪中はがきが多い。酷暑だったせいだろうか。
大学の卒論の指導教官だった先生の奥様から、喪中はがきが今日届いた。
そう、ずっと書きそびれていたけれど、先生は4月の初め頃癌で亡くなったのだ。カート・ヴォネガットと同じ頃に。

3月の卒業間際にいただいた、あの 「あなたはついに僕の最後の教え子ということになったわけですね」というメール が、最後のメール、最後のメッセージになってしまった。
3月の20日過ぎくらいから面会謝絶の危篤状態だったようなので、卒業式にメールしても多分間に合わなかったと思うし、先生が自分で返信を打てる、あれがきっとギリギリのタイミングだったのだと思う(後日色々なひとに話を聞いても、その頃すでにメールでも電話でも、先生と直接コンタクトをとった人はご家族以外誰もいなかった)。
「疲れやすくてあまり長いメールが書けなくてすみません」と結んであったけど、そう言われるほど短くない、平易な文章ででも力強く、誠実な温かさに満ちているメールだった。2月に肺炎で死線を彷徨ったけれど、今は体力も回復してきて、希望を膨らませているところです、とも書かれていた。

今まで教師と呼ばれる存在に、これほど親身になって貰ったことはなかった。

その年の忘年会で「僕が体調を崩したのは半分はダニエルさんのせいだよ。ほんとに最後までハラハラさせてくれて」と、わたしの同期に笑いながらおっしゃっていたけど、そのときはもう病名を知っていたからすごく複雑な気持ちになった。ただそんな軽口に少しだけ安堵したりもして。まだほとんどの学生は何も知らなかった頃。
その忘年会に出席できるかどうかも10月の時点では分からないくらいだったのに、無事に忘年会を終え、何人もの院生の主査と副査をつとめ(学部生はもうわたしひとりだった)修論発表会でも元気に発言してらした。そしてなんとしたことか、夏には軽い登山ができるほど回復されていたのだった。
そして昨年の忘年会。幹事はわたしで(結果的に総責任者になっていた)当日は先生の誕生日。横山めぐみ(仮名)とふたりでホテルまで先生をお迎えに上がって、最後は先生がタクシーに乗り込んで空港に向かうところまで見届けた。色々とアクシデントが多かったけど、たぶんすごく喜んで貰えたと思う。最後の生徒としての思い出を先生の胸のどこかに刻むことができたと思う。

あらためて不思議でたまらない。ひとが死ぬってことが。物理的にこの世界から消えるってどういうことだろう。メールにも赤い文字で修正された論文にも、そのときの思いは確かに形になって残っているのに、もう本人はいない。完全に取り返しのつかないことが起こったようで、でももし先生が生きていても、もう二度とあの日々が戻ってくる訳ではないということもちゃんと分かっているのに。失ったのは未来ということかな。
今まで幸か不幸か、大事な人を亡くした経験が一度もなかった、と亡くしてみて初めて気づいた。


しかして7月に催された先生を偲ぶ会で、まだ卒業してない阿呆がひとりいることが判明。わたしと先生の美しい話が台無しに(じゃあ実質的にこのぼんやりした男が最後の生徒じゃねーかッ/涙)。
ゼミに入った時点でわたしは単位がかなり揃っていたため、卒論の単位なしにうっかり卒業してしまわないように、わざと必修の語学をひとつだけ取らずに放置してたくらいなんだけど(これを取ってたら3年前に卒論未提出のまま卒業してた訳で、そしたら院への進学は考えなかったと思う・・・)、そのひとはそもそもゼミを履修可能な最低限の単位で入ってきて、あとの科目は履修せずに卒論にかかりきりになったらしく。そらもう膨大な単位を取り残していたのだった。
え、なんですって、この期に及んであと20単位??? アホかあああああ~ッ。そのわりに卒論ちゃんと1年で提出しおってええええッ。
しかしよく考えてみれば、こういうひとこそ先生と縁があったんだと思わざるを得ないかも・・・。彼はフライングしなければ先生のゼミに入ることはなかったんだから・・・。





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最終更新日  2007年12月03日 16時56分56秒
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Re:恩師を亡くすということ、な日(11/30)  
せしるん  さん
そうですか。
お優しいあの先生、お亡くなりになったのですね。
私も教師にはほぼ良い思い出はないのですが、バイトしてから知った教授には深い思いを抱いております。
「死」って不思議よ。
本当に「大事な誰かを亡くす」こればかりは、どんなに想像しても、経験しないと絶対に分からない事だと思う。
ダニーちゃん、なんか臭いドラマの台詞の様だけど。
気を落とさないでお勉強に励んでね。きっと先生もそれを望んでいるはず・・・

そして確かに向田邦子の若い頃に蒼井優は似ている・・・。気が強い所とかも似てるかも。 (2007年12月03日 17時18分27秒)

Re[1]:恩師を亡くすということ、な日(11/30)  
せしるんさん

>私も教師にはほぼ良い思い出はないのですが、バイトしてから知った教授には深い思いを抱いております。

そうですよね。実は研究者ってそんなに人格者多くはないようで(笑)、尊敬できる師に出会えたのは僥倖なんですよね。

>気を落とさないでお勉強に励んでね。きっと先生もそれを望んでいるはず・・・

はい、本当に。しっかり続けていかないと。先生はとても立派な方だったなあと思うし、自分のダメさ加減が嫌になります。

>そして確かに向田邦子の若い頃に蒼井優は似ている・・・。気が強い所とかも似てるかも。

そうですよね。なんか目つきとか顔つきが似てるってことは性格も似てそうですよね。蒼井優が生涯独身って考えられないですけども。
(2007年12月03日 17時49分14秒)

あっけないものだ  
シショウ さん
生きているということは
楽しかったり嬉しかったり
しんどかったりサイテーと思ったり、
小さなことから大きなことまで
いろいろあるのですが、
死はそのすべてをあっけなく終わらせる。
でも起こったことはなくならない。
不思議なものですねえ。 (2007年12月04日 14時20分49秒)

Re:あっけないものだ(11/30)  
シショウさん

>不思議なものですねえ。

本当ですね。特に日常的に接することがなかった場合だと、どうしても亡くなってしまった実感て薄くて、いまだに九州で地震なんかの災害があると、先生大丈夫かな、と思ってしまうんですよね。
(2007年12月05日 09時21分09秒)

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