女子高生Aの日記(仮)

女子高生Aの日記(仮)

鎖の唄

鎖の唄

いつも そばにいてくれるなんて 期待してたわけじゃない

だけど

昨日 手を伸ばしてみたら いつのまにか届かなくなってた

どうしてだろう

なんて

考える間もなく 分かってる




あなたの背中に翼が見えるの

私はもう 擦り減らして 捨ててしまった あの白い翼


あなたの瞳が 遠い空を映す

そんなときのあなたが とても好きなのに

今は 同じくらいに哀しくなるの


地上の小さな石になんか さよならさえも きっと言わずに

あなたはいつか はばたくんでしょう?

夜明けの前の 薄紺の空に




指先が触れれば その手を絡めて

寄り添う距離では 肩にもたれて

私の全てを尽くして あなたを地上につなぎたかったの

例えばそれが 初めに愛した あの輝きを曇らせても


だけど あなたは気が付いたんでしょう

その翼を縛ろうとする 鉄の鎖に



あなたが去るのは 当たり前よね

泣いたりするのは 馬鹿みたいよね

忘れられるのが 早くなっただけなのに

泣いたりするのは 馬鹿みたいよね



まだ

まだ間に合う?



あのきらめきが 忘れられない…



もう 縛らないよ

信じてもらえないよね 分かってる

だけど 


その瞳が 空を映さなくなったら

あなたは 私の憧れた 翼の人じゃなくなるから

分かったつもりで分かってなかった

そんなあたりまえのこと



どうやって 伝えたらいいの?

言葉は舌に絡んで 上手く滑らない



もう一度 戻って来て…



地上の石でも構わないから

ずっと あなたを待てるから

いつか窓辺から はばたきの音が飛び立っても

空の色が何度変わっても この場所にいるから


朝焼けの光を追って 疲れたあなたを迎えられるように

せめて せめて

帰る場所になりたい

たったひとつの、じゃなくてもいい

帰る場所になりたい








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