オニオン・グラタン・スープ

オニオン・グラタン・スープ

 こんがり焼けたパンをフォークで突き刺して持ち上げると、中からチョコレート色の甘い玉ねぎスープが出てきます。溶けた香ばしいチーズが糸を引き、たっぷりスープを吸ったパンは絶品。ぜひおいしいフランスパンで作ってください。寒い日のメニューには絶対お勧めです。


 <材料> 2~3人分
  炒め玉ねぎ
玉ねぎ(大) 2個
バター 20g
  グラタン・スープ
薄力粉 大さじ2弱
固形スープ 1個
水 好みで300~400cc
塩・こしょう 適宜
フランスパン 適宜
とろけるチーズ 適宜

 <作り方>
①炒め玉ねぎを作ります。玉ねぎは縦ふたつに切って皮などを除き、繊維にそって出来るだけ薄く切ります。
泣かないコツ。玉ねぎのぬるぬるした部分に例の「涙の素」があるらしいので、薄皮などを除いたあとはぬるま湯できれいに洗い流します。水よりぬるま湯がいいのは、玉ねぎがより甘くなるからです。薄切りにする時は、「涙の素」に空気感染しないように鼻の穴を内側に向けるように、つまりうつむいて作業しましょう。マスクをするのも効果があります。
②深めの大きなフライパンにバターを溶かし、薄切りの玉ねぎを1度に加えます。
バターが溶けたら弱火にし、木べらで玉ねぎ全体にバターをからめるように大きく混ぜます。
③玉ねぎがしんなりして水分が出てくるまで弱火で火を通します。
よく混ぜたらきっちり蓋をして、とろ火でじっくり熱を加えます。溶けたバターと玉ねぎ自体の水分があるので、放っておいても焦げません。
④煮物のようにぐつぐついってきたら蓋を取り、中火にして木べらで混ぜながら炒めます。
あまり火を強くしすぎると玉ねぎがやわらかくなる前に焦げますし、弱火で長く火を通しすぎると溶けてしまいます。
⑤濃い褐色になるまで炒めて仕上げます。
あめ色から次第に濃い褐色になるまで、根気よく炒めます。玉ねぎの種類やフライパンの材質などによって、強めに短時間で炒めたり中火でのんびり炒めるなど工夫してみてください。私のフライパンはシルバーストーン加工のもので、くずれにくい硬めの玉ねぎを使いましたのでわりとのんびり、休み休み炒めました。最後は一気に強火で仕上げ、火を止めて余熱にまかせておきます。
 ここまでの作業を全室の夜にしておけば、翌朝にはグラタン・スープが楽しめます。また、冷めてから密封して冷蔵保存すれば、1週間以上は日持ちがするらしいです。我が家ではすぐに食べてしまうので保存したことがないのですが、この何倍かの量で作り置きしておいてもいいですね。量が増えても、炒める手間は同じですから。
⑥グラタン・スープを作ります。褐色に仕上がった玉ねぎをフライパンに入れて温め、ジュージュー音がしてきたら薄力粉を振り入れて手早く混ぜ炒めます。玉ねぎを保存しないでそのまま作り続ける時は、褐色に仕上がってから火を止めずに薄力粉を加えます。
⑦スープでのばして調味します。
粉に火が通ったらいったん火を止め、水と砕いた固形スープを加えて手早く混ぜます。水を多くするとよりスープらしさが楽しめ、少なくすると玉ねぎをじっくり味わうことが出来ます。よく混ぜたら再び弱めの中火にかけ、とろみがついてきたら味を見て塩・こしょうをします。
⑧グラタン皿にスープを盛り、パンとチーズを乗せてトースターで焼きます。
熱々のスープをグラタン皿に分け入れ、薄くスライスしたフランスパンを浮かべます。パンは大きく一切れを浮かせてもいいし、びっしり隙間なく乗せても結構です。上にとろけるチーズをたっぷり乗せ、予熱したオーブントースターでチーズがジュクジュク溶けるまで焼きます。

 出来立て熱々を、火傷しないようにフーフーしながら食べます。チーズの塩味と、甘い玉ねぎが本当においしい!好みでパセリのみじん切りやバジルを振っても。
 新玉ねぎのような水分の多い玉ねぎより、実のしまったもののほうが作りやすいと思います。新玉ねぎを使う時は弱火で火を通す時間を短くして、溶けてしまわないように炒める時間も短くします。
 スープをトマト味に変えると、マドリード風になるとか。いつかやってみようと思いつつ、どうしてもこの定番から抜けられません。我が家では、これにカリカリに焼いたフランスパンを添えていただきます。おいしい1本はあっという間です。

 ◎2003年1月19日記

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