《櫻井ジャーナル》

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2011.02.23
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 ウィスコンシン州のスコット・ウォーカー知事は、公務員の医療保険負担や年金負担を大幅に引き上げ、労働組合の団体交渉権を剥奪する政策を強引に推進しようとしていることは 本コラムですでに指摘 アメリカでは大きな疑問があると指摘 する声が出ている。

 今年度の残りの期間、1億2140万ドルの黒字になると同州の財政局は報告していることが先ず一点。ミネソタ州との税金問題、健康管理や刑務所のコストアップがあると知事側は主張しているようだが、それでも緊急性があるとは言えない状態だということである。

 また、来年度の赤字は36億ドルに達すると知事は主張している。確かに財政状態が悪いことは確かなのだが、前知事の時代は59億4000万ドルの赤字だったので、かなり改善されているという反論がある。59億4000万ドルの赤字でも労働者の基本的な権利を奪うほどの事態ではなかったということ。おそらくウォーカー知事も本音では緊急性を感じていないらしく、1億4000万ドルの大企業に対する税の優遇措置を1月に決めている。

 要するに、ウォーカー知事が叫ぶ財政危機はインチキであり、ある目的を達成するために作り上げた幻影だということ。その目的とは、ウォーカー知事のスポンサーたち、つまり大企業や富裕層を豊かにさせ、庶民から搾り取る仕組みを導入することだ。実際、 米国有数の富豪であるコーク兄弟が知事の重要なスポンサーだということは本コラムでも指摘 した。

 赤字を理由にして庶民から富を搾り取る一方、大企業や富裕層を優遇するという政策は日本でも採用されている。特に、中曽根康弘内閣からひどくなった。国鉄の赤字は政策的な背景があり、年金などは意図的に赤字を演出、かなりの額が流用されている疑いが濃厚だと言える。年金名簿の問題も、そうした流用を誤魔化すために実行された可能性さえあるだろう。

マザージョーンズ誌の記事

 2007年から09年までの期間にウォール街は720%の増益を達成したのに対し、失業率は102%の増加。2010年の貨幣価値に換算して100万ドル以上の非投資収入を得ている富裕層の税率は、フランクリン・ルーズベルト時代、1945年の66.4%から下がり続け、レーガン政権では47.7%、そしてジョージ・W・ブッシュ政権に至っては32.4%にまで引き下げている。その結果、富裕層への富の集中が加速されたわけである。

 だが、支配層は自分たちの税負担をさらに減らすつもりだ。「カジノ経済」が破綻して大恐慌へ突入する1929年には13.4%、第1次世界大戦の直前、連邦所得税がスタートした1913年には1.6%にすぎない。日本の支配層もアメリカと同じ道を進もうとしているのだが、最終的には自分たちも餌食になることを忘れるべきではない。(その前に死んでしまうので、かまわないと思っているのだろうが。)





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最終更新日  2011.02.23 18:21:04


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