《櫻井ジャーナル》

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2011.09.14
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 21世紀に入っても「先進国」の人びとは石油に依存した生活を送っている。石油の時代は続いているということである。アメリカがサウジアラビアや湾岸の独裁国家と緊密な関係を維持してきた理由もそこにある。

 国別で原油生産量を比較すると順位は次のようになっている。

1位:ロシア、2位:サウジアラビア、3位:アメリカ、4位:イラン、5位:中国、6位:カナダ、7位:メキシコ、8位:アラブ首長国連邦、9位:ブラジル、10位:クウェート、11位:ベネズエラ、12位:イラク、13位:ノルウェー、14位:ナイジェリア、15位:アルジェリア、16位:アンゴラ、17位:リビア、18位:カザフスタン、19位:イギリス、20位:カタール

 こうした産油国でどんなことがあったか、振り返ってみたい。

 先ずロシア。1993年にボリス・エリツィンが憲法を無視する形で議会を解散すると発表、抗議のために議員が立てこもった議会ビルを戦車で砲撃、100名以上とも約1500名とも言われる人を殺害して独裁的な権力を握った。自分たちにとって都合が良かったので西側諸国はこのクーデターを問題にしていない。

 その後、ロシアでは「規制緩和」や「私有化」を推進、政府とつながった一部の人間が巨万の富を手に入れた。そうしたひとりがボリス・ベレゾフスキー。ユーコスという巨大石油企業を支配していたミハイル・ホドルコフスキーもそうした富豪のひとりだった。

 ホドルコフスキーがユーコスを買収したのは1995年のことだが、その前、ソ連時代にロシアの若い女性を西側の金持ちに「紹介」していたという話も伝わっている。当時、彼はコムソモール(全ソ連邦レーニン共産主義青年同盟)の指導的な立場にあった。

 ベレゾフスキーの部下でロシアのFSB(連邦保安局)に勤務していた経験のあるアレクサンドル・リトビネンコは殺される数週間前、イスラエルを訪れている。イスラエルに亡命していたユーコスの元幹部、レオニド・ネフツーリンと会うことが目的だった。

 エリツィン時代に出現した富豪たちはウラジミール・プーチン時代になって配下に入るか、逮捕されるか、亡命するかしている。こうした富豪の多くはイスラエル系(いわゆるユダヤ系)で、ベレゾフスキーもイスラエルの市民権を持っていた。



 グルジア軍はアメリカとイスラエルから訓練を受け、軍事物資も提供されていた。アメリカの傭兵会社も訓練に加わっている。2001年からイスラエルの会社がグルジアに武器を提供、軍事訓練も行っていた。

 奇襲攻撃では、イスラエル軍の機密文書が使われていたとする証言もある。イスラエルがグルジアを軍事面から支えてきたことはグルジア政府も認めている事実だ。ロシア軍の副参謀長を務めていたアナトリー・ノゴビチン将軍もイスラエルがグルジアを武装させていると記者会見で非難している。

 イランでは2009年に選挙があり、マフムード・アフマディネジャドが圧勝している。アメリカのNPOが選挙の3週間前に30州で実施した世論調査では、2対1の割合で現職のアフマディネジャドがリードしていたが、実際の選挙結果はこの調査より現職は苦戦している。

 客観的に見て、選挙に大きな不正があったとは言えないのだが、西側の主要メディアは不正があったかのように報道、イラン国内では「自由を求める勇気ある人々」がデモを繰り広げていた。

 ベネズエラの場合、2002年にクーデター未遂事件があった。イギリスのオブザーバー紙によると、ジョン・ネグロポンテ、エリオット・エイブラムズ、オットー・ライヒなどのアメリカ政府高官がクーデター計画に関与していたという。この3人はイラン・コントラ事件(イランへの武器密輸、ニカラグアの反革命ゲリラ支援)に名を連ねていた。エイブラムズはネオコン(親イスラエル派)の大物だ。

 イラクはすでにアメリカの支配下にあり、リビアも体制転覆に成功している。次のターゲットはシリアで、そこからイランを攻撃するという推測もある。

 欧米の一部グループは世界の石油を支配するというプランを持っているようだが、どの国であれ、武力で石油利権を奪おうとすれば、攻撃する側の国も滅んでしまうだろう。国の衰退など気にせず「私人」として覇権を握ろうとしている人なら別だが。





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最終更新日  2011.09.15 11:42:34


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