ジョー・バイデン政権はスタート直後からロシアや中国に対する経済戦争を始め、軍事的な挑発を始めました。アメリカの支配システムを支えてきたドル体制が揺らぎ、システムを「リセット」しなければならない状況に陥っているのです。そのためにロシアと中国を倒さねばならないということです。
バイデン政権はすでに「ルビコン」を渡った、つまり「回帰不能点」を超えた可能性が高いと言えるでしょうが、それでも諦めるわけにはいきません。
ソ連が消滅した直後にアメリカでは「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」と呼ばれる世界制覇プランが作成されました。ドル体制が崩壊した後にもウォール街やシティが世界を支配しようというわけです。
そのプランに基づき、1995年2月にはジョセイフ・ナイが「東アジア戦略報告(ナイ・レポート)」を発表、日本はアメリカの戦争マシーンに組み込まれました。その1995年に何が引き起こされたのかは本ブログでも繰り返し書いています。
その時点でネオコンは旧ソ連圏を解体を開始、手始めにユーゴスラビアを先制攻撃しました。ライバルだったソ連はすでになく、誰もアメリカを止められないと考えたのです。
アメリカで大統領選挙があった2000年にはネオコン系シンクタンクのPNAC(新しいアメリカの世紀プロジェクト)は、ウォルフォウィッツ・ドクトリンに基づく「アメリカ国防の再構築」というタイトルの報告書を発表、その選挙で選ばれたジョージ・W・ブッシュの政権はこの報告書に基づく政策を打ち出していきます。それを容易にしたのが2001年9月11日に引き起こされた出来事、つまりニューヨークの世界貿易センターやバージニア州アーリントンの国防総省本部庁舎(ペンタゴン)に対する攻撃です。
その後、アフガニスタンやイラクを先制攻撃、彼らは世界制覇は目前だと考えたかもしれませんが、いきなりつまずきます。イラクに親イスラエル体制を築くことに失敗、イラクとイランを接近させることになったのです。
次のバラク・オバマ政権は中東から北アフリカにかけての地域で「カラー革命」を仕掛け、リビアやシリアではムスリム同胞団やサラフィー主義者(ワッハーブ主義者やタクフィール主義者と渾然一体)を傭兵に使って侵略を試みます。リビアでは成功しましたが、シリアでは失敗、今でも戦闘は続いています。
オバマは2013年11月から14年2月にかけてウクライナでクーデターを実行しますが、その時に手先として使ったのはネオ・ナチでした。2014年にオバマ政権は中東で戦闘集団を再編し、ダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国とも表記)を作り出し、残虐さを宣伝しました。
その「残虐な過激派」を倒すという名目でアメリカは軍事介入しようとしたようですが、アメリカが準備を終えようとしていた2015年9月のロシア軍がシリア政府の要請で介入、ダーイッシュを敗走させてしまいます。
2014年9月から12月にかけてアメリカとイギリスは香港で「佔領行動(雨傘運動)」と呼ばれる反中国政府の運動を展開して中国を揺さぶりますが、こうしたアメリカの工作はロシアと中国を接近させることになり、両国は現在、戦略的同盟関係にあります。すでに米英と中露は戦争状態にあると言えるでしょう。
バイデン政権やその背後に存在する勢力への従属は破滅へ向かうことを意味します。ヘンリー・キッシンジャーでさえ、オバマ政権やバイデン政権の愚かさを危惧してブレーキをかけようとしてきましたが、日本は夢遊病者のように戦争へと向かっています。日本人は少しでも早く目覚めなければなりませんが、そのためには事実を知ることが重要でしょう。
このブログの目的は事実を追い求めることにありますが、ここで書いているような事実をテレビやラジオは勿論、新聞、雑誌、出版など既存の媒体も拒絶します。おそらく、このブログで書かれているような情報をそうした媒体で見つけることは困難でしょう。私自身、そうした媒体から掲載や出版を拒否されてきました。「櫻井ジャーナル」を書き続けている理由のひとつはそこにあります。
インターネットが発達していなければ、情報を発信できなかったということでもありますが、情報を管理しようとしてきた人びとはインターネットの規制を強化しつつあります。情報機関と密接な関係にあるシリコンバレーのハイテク企業は検閲に熱心です。
まだ発信するだけの隙間はあるものの、いつまで発信できるかはわかりません。それほど言論統制は厳しくなってきました。そうした流れを止めるためにもカンパ/寄付をよろしくお願い申し上げます。
櫻井 春彦
振込先
巣鴨信用金庫
店番号:002(大塚支店)
預金種目:普通
口座番号:0002105
口座名:櫻井春彦