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今週のゲストは「日本で一番大切にしたい会社」の著者、法政大学大学院教授の坂本光司さんです。僕もこの本のことは何かで知って、何度か読もうとしながら人気が高くて借りることができずにここまできていました。・「日本で一番大切にしたい会社」;http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000032041751&Action_id=121&Sza_id=B0番組の後半で話が出ましたが、この本に登場する会社の一つ、日本理化学工業がテレビ東京のカンブリア宮殿で紹介されたとき、僕も見て感動しました。障害者雇用について企業の社会的責任などが言われるずっと前から障害者を雇用してきちんと給料を支払い、しかも利益を出し続ける素晴らしい会社だと思いました。今回調べると、「日本で一番大切にしたい会社」の公式HPもあって、そこには続編の出版も紹介されていました。楽しみです。ただ「泣けるビジネス書」というキャッチフレーズは事実だと思いますが、そういう売りでいいの?という感じ。際物的キャッチフレーズでなくても、必ず心を打ち、何か自分にできることをしよう、と考える本だと思います。・「日本で一番大切にしたい会社」の公式HP ;http://blog.canpan.info/nihon/さて番組ですが、竹村さんが坂本さんの経歴を問うところから始まります。あなたは単なる大学教授ではなくて、日本中で6000社を超える中小企業を訪問されており、そこから書いたのがこの本だということですね。ここには、素直にこんな会社ばかりだったらいいのになあ、と思う会社が紹介されています。一つバッと思いのたけをこれから30分喋ってください。まず、何か会社を廻るきっかけはあったのですか。もともと大学にいたのではなくて、役所に入り、たまたま配属されたのが中小企業の支援をするセクションでした。そこで大して知識もないまま、企業の経営者と話をするようになっていろいろな人間観というか、一生懸命頑張っている方、逆に社員を犠牲にするような方など様々な人と出会いました。0数年そのセクションにいるうちにどんどん嵌ってしまい、そのうちに大学に呼ばれました。嵌ってしまって毎週、会社を廻っているうちに心を惹かれる会社に出会う?ええ。その喜びとか驚きとかで(続いたのです)。逆にあまりに社員、下請けを犠牲にするようないい加減な経営者に出会って喧嘩をすることもありました。目の前にいる社員の幸せを考えないでどうする、会社はあなたのものではありません、皆のものですと言ったり。このごろは会社というものは株主のものだ、というアメリカ的な考えもあって。でも日本には違った伝統があると。それがここ何年間かで、忘れられてしまって。会社は株主のものだとか、一時期はお客様とか顧客第一主義という話もありましたが、顧客に感動を与えるのも社員だし、社員が自分の所属する組織に感動していなくてどうしてお客様に感動が与えられるか、というのは難しい理論ではなくて一人の人間として考えれば当然のことですよね。具体的に聞かせてください。40年間で6300社くらい訪問しましたから、年間150社くらい。昔は週に4日も廻っていましたが、今は週に2日くらいでしょうか。6300社廻った中で本当に頭が下がる、帰りがけに感動、感嘆して涙が出る、頭が下がるという会社が1割くらいありますね。ですから630社くらいは本当に頭が下がる会社、傾注に値する会社があるのです。今回はこの本にそのうちわずか5社を書いただけです。特にその中でも障害者を雇用する会社(についてお話したい)、強者の社会的使命は弱者のために存在するというのは明らかですから、弱者の雇用とか生活の面倒を見るのが強者の役目。これは企業でも同じ。しかし現実にはそこから目を離しているのです。政治もそうだが、経営者もそう。法律では障害者を全雇用者の1.8%雇用するというのが法律ですが。その法律のレベルまでは達しているのですか。平均で1.6%くらいです。それでもそこまではきている?1.8%というのは百分の1.8ですから、百人いて2人くらい雇ってくださいということ。この法律を守っているのがやく4割。6割は法律を守っていないということ。障害者に対する有効求人倍率は好況のときで0.3くらい、今みたいな不況では0.1くらい。そうした中でこの本に書いた日本理化学工業さんというのは50人くらいの会社で、法律にいう雇用義務もない規模の会社ですが、ここは35,6人、70%の障害者を雇っているのです。もっと驚くのはこの会社の障害者の方は重度の方だということです。法律では障害の程度によって重度、中度、軽度と分かれていて重度の方は2名で計算するので、この会社は140%の雇用を満たしているということになります。日本の大企業で障害者雇用について一番優れた会社で8%というところがあってあちこちで絶賛を浴びていますが、日本理化学工業は法律に該当しない会社にもかかわらず70%、計算によっては100%以上の雇用を果たしているのです。しかももっとすごいことにこの会社は最低賃金の免除申請をした歴史もないのです。障害者を雇えば能率が下がるわけですから、最低賃金以下にすることも申請で可能なのにそれをしたことがない、ということです。ここは重度の障害者にあわすように仕事のやり方の工夫をして能率をキープして最低賃金を守り、これによって障害者の皆さんも自立していくことができるのです。(今回はあまり説明がありませんでしたが、カンブリア宮殿ではそのあたりの会社の工夫も紹介していました)僕はこの本を読むまで知らなかったのだけど、マスコミはあまり紹介しない?日本理科さんのような会社は私の頭の中に100社くらいあるけど、ほとんど出てこない。世の中は不況不況と経営の苦しさを外の責任にしているけれど、日本理科さんのように障害者の雇用を守りながらきちんとやっている会社があるということを知ってもらいたいですね。先日、鳩山総理もこの会社を訪問されたようですね。そうです。鳩山さんがこの本を読んだ、という情報を得ていましたが、一国の総理が従業員高々50名くらいの会社を訪問して長い時間おられたということで世の中にも知られるようになった、ということで非常に良かったと思います。その日の夜から翌日にかけて100名くらいの人から喜び、感謝の連絡が入りました。障害者のご両親には涙ながらに話される人もいました。涙ながらにね。日本人の心情には訴えるものですね。日本人はそういうものに耳をかす、心も向ける性質はあると思うのだけどね。私はもともとそれが本当の日本的経営だと思うのです。それがおかしくなっているのです、アメリカ型経営とか株主優先とかで。しかし社員が幸せと感じなければ、いい仕事はしませんし、いいことをしなければ売り上げは上がりませんから、業績も上がらない。それが一番原点なのです。弱い人を支援するというのは昔から日本人が持っている一番いいところなのに、今の日本の経営は一番大切なところを大切にしていない、忘れている。一番大切なのは弱者救済、弱者に手を差し伸べておかしくなった会社は歴史上、私が知るところでは一つもない。業績を悪くしている会社というのは売り上げとか顧客満足度とか株式上場などにうつつを抜かしている。こんなことは私に言わせればどうでもいいこと。ここで中間です。非常に厚い坂本さんに圧倒され気味、でも心地いい圧倒です。
2010.01.31
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今週のゲストはコンポーザーピアニスト(作曲家でピアニスト)の天平さん、「ピアニストになると思わなかった。」でプロフィールを紹介しつつ、自分の音楽スタイルなどのお話でした。・天平プロフィール;http://www.tempei.com/profile.htm写真で見ると分かりますが、クラシックピアニストのイメージと違う肉体派、今の長淵剛のような感じです。番組でも出ましたが幼児期ピアノを習い始め、中高と一時音楽を離れて肉体労働に就くが、本当に何がやりたいか、考えた中で音楽に戻り、大阪芸術大学に入学、今があるそうです。(番組では芸大といっていたので、てっきり東京芸大かと思いましたが、大阪。でも首席卒業だからすごい、のでしょう)話はほとんど、自分は普通の日本人の枠に嵌らぬ、個性ある人間で自分のやりたいようにやってきた、というもの、竹村さんも、あえて言えば通り一遍の「日本人の画一教育は個性を伸ばさない」という発言でことさら新しいものではありませんでした。天平さんのいう、コンポーザーピアニストとは、かつてはショパン、リスト、ラフマニノフなど超一流のピアニストが一流の作曲家でもあったような、ピアニストしか書けない曲の書ける作曲家という意味で、ご自身もそれを目指したい、ということだそうです。確かに現代は全ての面で細分化が進み、芸術の世界も科学の世界も万能の天才など出にくくなっていますので、それを打破したいという心意気やよし、というところでしょう。正直言って僕が書けるのはここまでですが、番組を聴いて思わぬ効用がありました。番組の中で日本にももっと気楽にクラシックに親しむ環境が欲しい、という発言があったところでハッと思い出したのです。今日は木更津音協の第181回定期演奏会、今回はバリトンの河野克典さんの独唱会があるのでした。それで2時から出かけて聴いてまいりました。これは木更津市の音楽好きの市民の皆さんが地元でクラシック音楽に親しもうとして昭和38年から独自に会員を募って運営しており、ある意味で日本のクラシック音楽の底辺を支える活動の一つだと思います。・木更津市音楽協会;http://kisarazu-onkyo.jp/かつてはかなりの会員数を誇り、NHK交響楽団や日本フィルなどを招き、尾高忠明、大友直人氏の指揮で聴くこともありましたが、最近は東京まで気軽に出られることなどもあってか、会員数が減少し、オーケストラを呼ぶことはできなくなっているそうです。僕も半分寄付のつもりで20年近く会員になっていますが、月800円の会費で年3回、様々なジャンルの音楽家を招いて演奏会が行われており、かなりお得だと思います。ほとんど音楽の素養のない僕ですが、生で聴く音楽の迫力、空気振動が直接、自分の身体の中に入ってきて肺やお腹を震わす感覚が好きですね。今日の河野克典さん(ピアノ伴奏穴見めぐみさん)は荒城の月、この道、赤とんぼ、椰子の実からシューベルトのぼだい樹、魔王さらには、歌劇セビリアの理髪師、ドン・ジョバンニなどの独唱など初心者もよく知る歌曲で楽しませてくれました。木更津音協の常連だったアーティストがメジャーになっていったこともあるようで(先の尾高さんや大友さんも4,5回出演)、会を運営される方の眼力にも敬服します。いずれにしてもクラシック音楽家を支える地方の活動の一つとして、まさに継続は力なり、の典型ではないでしょうか。竹村さんの番組とは関係のない話になりましたが、クラシックへの啓発という意味では、番組の趣旨とも近いものだとしてご了承ください。ではまた来週。
2010.01.24
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今週は予想外でしたが正月に続いて渡部さん、日下さんの鼎談、しかもこれまで避けてきた?鳩山内閣の評価、批判といった内容。竹村さんの評価は最初に言ったように「期待はずれ」の一言、鳩山首相の決断できないという資質に失望して厳しく注文をしよう、ということかもしれません。番組の中で断りがあったように、年末に収録しているので、まだ鳩山首相脱税問題、普天間基地移設先送り問題などをメインにしていますが、現在では小沢幹事長の政治資金規正法違反問題が中心です。本当にマスコミは、事件が検察庁によって公開されるたびに提灯記事を書いているだけだなあ、と情けなくなります。さて、竹村さんいわく、鳩山さんは何も決断できないリーダーであり、唯一決断したのは、普天間基地移設問題を先送りする、という決断だけであった、と嘆いています。また首相は言うことがしょっちゅう代わる。そんなこんなで、12月末の世論調査で鳩山内閣の支持率が急落、指導力を発揮していないと答えた人は70%以上という体たらくです。鳩山首相は育ちもよくて決して悪い人ではないが、また個人的に社交ダンスの会で知り合って、感じのいい人だと思っていたが、総理大臣としてこのままやっていけるか、とくに日米関係が心配だ、という人が多い。(竹)これに対して渡部さんは、リーダーの資質を問う以前に人間として駄目である!と断罪します。政治家は政治的な関係で誤魔化したりすることもありうると思うが、普通の関係でウソをついてはいけない。それなのに田母神事件のとき、本当は同席して一緒に飲んでいるのにパーティを途中退席した、とウソをついた。同席していた人間は皆ウソだと知っている。そういうプライベートな関係でウソをつく人は駄目。日下さんはもっと大きな視点からマスコミの報道姿勢を含め、批判します。新聞は、普天間問題で日米関係が危なくなっている、と報道しているがそんなことはあるはずがない。誰も困っていない。今のアメリカには日本の基地問題にかかわっている暇はないと断定します。これは面白い話が聞けるかな、と期待しましたが、「日下さんはいつもユニークな考えを紹介してくれるのだけど、本当かな」とここで竹村さんが途中で切ってしまい、内容は深まりませんでした。考えるに、基地問題決着が遅れれば現状維持ですからアメリカにとって好都合。ついでに決着を待つから代わりにほかで譲歩しろ、と見返りを求めることも可能で、また日本は余計なお金を払うようになると思います。番組に戻って、日下さんは少し解説をしてくれました。いわく、日米間に問題はいろいろある。不平不満もずっと昔からある。でももう、マスコミはそんな問題の持ち上げ方はやめなければいけない。できないことはできないのです。それならどうすればいい。(竹)諦めればいいのです。できないものはできない、と悟ればいい。(日)でもせっかく政権交代ができて新しい太陽が上がるかと期待したのに曇り空のまま。それなにの日下さんは諦めるしかない、という。渡部さん、何か救いを出してください。(竹)救いより何より言うと、鳩山さんというのは普通の人ではない。悪い意味で普通の人ではない。というのはあれだけの脱税問題、さらに政治資金を故人から貰っていた、と言ったウソがばれても平気で首相の地位に留まっておられるというのは、モラルセンスがどこかで致命的に欠けている。(渡)それに加えて大失敗だと思ったのは天皇陛下の政治利用。東京でマスコミが取り上げる前に地方では小沢がやったことと取り上げています。ともかく、地方では本当に怒っています。(日)天皇陛下の政治利用は論外です(それをやって決して良いことはありません)。かつて天皇になり代わろうとした足利義満は、まさにその陰謀が成就する直前に突然死んでしまいます。天罰というやつです。これはまずいことをしたね、と渡部さん。これについては井沢元彦さん、今谷明さんなどを読んで知りましたが、まさに万世一系の天皇が途絶えようとしたそのとき、天罰なのか暗殺なのかは分かりませんが、義満が死んで天皇位簒奪は阻止され、将軍家は再び天皇の権威にひれ伏すようになります。中国からどうしても天皇に会わせろ、といわれたらどう答えたらいいのか。中国に対して「次期主席になる人間は天皇陛下に拝謁することで箔をつけたいのか」と訊けばいい。天皇に会いたいということはそういうことですよ、と言えばいい。もし向こうが「その通り」と答えれば「中国の主席になる人が箔をつけるために天皇陛下に会いに来たのです、と国民に向かって発表するけれどもそれでいいか」と確認すればいい。(日)これでは天皇陛下の権威を中国が認めたことになるので、中国は先ず会見要請を取り下げるだろう、という日下さんの読みですね。ぜひ、こんな折衝をやって欲しかった!非常に高度な、怖い話になっているので話をマスコミレベルに戻したいと思います。(竹)年末の毎日新聞の調査によると70%近くの人は日米関係が悪化すると心配しているが、もともと沖縄の海兵隊をグァムに移転することが決まった後、その費用の負担について日米間でもめたことがあった。アメリカがより大きな負担を日本に求めたが、それを拒否したのである。(竹)ところがそのとき、北朝鮮が突如、日本海にミサイルを何発も撃ち込み、また核実験を行ったので日本中が恐れて、それで急転直下、日本が負担を飲むことが決まった。結局、防衛をゆだねている結果、こうならざるを得ないのです。(竹)今回、北朝鮮はおとなしくしているが、この録音のあと、正月くらいに何かやるかもしれない。そうなれば前回同様、国民の不安が高まって一気に解決するかもしれない。(竹)それについてもう少し言えば、プルトニウム爆弾はどんどん劣化するのです。10年たつとプルトニウムを再処理するか爆発させるしかない。北朝鮮は再処理工場を持たないので、爆発させるだけ。マスコミはそれをきちんと報道しなければいけない。そろそろ北朝鮮の核爆弾の能力が落ちてきたので、爆発実験がありますよ、とアナウンスしていれば国民も動揺せずにすんだのです。(日)一説によるとアメリカは高価な兵器を日本に売ろうとするときは、北朝鮮とそっと話して日本に対してミサイルを撃ち込ませる、もしくは核実験をするというそうです。すると直ぐに予算がつく。(渡)日本は核を持っていないので、決定的なところでアメリカのお世話にならないといけないという形で来ている。そういうことを考えると、日本も憲法や非核三原則に縛られた状態など根本のところを考え直さなければいけない状況にきている、と思います。(竹)これはやらなければならない。できないというのは日本人の腰は抜けているから。当たり前のことをすっと言わなければいけないのです。(日)核の問題で言うとアメリカは絶対日本には核は持たせないでしょう。日本に対して核を使った以上、日本には核で仕返しする権利がある、と考える人もいるからです。(渡)日下さんもアメリカで会議の際、同じことを言ったが相手は納得していたそうです。ではどうするか。ドイツと同じく核シェアリングを考えるのが現実的、と渡部さん。いずれにしてもきちんと議論をしなければならないとは三人の考え。ここで竹村さんは核問題も簡単に収めて鳩山政権の不決断問題に話を戻します。あまりに決断力がないので、亀井さんに代えるというような話もあるが。(竹)とにかく総理大臣として自覚がない。でもそれよりもっと怖いのは、マニフェストにもなかった外国人の地方参政権問題をやろうとしていること。議員の中には案外賛成の人が多いが国民は誰も賛成していない。だからこれをマニフェストに入れていたら選挙では絶対に負けたはず。対馬や島根に住民票を移してここで韓国に有利な法案を作る、というようなことも可能なのです。今の時代は地方参政権で国政にかかわることが直ぐにできる。(渡)マスコミがそれを知っていて説明していない、というのが二重に怖いですね。ところで問題はほかにどんなことがありますか。(竹)なぜか不思議に竹村さんはここでもあっさり話題を変えます。「指導力を発揮していない」というのは70%以上の認識になっているが。(竹)それより「ウソを言っていると思うか」と問えば100%になりますよ。(渡)同時に官僚征伐を着々とやっています。政務官と副大臣で全部決めるからそれから働け、とやっているので、官僚は全く働いていません。長年野党をやっていた人は敵を作って叩くしかできないのです。(日)まだまだ話はつきませんが時間が来ました。ここで終わりです。今日は時間の制約があったからか、竹村さんが話題を次々と変えたので、皆さんの深い薀蓄や思想にまで達することはありませんでした。何度も持ち出したことから竹村さんは鳩山さんの指導力を問題にしていて、代わりを亀井さんに期待している、そんな印象を受けました。ではまた来週。
2010.01.17
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今週のゲストは外国語教育が専門で立教大学異文化コミュニケーション学部教授の藤田保さんです。竹村さんが最初に「昔は英会話の本ばかり書いていた。東京オリンピックの頃に「大人の英語」、「英語会話一週間」など、いかにも英語ができそうな気になる本がかなり売れた。それにしても何とかならんのだろうか。日本人がこれだけ英語が下手なのは」と始めます。かなり昔から日本人は英語が喋れない、と言われていて、でも一方で喋りたいという希望も強いのです。それらもあって今回、英語が小学校に導入されます。これは中曽根内閣の頃、20年以上前からの議論で、産業界からも国際競争力をつけていくためにもぜひに、と言われてきました。それで小学校段階から導入されるようになりました。現在では英語というより「外国語活動」という言い方。国際理解教育ということになっていますが、実質は英語を中心に扱います。平成23年度から小学校5年生、6年生で週1時間必修となります。必修になるとして、その英語の先生をどうするのか。原則として小学校の担任が教え、同時にネイティブスピーカーの活用を求める、となっています。これには各地域にいるネイティブを活用するということです。現在でもALTがかなりいますが、教育の専門家がなかなかいないというのが実情です。竹村さんは息子たちが小さいときに家族で1年間、アメリカにいたおかげで皆自然に英語が喋れるようになった、と環境の大切さを指摘します。藤田さんもそれには反対なく、だからこそ早い時期に英語に親しむために小学校でも英語教育が導入された、とします。一方、中学校で正式に習い始める前に英語に親しんだ子供とそうでない子供でどれほど英語の学力に差が出るかを調べてみると中学校卒業段階ではそれほど差がない、という調査結果も出ている、と話します。ただ、早くからやってきた子供は英語でコミュニケーションをとろうとする意欲がそうでない子よりも強くて、そこに意味があると続けます。このあとも話は続きますが、基本的に英語はコミュニケーションの道具である、という当たり前のことが繰り返され、また竹村さんも同じ考えですので、それほど発展しません。具体的にどうすれば英語が喋れるようになるのか、というような具体的な話はありません。そういう意味で藤田さんは全くの教育の解説者であり、教育の実践者ではないようです。現実には日本は幸いに英語がなくても何不自由なく暮らせる、世界でもまれな国、ということで本当に1億の日本人が皆、英語ができるようになる必要があるか、という話も出ます。それについても昔から議論があり、「平泉-渡部論争」というものが紙上を賑わした、というように渡部昇一さんが登場するシーンもありました。基本的に平泉さんは、英語の実用性を認めつつ大部分の学生には必要ないので限られた専門の学生にしっかり教えるべき、渡部さんは英語を読み解くことで頭脳が鍛えられる、論理的思考が身につくとして現行の教育を支持しているのだと思います。・http://tb.sanseido.co.jp/english/h-english/pr/02_spring/special_04_2.htmlこれらは現代でも決着のついていない問題のようですが、今はさらに読み書きの英語ではなくて、喋る英語、コミュニケーションとしての英語をやるべき、という新しい側面がでているようです。個人的には日本人はオープンで論理的な会話をするのが苦手な民族(もしくは日本語がそういう言語)なので、英会話が苦手なのだろう、でもその弱点を自覚してるので喋れるようになりたいという意欲が人一倍強いのではないか、と思います。ただ先達から受け継がれた読み解く外国語教育によってほとんどの外国語文献は日本語に翻訳されており、しかも科学技術的にも文化的にも先進国になったことで特に憧れて学ぶ国もない(ここが明治時代と違うと思います)現状で、積極的に個人が英語を身につけるインセンティブは生まれにくいのではないでしょうか。世界が英語で統一されてしまうと考え方も画一的となり、決して望ましいことではない、そこに正反対のような言語である日本語が残ることで競争発展が続くのではないか、と思います。藤田さんは子供のうちから英語の楽しさを身につける、コミュニケーションとしての英語を学校で教える、と言いながら、ネイティブのALTなどには否定的です。その代わり、小学校の先生が出来ないなりに失敗しながら英語を喋る姿が子供たちにいい影響を与える、と言っていましたが、あまり納得できませんでした。コミュニケーション、と言うからには一方がちゃんとできないと練習にも何もなりませんし、先生の頼りない姿を見せることで子供たちが英語に親しむということはありえないと思います。先生より上手に喋れる小学生がいる可能性も高く、まさに学級崩壊につながるのではないでしょうか。第一、今の先生たちが自分たちのそのような姿を子供たちにさらすことを望むとも思えません。ということで、何となくモヤモヤして番組は終わりです。これだけでは少し寂しいので、英語に関して書いたショートショートをつけて今週は終わりにします。ではまた来週。「英語の世界」2019年。世界は英語で統合されようとしていた。ほとんどの国で従来の言葉は廃止され、英語が公用語となっていたからだ。良好なコミュニケーションによって戦争、テロなど国家、民族間の争いは過去のものになっていた。そして最後に残った一国がこの英語クラブに入ることができれば、人類は文字通り一つになり世界は無限に発展していくのに、と語られていた。最後に残った一国、日本がこの英語の輪に参加しさえすれば。そう、この時点でもまだ日本人の多くは英語で流暢なコミュニケーションができる状態にはなかった。そして日本ほど経済的、社会的に影響力の大きな国が英語を喋らなければ、世界の統一は完成しないのだ。世界が日本を待っていた。世界で一番英語の下手な日本人。なぜだろう?学ぶ努力が足りないのか。いや、日本ほど熱心に英語を学んでいる国はない。世界中の国が英語学習に掛けたお金、時間、熱意を全部あわせたより多くのものを日本人は注ぎ込んできたと言っても過言ではない。では学ぶ能力がないのか。いや、英語以外の全てにおいて証明してきた日本人の能力を考えると、そのようなことはありえない。では一体?なぜ一体、日本人は英語が喋れないのか?喋ってはいけない理由があるとでも言うのか。しかし日本人は諦めなかった。わが身の不幸を嘆きながらも必死の勉強を続けていたのだ。努力は必ず報われると信じて。そしてそのときは訪れた。2020年、突然のように日本人全員が英語を喋り始めた。これまでの努力は無駄ではなかった。日本人が幼稚園で、学校で、塾でそして会社で、家庭で英語に注ぎ込んだ全てのエネルギーが地下のマグマのように日本人の無意識の底に溜まっていたのだ。そしてそれらが遂に臨界に達したのである。最後の決め手となったのは普通の人たちの地道な英語学習の努力だった。これが日本人の前に立ち塞がっていた言語の壁を打ち砕いて、エネルギーは一気にほとばしり出た。このパワーに触れたものは誰も彼も瞬時にして英語をマスターした。あれほど苦労したLとRの発音もノープロブレム、時制、前置詞、仮定法も自由自在に操って老いも若きも男も女もみんな一斉に英語を喋り始めたのだ。 誰もが世界の人と自由にコミュニケーションできる喜びに胸を震わせた。英語を喋るようになった日本人はたちまち「和」を広め、世界は本当に一つになったのだ。「人間たちはまた言葉を統一してしまった。かつて思い上がった祖先たちが天を目指して建設したバベルの塔がどうなったかを忘れてしまったらしい。まだ懲りないのだな。折角、“言葉の下手な日本人”という安全装置を与えてやったのに。今度は何をしでかすことやら。私への挑戦は許されない!」神は厳かに宣言した。たちまち、英語は消滅し、人々はコミュニケーション手段を失って四散していった。
2010.01.10
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あけましておめでとうございます。今日は新年最初ということで予想通り、渡部さん、日下さんとの鼎談でした。お目出度い話か、民主党の危うさの話か、とも期待しましたが、竹村さんが「この前登場した木村泰司さんが、昔の王様は排泄も何でも人の前でオープンにした、そのことで力を見せつけたのだ、というようなびっくりする話をしましたが、このお二人も普通の人が知らないことをたくさん知っています。それを聴きたいと思います」というように振って番組をスタートしました。最初に日下さんが「それは簡単なこと。日本の教科書は偏っていますから、教科書を勉強し過ぎなければいくらでもそんな話は仕入れることができます」と答えます。ただ、僕が思うに、面白いことを話す、人の知らないことを話す、と期待されて話し始めるのはなかなかつらいものです。会話の自然な流れのなかで教養や薀蓄があふれてくるというほうがいいのですが心配した通り、硬い、やや無理をした無理をした前半でした。最初はルイ14世の話にとらわれて下ネタ的、偉い人は洋の東西を問わず排泄や着替えを見せることをためらわず、また周囲の人はそこまで自分を信頼してもらえているということで喜ぶ、そんな例が出ます。小野小町の香水、香木でごまかしたウンチの話はご愛嬌。近代前のヨーロッパでは階上から糞尿が降って来るので女性が道路側を歩いて家側を男性が歩いていた、という話はまあ普通。渡部さんは、イギリスではアッパーミドルと主に付き合っていたが、このクラスはあまり人の目を気にしない。奥さんは化粧もしないし、洋服も粗末。この下、ロウアーミドルの層はきちんと化粧をするなど、外見や他人の評価を気にする。ところがその下のワーカークラスになるとまた格好は気にしない。(渡)このロウアーミドルはプライドが高い。教育にも熱心で、変な格好をしたりへんな喋り方をしていたらワーキングクラスに落ちますよ、といって子供を躾けたそうです。Indianをロウアーミドルはインディアンと発音するが、上下のクラスは規則も気にせず、インジャンと発音するそうです。喋り方でも同じで上と下の層が似ている。(渡)サッチャーさんはロウアーミドルの出で、やはり外見を気にされたとか。それでしばしば公式の席で一緒になるエリザベス女王に対して、服装がチグハグにならないよう調整をしましょう、と申し入れたことがあるそうですが、女王に「こちらは誰が何を着ようが気にしません」と返されたとか。(日)いかにもありそうな話ですが、逆にできすぎていて本当かしら?とも思います。階層の差はサッチャーさんも十分承知のはずですから。服装や喋り方は気にしないが、飼う犬は気にする、という渡部さんの話も面白かったです。シェパードを飼うような人は上流階級ではない。上流階級は猟犬を買うそうです。日下さんは自分の体験として、ロンドンのハロッズで買い物をしたとき、紺色のコートを買おうとしたら店員から「あんたは大学出だろう。それなら紺ではなくて、ベージュ色のコートにしろ」と言われたそうです。社会階層によって服の色も違うということのようです。それに対して日下さんは「日本では何色を着ても自由なのだ」と答えたそうですが、店員は納得せず。日本のように、明治維新そして第二次世界大戦と二度の大きな社会変革を経験した国とそうでない国の違いでしょうか。イギリスでも大学だけはクラスレス、様々な人がいるので教授はどんなカッコウをしてもいい、と渡部さんはつけ加えます。ここで竹村さんが話題を変えて、二人とも世界中を旅行しているので、これは、というような体験をしたことも多いでしょう、といいながら「ジブラルタルに行ったとき、飛行場の滑走路に信号があって、車と通路を共有していたのが驚きだった」と「なるほど・ザ・ワールド」的な情報紹介をします。渡部さんは初めてドイツに留学したとき、貴族がまだちゃんといて、城に住んでいることに驚いた、と語り、そこからハイクラス、富豪の話に移ります。ドイツでは第一次世界大戦敗戦で皇帝や王はいなくなったが、その下の貴族階級は全て残ったそうです。日本はその逆に天皇が残り、その下の貴族がみんないなくなってしまいました。ヨーロッパには道路から見えないところに屋敷、城のある大富豪がまだたくさん存在していて、この普通の人からは想像もできない豊かさが一つの文化を創る、大きなことを考える根源になる、というような話でした。またアメリカのような広大な国ではなくて日本と変わらぬイギリスのような小さな国に広大な土地と屋敷を持つことに意味がある、というような話もありました。日本では「箱根彫刻の森美術館」をもつ産経グループ総帥鹿内さんのような人が世界の富豪とも対等に話のできる数少ない人、ということです。かつては日本にも存在した華族、富豪から地方の素封家まで日本文化を支えた層が敗戦や破壊的相続税によってどんどん消えているのです。渡部さんもかつて言われたと思いますが、個人的な趣味を追及する富豪がいて初めて文化財が生まれ、後世に残るのですが、金持ちから収奪した税金で何かを作ろうとしても、官僚には人々が感動するような文化的趣味はなく、ほとんど箱物で終わってしまうのです。東京駅のレンガ造りは貴重だから保存する、といわれるが、イギリスでは「レンガは貧乏人の大理石」と言われています。(日)もう一つ、日本にはでな建造物や人目を引くきらびやかな宝物が少ない理由として、皇室が非常に質素だったから、と話されています。自分たちが贅沢をするのでなく、国の民が幸せであるように、と常に祈っている天皇であるからこそ、世界に類のない2000年以上続く王朝が日本に存在しているのです。今の皇居はもともとは武家の城であり、天皇は京都の町中に塀一枚で隔てられた御所に住んでいて、何の不安もなかったのであり、天皇に対する革命は起こり得ないのです。(渡)このような組織としては世界にも皇室と法王庁しかない、とは渡部さん。天皇家はまさに日本教の総本山、というところでしょうか。ここで終わりですが、普段話されているときほど、目からうろこの話は少なかったような気がします。まあ、今回はあえて普通の人の知らない話をしようと構えたところで少々難しかったようです。やはり普通に話していて興が乗る中で、思わずひとつの事を深掘りして取って置きの情報に至る、というほうが面白そうです。お二人がかくも博識なのは、豊富な実体験とともに、やはり多くの本を読まれているからだと思いますが、それには及びもつかぬわが身ですが、最近読んだ本「アジアに生きる大東亜戦争」で得た知識を紹介して終わりにします。フィリピンはどちらかというと欧米寄りの国というイメージがありますが、本来はスペイン、アメリカの植民地支配に徹底的に抵抗し、独立戦争を戦ってきた民族なのです。その独立戦争の真の英雄リカルテ将軍は最後までアメリカに抵抗し、日本で亡くなった愛国者であり、日本がフィリピン政策で失敗しなければ、戦争の行方も変わり、全く別の国になった可能性もある(今も民衆レベルでは親日的)のです。また、タイが日本に対して示した数々の好意(リットン調査団報告後の国際連盟での日本非難決議へ唯一棄権したことや、大東亜戦争で米英へ共同で宣戦布告してくれたこと、敗戦後の困難な日本を見て賠償を大幅に減額するなど)も決して忘れてはいけないことなのです。さあ、明日から仕事、頑張っていきましょう。
2010.01.03
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