先日、バーネットの『秘密の花園』を文庫版で読んでましたら、
庭にオダマキが咲いているという描写がありました。
イギリスの庭でも、この花は古くからのおなじみさんだったのですね~。
写真は、西洋オダマキです。
日本のミヤマオダマキには、まだ会えずじまい・・・
でも、気を取り直して・・・
亡き義経を偲んでうたった静御前の和歌を引用してみました。
しづやしづ 賤 (しづ) のおだまき 繰り返し
昔を今に なすよしもがな
このころ、
賤 (しづ) という布を織るためのハタ織の道具(糸を繰り、それを機にまわして布を織る)に、
苧環=オダマキと呼ばれる物があったそうです。
この道具と形が似ているところから、花名が苧環になったらしいです。
花言葉を聞いて、なんだか しんみりいたしました。
『勝利への決意』 ・・・だそうです。

当時、白拍子N0.1だった静御前は、今で言うとトップアイドルなのかな?(歌を詠むには教養が必須ですから、聡明な女性だったと推測されています)
義経とはぐれた静は、重要参考人として鎌倉に召し出されておりました。
和歌は、鎌倉に呼ばれた静御前が源頼朝の前で舞いながら歌ったものです。
この歌を聞いた頼朝は、ものすごく激怒しました。
なぜなら、こんな意味だから・・・
「白拍子とさげすまれる私だけれど、義経さま恋しや、ああ、むかしに戻れたらよいものを」
天下の頼朝が罪人とする義経恋しと、堂々と歌ったとは!
静御前のshizu に掛かかる‘ しづ’という布は身分低い者の服布で、賤しき自分という文脈です。
さらに、この歌には下敷きとなる本歌が2首もあるのでしたから、
静の頭脳の明晰さは、並外れていたと考えられます。
(下に取り上げたのは 古今集の1首、頼朝も承知の歌です↓)
いにしへの しずのおだまき いやしきも よきも さかえは ありしものなり
~古今集
静御前って、つわものですね・・・。
これって、超シビアーな皮肉 ↓ が込もった和歌ですよ。
「賤しき者も貴き者も、それなりに栄えることがあるでしょうよ」
(今は栄えていても、流人だったくせに! いつまた、どうなるか分かりませんわ!)
このように本歌取りのテクによって、歌や漢詩はダブル(トリプル)メーッセージを持つのです。
ここで、もっと驚くのは、
そばにいた妻の政子(これまた頼朝の上手を行くご婦人)の反応です。
「人の心とは、そういうものです。いちいちご立腹召されるな」
・・と、ピリピリ切れてる頼朝をいなしてしまったという話です。
*゜.*゜.*゜.*゜.*゜
長く人質だった頼朝は、いわば“トラウマの塊り”だったのでしょう。
暴君ネロ、独裁者ヒットラー、はたまたSFスターウォーズのダースベイダー
・・などと同じパターンがあったかもしれませんね?
歴史の悲劇もようは、所どころで同じ顔を覗かせる…。
<(_ _)> お付き合いいただき、ありがとうございました。
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ポチ ありがとうございます
☆ 黄色の方はキバナオナガオダマキと呼ばれると思います ★
★ 文庫版『秘密の花園』は、以前こちらで紹介していたものと同じです ☆
とげのない薔薇 ☆
※・・ その後のエピソード ・・※
身ごもっていた静御前が産み落とした義経の子は、男児でした。
頼朝の命で、川に投げ込まれたと伝わっています。
これはまた、流人時代に頼朝が味わったのと そのまま同じ残酷劇。
静御前も、覚悟の上で、あの歌を詠み、舞ったのでした。
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