わたしは価値を創る

わたしは価値を創る

July 19, 2010
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カテゴリ: 小説の話
■桐野夏生の小説です。圧倒されてしまいました。その想像力の凄まじさに。

解説の人が「怪物的な想像力」と書いていましたが、まさにその通りです。

■無人島に流された男女。物語ではよくある設定ですかね。ただし、中年女性1人に、その他大勢の男という状況です。

これは桐野氏の願望なのか。一種のユートピアですね。

案の定、中年女性は、島で女王のような立場に置かれます。2年ごとにくじ引きで夫を決めたりします。

■「東京島」という名前は、望郷の念からか、人々がつけたものです。集落も、ブクロとかジュクとか称して住んでいます。

では、これは現代日本を寓話として描いたものかといえば、そうではない。極限状態に置かれた人々がどのように振る舞い、社会を作っていくかを描いたものです。

■とにかく、作者の筆運びに作為が感じられません。宮部みゆきなどを読むと、面白いんだけど、作者の手練手管に乗せられていることが分かってしまい、人工的な建造物を見せられている印象が拭えないのですが、この人の小説はそれがありません。

桐野氏に何かがとりついて書かせたかのような迫力があります。



■この小説も一筋縄ではない展開を見せるのですが、おそらく作者が考え抜いた構成というわけではないのではないか?

だから緻密ではありません。力技ですっ飛ばすようなところもあります。

そんなに長い小説でもないのに、数多い登場人物が、自由に思弁を語ります。その縦横にからまる綾が、この物語を立体的なものに見せています。

しかし、全体としてみれば、破綻していませんから、大したものです。

■この小説、映画化されるそうですね。

無理だろーーーー!

と思わざるを得ませんな。





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Last updated  July 21, 2010 10:37:13 AM
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