もう一度、「スラムダンク」を読もう!!

もう一度、「SLAM DUNK」を読もう!! (2002/11/12(火)の日記よりカットアウト)

今日は昼間に「ヘビーローテーション」を書いたのだが急遽差し替え。極めて個人的な想いを綴ろうと思う。

僕がまともにインターネットを利用し始めたのは2001年の春のことだったと思う。それ以前から家にPCはあったのだがゼミのレポート作成でMS WORDを使ったぐらいだった。一応プロバイダに加入はしていたのだが全く利用していなかった。友人とメールのやりとりが少しあったぐらいだ。

以前から友人達はインターネットを利用していたが何が面白いのかよくわからなかった。本屋大好き人間(立ち読みだけど…)なので読み物や情報といった点でインターネットの必要性を感じなかった。友人との連絡も電話でいいだろと思っていた。

ただあんまり世間の流れについていかないのも好ましくないと思い何となく始めてみた。しかし元々目的もなく始めているのだから何をやればいいのか全くわからない。初心者にありがちな YAHOOで立ち往生 ってやつだ。

しばらくYAHOOでうろちょろしてると「掲示板」という文字が目にとまった。「ん?NBAの掲示板もあるのかな?」最初はそんな感じだった。

今思えばあの頃はNBAを語り合える友人を事欠いていたのでウズウズしていたのだろう。すぐに書き込んでみたいと思った。友人に「YAHOOに登録しても大丈夫だよね?」とアドバイスを求めアカウントを取得した。最初に書き込んだのはどのトピだったかなあ。今はよく思い出せないや。

00-01シーズンはアイバーソンを中心にシクサーズの大躍進があった年だ。ジョーダン引退後、スパーズ・レイカーズが圧倒的すぎる力で優勝しイマイチ盛り上がりに欠ける雰囲気が漂っていたと思う。(スパーズ・レイカーズファンの方には申し訳ないのだが…)そんな中でのアイバーソンの活躍にファンも盛り上がっていた。

何を思ったのだろう。僕はあるトピックを作成した。まだYAHOO掲示板NBAカテゴリーの雰囲気をつかみきれていなかったのに。初心者の勢いというのは本当に困ったものだ。

もう一度、「スラムダンク」を読もう!!

そのトピックのタイトルだ。

2000年の夏。一冊の本と出会った。「スラムダンク勝利学」(辻秀一著)だ。井上雄彦さんの名作「SLAM DUNK」を題材にスポーツ選手の心構えを著した一冊だ。当時「バスケがしたい。しかしその場が無い。」というジレンマを抱えていた僕に与えた刺激は言葉にするのは難しい。大学のサークルは肌に合わなかったし、体育会の部活に入るほどの気持ちは無かった。ストリートの場も探したがみつからなかった。半ばあきらめていた。

「スラムダンク勝利学」を読むと無性に「SLAM DUNK」が読みたくなった。実家には全巻セットで揃っているのだが手元にはなかった。でも今すぐ読みたい。迷わず古本屋に向かった。完結セットは置いてなかったのでとりあえずあるだけ買ってきた。家に帰ってすぐ読み進める。止まらない。現役でプレイしていた頃の印象とは全く違う。とにかく止まらない。

買った分は一気に読んでしまった。早く続きが読みたい。あまり余裕も無かったのだが足りない分は新刊で一気に買い揃えた。とにかく早く読みたかった。マンガ喫茶に行けばよさそうなものだがそうもいかない。他人がいる場でなんか読めやしない。言葉にならないいろんな想いが胸をよぎっていた。とても人前で読めやしない。

一気に読み終えた。もう一度バスケをしよう。そう思っていた。まだ場所も仲間も当てはなかった。でも決めた。バスケをしよう。そう決めたらあとは早かった。すぐに場所も仲間もみつかった。

足りなかったのは場所でも仲間でもない。運でも縁でもない。自分の気持ち。足りなかったのはただただ自分の気持ち。

それから秋が過ぎ、冬を越え、春を迎えようとしていた。まだ現役だった頃のようにプレイすることはできなかった。でも確実に生活に手応えはあった。失くした何かを取り戻した。そう思えた。逆に今度こそ失くさない。そんな想いも強かった。

そして「SLAM DUNK完全版」の出版が決まった。「リアル」の単行本1巻も出た。

もう一度、「スラムダンク」を読もう!! のトピックを投稿したのはそういう時期だった。「SLAM DUNK」はまさに「特別」だった。今でも特別だけどあの頃とは比べられっこない。

世間的にも井上雄彦ブーム真っ最中だったのだろう。トピックは当初から多くの書き込みがありとても盛り上がった。僕も毎日のように書き込んでいた。今読み返すと赤面せずにはいられないようなこと(例えば↑に書いたようなことだけど…)を書いたりもしていた。

書き込みが1,000件に届くまでは本当に心の底から楽しいと思える時期だった。

しかしその間いろんな変化があった。生活はますます忙しくなる一方だったし、YAHOO掲示板への投稿姿勢も少し考えるところはあった。全くの初心者として書き込み始めたのだから変化があっても当然だ。良くも悪くも大人になってしまったんだと思う。

そして書き尽くしたという想いもあった。いや。本当に書き尽くした訳ではない。ただ現時点で言葉になるものは言葉にしたという気持ちだった。無理に続けるのは逆によくないと思った。

だが もう一度、「スラムダンク」を読もう!! は僕のHPではない。いわば公のスペースなわけで、僕の一存でやめるものじゃないし。ただ僕はあまり書き込まなくなった。

静かな時期があってもまた別のメンバーが集まって盛り上がったらいいなあと思っていたのだが、そうは行かなかったようだ。NBAカテゴリーの書き込み総数自体が大きく減少したのもあると思うが、もう一度「スラムダンク」を読もう!! はもうトピとしての役割を終えたというべきだった。あとは僕が決意するだけだった。

2002/11/ 5 YAHOOにトピックの削除依頼を出した。本音を言えば自然に消えてくれればと思った。たかが掲示板だが僕にとっては大切な思い出だったし特別な存在だった。いつまでも残ってほしい。それが無理ならむしろ静かに消えてほしかった。自ら削除に向けて動くのは辛い。

でもいわゆるあげ行為が続く。トピの存続を希望する一言が添えられあげられるたびに複雑な想いになる。トピの存続を希望する声はうれしい。しかし続かない。一度止まったトピが再び動き出すのはなかなか難しいのかもしれない。僕がトピ主として積極的に話題を振っていけばいいのかもしれない。しかし気持ちが乗らない。特別な存在だっただけに妙な義務感から動きたくはなかった。しかし役割を終えたトピがいつまでも生き残っているのは好ましくない。トピ数も限られているのだから。削除依頼しかないな。

YAHOO READERのおかげでトピを丸ごとローカル保存できたしもう消しても構わないはず。でもやはり複雑だ。自ら削除依頼をするのは寂しい。でもキレイに終わろう。最後ぐらいキレイに終わらせてやろう。

そして2002/11/12 YAHOOが僕の削除依頼に基づいて もう一度「スラムダンク」を読もう!!を削除したようだ。たかが掲示板。確かにそうなんだけど温かい言葉もいっぱいもらった。

criticalwaiwaiさんのおかげでSLAM DUNKが、バスケがもっと好きになりました。

信じられないことにこんな言葉をくれた人も何人かいた。涙が出るぐらいうれしかった。

でもそんな大した人間じゃないんだ。バスケから離れた時期もあったし、僕よりバスケを大切にしてきた人間はいくらでもいる。SLAM DUNKにしたって連載当時は面白いマンガの1つにすぎなかった。2000年夏の「スラムダンク勝利学」との出会いがなければずっとそのままだったかもしれない。僕なんかその程度だ。

それに他者にメッセージを伝える手段など何も持たない。物語も作れない。絵もかけない。音楽もつくれやしない。ただ好きなものを語るだけでも思い通りにならないのだから。何一つ表現手段などないのだ。

それでも上の言葉の額面通り誰かに何かしらいい影響を与えることができたのだとしたらそれはもう喜び以上のものだ。望むべくもない。文字による限られたコミュニケーションの中で相手方のいくつもの好意的な解釈を通じての結果だと思う。本当にそう思うのだがやはりうれしい。ありがたい。きっと僕の方が多くのモノをもらったんだと思う。

軽い気持ちで作ったのに僕にとってとても大きな存在になった。いいことばかりじゃなかったけど思い出すのはいいことばかり。まさかこんな気持ちになるなんて。

もう一度、「スラムダンク」を読もう!!

トピを作った頃の気持ちを、いろんな想い出を、忘れないように、ここに簡単な覚書を記す。

初投稿  2001/ 5/25 21:53 投稿者:criticalwaiwai
最終投稿 2002/11/ 8 21:03 投稿者:criticalwaiwai

1年5ヶ月と14日。その間、総投稿数1541。

ありがとうございました。m(_ _)m


(追記)
代わりにできたトピは「☆Jay Williams☆」のようだ。02-03シーズンのルーキーオブザイヤー獲得の可能性も十分ある僕も大好きな選手だ。変なトピじゃなくてホッとしてる。「☆Jay Williams☆」に幸多からんことを祈りつつそっと見守ろうと思う。

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: