DF文書の作成者に連絡して、問題を解決してください。

PR

バックナンバー

2025/11
2025/10
2025/09
2025/08
2025/07
2007/01/28
XML
カテゴリ: ニュース
*女は子供を産む機械!?


柳澤伯夫 (やなぎさわ はくお・自民党、衆議院議員)厚生労働大臣は、2007年1月27日、島根県松江市で開かれた集会で少子化対策に触れ

15~50歳の女性 の数は決まっている。 産む機械 、装置の数は決まっているから、機械というのはなんだけど、後は一人頭で頑張ってもらうしかないと思う」

と述べた。
比喩としても、女性感情、いや、子供を望む男性の感情をも踏みにじる 無礼きわまりない 発言としか言いようがない。
それも、人をモノとか生産性で割り切って考えることがある程度必要な経済側の人間でなく、健康をあずかる厚生労働大臣の発言である。

なぜ、こんな突拍子もない人が大臣なのか?


*柳澤氏は、健康のことも国民の視点も持たないシロウト大臣


法学部卒 を卒業、旧・大蔵省に勤めた後、自民党所属として政治家に転身。

金融担当大臣を経て、厚生労働大臣として現在にいたる。

最近では「女は機械」発言の前に、経団連からの持ちかけにより、「 ホワイトカラー・エグゼンプション」法案を強力に推進 した中心人物として有名。

この法案は、たしかに精査すれば日本の経済力の向上を促す効果が期待できないわけではない。

しかし、もともとが経団連(雇う側)からの提案であるため、サラリーマン(雇われる側)のメリットがほとんど無い。
それならまだしも、 「サービス残業合法化法案」「過労死促進法案」 と呼ばれる危険な法律である。

その危険さは、なんと、新聞のアンケートで7割、インターネットで9割と世論調査が圧倒的にNOを示しただけではない。
労働のプロである 全国の労働基準監督官の6割 が反対したという点が、この法案がそもそも提案に値するものでないことを示している。
雇う側と為政者にしか利益がない 法案である。

国敗れて山河あり、というが、国庫に税収でお金がいっぱいあっても、国民一人一人が幸せを感じられない国は豊かなのか?

そういう感覚をまったく抜きにした、一部の富裕層と政治屋のためだけの法案であった。



・一定時間を超える残業代の支払いを行わない(=サービス残業合法化)
・週40時間労働基準の撤廃(=無制限労働を事実上強要できる)
・雇用者の健康管理義務削除・労災対象からの除外(=健康障害の黙認)
・非正規雇用の正社員化を法案から除外(=雇用情勢の不安定化)


こんな要素を含む法案を、 健康を守る部門のトップが推進しようとしたのである。
狂気の沙汰といっていい。

さすがにこの悪法には、柳澤氏の属する自民党内からも反発が起こり、安部政権の支持率はこの法案が報道されてから急落。

「こんな爆弾を抱えて、選挙ができるわけがない!」 と悲鳴が上がった。

しかし、 柳澤氏はそれでも法案を強行 する姿勢を崩さなかったため、ついには、 安部首相みずからが「審議見送り」を指示 する異例の事態となった。


*厚生労働省がなんたるかを柳澤氏は理解していたのか?


厚生労働省は、健康福祉を扱っていた厚生省と、労働管理をおこなってきた労働庁が「仕事と健康の問題は不可分」として、統合された機関である。

経済や社会の問題は経済産業省の分野であり、厚生労働省は、就労者を含む国民の安全を第一に行政を担う機関であることはいうまでもない。

普通に考えれば、経産省がホワイトカラー・エグゼンプションを提案し、厚労省が国民の健康の観点から、それに反対や修正を行うというのが、当たり前の構図であるはずだ。

健康管理部門の長が、なぜ、経団連に迎合し、国民の生命をおびやかしてまで、一部雇用者の利益となるような法案を自ら強行しようとしたのか?

もちろん、柳澤氏は現役議員であるので、様々な取引があったのだろうと憶測が絶えないし、その可能性を否定しないが、個人的には そもそもの「センス」の問題があったのだろうと思う。


*厚労大臣に、議員に不可欠な医学知識とセンス


柳澤氏は法学部卒のいわゆる文官であり、人の健康に詳しくない。
法律はたっぷり知っていても、健康に関する知識なら、21歳の看護師にも劣るだろう。
というより、 そもそも関心が薄いのだろう。

こんな法案を提出して、国民の健康はどうなるか?
そのセンスが、まず柳澤氏の発言や行動からは見えてこないのだ。
柳澤氏はあくまで、政治屋として、文官行政者としての感覚しか持ち合わせていない。
そうであれば、経団連の申し出にも納得してしまうのもなんとなく分かる。
しかし、国民の健康を守る厚生労働大臣に必要なセンスは 「人間の生活の質(QOL)」を観るセンスに他ならない。

医師であった坂口元厚生労働大臣が、優れた大臣であったかについては疑問が残るが、少なくともそのあたりのセンスは彼にはあった。

柳澤氏は、ホワイトカラー・エグゼンプション法案が、ここまで民意の反発を買うというセンスがまずなかった。



家族を置き去りにしてしまった。
時間を楽しむことを忘れてしまった。
そして心身を害してしまい、結局職場から家族から捨てられた。


・・・そういう働く人なら誰もが知っている痛みを理解していなかったから、反発が大きくなり、結局 自分の政治家生命を危うくしたことに気がつかないのであろう。

厚生労働大臣の人選についていつも思うことがある。
まず、 健康に無知な文官は不適格だ。
医師系議員であっても大臣にするには厳選しなければならない。
医療系の票を「国民のみなさまの健康のため」という美辞麗句で飾って集めるために、医師有利の法案を作っていけば国民(患者)だけが痛み、医師は痛まなくすることも可能だからだ。
閣僚人事にあたっては、このような注意が当然に必要であった。
そういう意味で、やはり安部氏は総理の器でなかったか、、と肩を落としてしまうのである。

少なくとも、 公の場で女性を「子供を産む機械」に例えてしまう、劣悪なセンスの持ち主 を要職に置いてしまうのは上の責任だ。


*それでも、ぼやくだけの野党は期待されない


そこで、野党にも頑張って欲しいのだが、常々言ってるように、国民の信頼を得るには 「対案」が必要である。

なんといっても、質は悪くとも、与党は法案を作ってきた。
野党は街頭で与党や安部政権の悪口を言うばかりというイメージを自ら固定させてきた。
野党の示した対案は多くの国民のイメージに残っていないか、そもそもそんなものは無い。

与党よりも、いくばくかマシで、しかも現実味のある法案を示した上で、次の選挙に臨んで欲しい。

自民党・柳澤氏がWCE強行と機械発言で、国民の大多数たる働き人と女性を、せっかく怒らせてくれたのである。

「柳澤けしからん!安部もけしからん!」では誰も票を入れてくれない。

「私たちはこんな法案や政策を持っている。」と明示した上で
「せめて5年間政権を渡してくれ、それで安部より酷いと思ったら次の選挙でそう審判してほしい。」と訴えるべきだろう。


よもや、自分たちで、今の安部内閣やその閣僚たちがやっていることより、少しはマシなことができる野党ですらないとは思っていないだろう。


釈明会見をおこなう柳澤厚生労働大臣

機械発言について安部首相から厳重注意を受け「発言は不適切であった」と陳謝する柳澤氏





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2007/01/29 10:42:48 PM
コメント(3) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: