女教祖誕生

女教祖誕生

2025.02.23
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「感謝祭は、教団史においても大きな失態と思いませんか」

  ここから突いてきたか。部長が目で答えれという。

 「どういう意味ですか」

 「それさえ分かっていないのですか。話にならん。だから神事は、○○さんにまかせ

ろと、申し出たはずでしよう」


 「払いの神事がなかった、ということですか」

 「そうだ」

 高飛車に出てきた。

 「意識のない教祖に責任を問うのですか」

 「だからこれからは神事を任せなさい、と申し渡したのだよ」

 「重態の教祖を捕まえて、よくそんなことが言えますね。回復までしば


らく静観できないのですか。もし、今日にでもお目覚めになられて、


そんなこと誰が許可したと言われたら、誰が、どういう責任を取るつ


もりですか。○○さんに、死んでお詫びする覚悟がありますか。そ


こをお聞きされましたか」

 と、反撃に出る。答えられずに、次の反撃に出てくる。

 「この異常に状態を全国の会員さんは、どう思っているか。知っていま


すか」

 「教祖の一日も早い回復を祈っておられると信じています」

 「それは、甘いよ。神に対する責任者がいないから、祈り ( 祖遂断 ) が通じ なくなって

います。こんな事態を知っていますか」



 「エッ、そんなことがあるのですか」

 「布教部が知らないとは」

 「どこの教会で通じなくなっていますか。そんな情報はありませんが」

 「審議室にはあります」

 「どこですか。すぐ調べます。どこで、祖遂断が通じなくなっているの ですか。教え

てください」



 「それならまあいい。悟加富 ( 教団債みたいな性格のもの ) の取り付け騒ぎ


が起き出していすよね」

 部長の顔は、真っ赤になっている。いまにも爆発しそうだ。それに乗っては負ける。冷静に潰すしかない。

 「それも初耳です。どこの教会ですか」

 「調べればわかることだ。いつかは大きなうねりになって、大変なこと


になりよ。早く手を打たないと」

 「お願いですから、いい加減な情報を流して、扇動するのは止めてくださ い。例え、

いろいろあってご不自由があっても今は、教祖のご回復を
祈って、待つしかありませ

ん。それが弟子ではありませんか」



 「私は、三代教祖の弟子になったつもりはありません」

 「それを言われたらお仕舞いではありませんか。好き嫌いは別として、 一応は二代様

から引き続いた弟子です」




 主に発言するのは、4名程度。後は黙り込んでいる。中には、こんな場に座らせら

れたのは、迷惑という顔色もうかがえる。どうやら統一見解ではなさそう、と、思え

た。
いろいろのやり取りで、威圧感は、さすがにある。しかし内容がない。教会から

遠ざかっていて、情報に疎くなっているのか。
1時間過ぎて、もう論点はなく、なん

となく終わった。


 「大ちゃん、ありがとう。連れてきた正解だったよ」

 「どんな正論、情報が飛び出すかと思いましたが」

 「何もなかったかな。しかし冷静な対処には感心したよ。私は腹が煮え くり返る感じ

だったけど」



 「お役に立ててよかったです。多分、これで終わりと思いませんか」

 「そうだろうな」

 この部長でよかったと思う。人事異動がなかったら、女史らの意のままになったか

もしれない。この点では、教祖に先見の明があったのだろう。









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最終更新日  2025.02.23 04:32:39
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