嗚呼、大誤算!! しかぁ~し! 創造生活にトライ!

嗚呼、大誤算!! しかぁ~し! 創造生活にトライ!

『ROMANEX』(2004年5月22日)


せた新しい格闘イベントである。仕事の関係でバックステー
ジをウロウロしたオレから見た感想を少しだけ書いてみよう
かと思う。

■ホントにプロレスの大勝利なの!? (5月23日)

谷川氏に思いっきり
利用されただけの「プロレス」

まず試合結果。藤田をはじめ、中邑、バーネット、ウル
フ、さらにLYOTOといった新日本勢が全勝という結果に
終わった。そういった意味では“プロレスの大勝利”と
いう結果だったのだろう。実際に谷川氏はインタビュー
ルームで「上井さん、金澤さんが喜ぶ結果になってしま
ったが、K-1としては悔しい」と語っていたし、プロ
レス側の記者たちは、藤田や中邑の勝利に笑顔を見せて
いた。きっと発売される雑誌のタイトルも“プロレスの
大勝利”といった類になるだろう。しかし、しかし、オ
レ的に見ると“プロレスの大勝利”という気分にはなれ
なかった。まったくノレなかった。

まずは『ROMANEX』のHPに掲載された「詳細」を検
証してみることにする。できれば下のアドレスも開いてみて。
http://www.so-net.ne.jp/feg/database/20040522rslt.html

●まず大会結果トップ
(オレの感想) 入場者数は14,918人(満員)の発表。
これは正確に近かったと思う。オープニングファイトが
スタートした午後5時頃にはかなり空席が目立ったが、
3~4試合時には「満員」といえる状況になっていた。こ
の辺は「K-1」の誠実さを感じる。しかし、オレ的に
非常に納得できないことが、ひとつだけある。それは試
合ルールに関して。今回は全試合「ROMANEXルール」で
行われたのだが、これがイマイチ判らない。ちょっと調
べてみたのだが、「ROMANEXルール」に触れられてい
るページが見つからなかった。やはり大会トップページ
で「ROMANEXルール」についての説明が欲しい。これは
会場でも感じたのだが、藤田のサップに対する蹴りなど
はオレ的に納得できなかったし、ブレークに関しても首
をひねる部分が少なくなかった。

●オープニングファイト
(オレの感想) なにげなくはじまったオープニン
ファイト。ともにそれなりの実力者らしいし、それなり
の技術的攻防もあった感じだが、非常につまらない試合。
これは完全にイベントの「噛ませ犬」的試合に位置され
ていたのだろう。

●ブルー・ウルフ 対 トム・ハワード
(オレの感想) 1Rからハワードが出血。HPでは
額からと書いてあるが、額というより、頭からだった感
じ。ウルフの潜在能力を示す試合となったのだが、オレ
的はイマイチ。なにより試合中にウルフの膝蹴りがハワ
ードの脳天に何十発と叩き込まれたが、それでも我慢す
るハワード。「あんなに頭に膝を入れられても我慢でき
るわけ? 信じられないよ~」って感じ。それだけハワ
ードがタフだったってこと? いや、オレにはウルフの
“なんちゃって蹴り”だったとしか思えなかった。それ
にしてもハワードは、技術的に総合ができる状態じゃな
かったと思う。それからこの試合、セコンドに後藤達俊
選手がついていたのには驚かされた。

●サム・グレコ 対 LYOTO
(オレの感想) LYOTOはスターになれないと思う。
LYOTOが極められなかったのか、グレコ の対応がうま
かったのかは定かではないが、どうも不完全燃焼な試合
だったと思う。判定結果もLYOTOの勝利と喜べるもの
ではなかった。かなり僅差の判定勝ちといった感じ。客
観的に見て、LYOTOは試合中の佇まいが格好悪い。最
初にスターになれないと書いたのは、そういった部分。
アマチュア的な香りが抜けきらないうちはダメだろう。
それから試合中にローブローが両者各1回ずつ入ったの
だが、ドクターチェックで股間を触られていたのには笑
ってしまった。この時点で「このイベントって、お笑い
格闘技プロレスなのかな?」と思ってしまった。

●ゲーリー・グッドリッジ 対 ザ・プレデター
(オレの感想) 非常に拍子抜けした試合。個人的に
はグッドリッジ好きだし、プレデターも気になる。好試
合を期待していただけに残念だった。ハワード同様、プ
レデターも総合対策をしていなかったのか、それとも最
初から投げていたのか? ゼロワンのことを考えると、
いいように谷川氏に利用されただけの印象だけが残った
試合だった。最後まで試合を見て感じたことだが、この
イベントは試合の組み立てが非常にうまかった。前座の
普通の試合、前半のお笑い格プロ、中盤の好試合、後半
の一方的な内容と、全体のバランスが非常にわかりやす
い構成になっていたのだ。ヤオだのガチだの話す気はな
いが、谷川氏は策士だということを実感させられた。最
後にインタビュールームのプレデターだが、非常に悲し
い顔をしていたのが印象的だった。試合に負けた悲しさ
以上の「何か」を感じたのはオレだけだったのだろうか。

●ジョシュ・バーネット 対 レネ・ローゼ
(オレの感想) バーネットが第4試合っていうのも
個人的にかなり「?」。しかし先ほども書いたが、全体
構成を考えた場合、この位置にするのが正解だったのだ
ろう。試合後に「バックドロップが出せなかったので残
念。つぎはパワーボムを出したい」と語っていたバーネ
ットだが、『ROMANEX』では無理。谷川氏はプロレス
的技での勝利は望んでいないと思う。インタビュールー
ムではピーター・アーツがルールについて怒っていたが、
気持ちはわかる。オレ的にも、ルールがイマイチわから
なかったし、選手サイドもイマイチ消化できてなかった
ような気がする。

●須藤元気 対 ホイラー・グレイシー
(オレの感想) これが最高試合。須藤は最高のエン
ターテイナーだった。入場シーンにもう少し笑いが欲し
かった気もするが、最初から最後まで須藤ワールドだっ
たと思う。こういうスターをもっと作っていけば日本の
格闘界の未来も明るい。ぜひホイスとの試合を実現させ
てもらいたい。

●B.J.ペン 対 ドゥエン・ラドウィック
(オレの感想) ペンの無駄も隙もない完全勝利に終
わる。多分、『ROMANEX』でベルトを創るだろうから、
須藤との王座決定戦が組まれることになるだろう。ここ
まで見ていて「谷川氏は『ROMANEX』を3~5大会先ま
で考えて試合を組み立てているのかな?」なんてことを
考えてしまった。

現状では『PRIDE』の2軍的なイメージがある『ROMANEX』
だが、移り変わりが早い格闘技の世界なら、2年後は立場が
逆転している可能性もある。さらに最悪な状態として、プロ
レスが3軍になってしまう可能性もあると思う。今回、新日
本勢が全勝で終わったが、上井さんはいいように利用された
だけではないだろうか。なぜならプロレス的ないい部分がま
ったく消されていた。

思い切った意見かもしれないが、谷川氏は本当に新しいファ
ンの掘り起こしをしようとしているのだろう。そのためにプ
ロレスは利用されているにすぎない。今こそ、プロレスは谷
川氏と関係を断ち切るべきだ。さもないと、やばい。これで
もしもサップが来月のIWGP戦で棚橋と好勝負したら最悪だよ。

つづきは、夜にアップする予定。


全試合終了後の谷川氏は
非常に満足そうな笑みを浮かべていた

とういことで、夜の部です。出かける予定だったけど、そ
れは中止になったので、早めの更新です。

●ドン・フライ 対 中尾芳広
(オレの感想) この試合に関しては仕方ない結果。
中尾選手は体格的にも年齢的にも藤田選手に近い部分があ
るので(体重的には15キロ差あるが)、この試合でフライ
に好勝負して藤田戦につながっていくと思っていただけに
残念。フライに関しては、まずインタビュールームで見た
傷口はエグかった。それにしてもフライはここ数試合、ツ
キがない。かつての吉田戦の直後のインタビューで“自分
のエゴ”のために総合に戻ってきたと何度も口にしていた
が、そろそろ家族からストップをかけられるのではないだ
ろうか? オレが谷川氏なら、フライを引退させ『ROMA-
NEX』の見届け人的存在で雇うんだけどなぁ……

●アレクセイ・イグナショフ 対 中邑真輔
(オレの感想) まずイグナショフは何もできなかっ
た試合。何もする気がなかったのでは? という印象もあ
るが、それは追求しない。イグナショフは中邑が途中まで
入場してきた時点までテレビを見ていた。入場前のアオリ
の映像(中邑選手)を見ながらニヤリと笑ったりしていた
が、あとは終始クールで引き締まった表情だった。その前
はトレーナーと激しい蹴りの練習を何度も繰り返していた。
試合直前まで彼を目の前で見ていたオレとしては、間違い
なく今回も勝つんだろうな……という印象だった。それな
のに彼のニヤケた入場シーンを見て驚いた。あの表情は絶
対に作ったものだった。「いつもオレは余裕だぜ」と示し
たかったのか、はたまた「余裕こきすぎちゃったよ」とい
う試合後の弁護のためだったのか。試合後も非常にじつに
サバサバした印象。「夜になったら悔しくて涙を流すだろ
う」と答えていたが、実際はグッスリ眠ったんじゃないか
な。コメントでは中邑選手を基本的に絶賛。「でも弱いけ
どね」という言葉は、ボソッと小さな声で言った程度であ
る。通訳の女性が(ホントにそんなことを言ってもいいの
ですか?)と念押しのために確認していた。それにしても
結果はギロチンチョークって……あのさ。無理に谷川氏に
試合を組まれて仕方なくやったという印象を受けました。
中邑選手は好青年って感じ。彼は他のプロレスラーを馬鹿
にしているフシが見えてしまう。彼が「プロレスラーは強
いんです」と言っても、ノレないよ。だけど、人間的には
素直な少年という感じで非常に喜んでいた。「ガムを噛み
ましょう」という発言を聞いていたら、サッカーの城選手
を思いだしてしまった。

●ボッブ・サップ 対 藤田
(オレの感想) 試合直前のサップ陣営の気合いの入
り方は凄かった。オレは入場ゲートに向かって出ていくま
でサップを見ていたが、伊原さんもピリピリしていたし、
サップも気負っていた印象。セコンド役の外人が欠伸をし
ていたのは気になったが……。試合は見たとおり一方的。
それにしても藤田の蹴りはえげつなかった。最初にルール
はどうなってるの? と書いたが、あんなことが許される
ルールじゃ、選手の方もしんどいだろう。この試合でハッ
キリわかったのは、「タイソン戦は、藤田でやる」という
谷川氏の意志。先にも谷川氏は何年か先を見据えていると
書いたが、間違いなくタイソンと試合をするのは藤田だろ
う。藤田もそのように言われているはず。かたやサップ。
まず気になるのはIWGPをどうするかだ。もしかして返上
するのでは? そして棚橋とウルフが決定戦をやったりし
て……なんてことまで考えたが、それは可能性として高く
ない。新日本プロレスにとって最悪なのは、名勝負で奪取
した場合。ドラゴン殺法で丸め込んだりしたら悲しくなり
そうだな。

文字数に限りがあるので、あまり書けないし、裏側を得意
になって紹介してもしょうがないので、この辺で終わりに
したいと思う。

最終的に言えることは、谷川氏はかなりの策士ということ
がわかった。そして勝ったプロレスラーたちがプロレスの
敵になってしまう予感も感じさせた。もしもプロレスマス
コミがこぞって“プロレスの大勝利”と喜びたたえたら、
それこそ谷川氏の思うつぼではないだろうか。「K-1と
しては非常に悔しい結果だった」と答える谷川氏の表情が
非常に満足げだったことを最後に付け加えておく。



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