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昨日は、観世能楽堂に「第41回 杜の会」を観にまいりました。
全席自由席ということでしたので、午後1時半開演の会でしたが、午前中から能楽堂に。幸いにも、私が行った時には、まだどなたも来ておらずに、トップで並べました。が、さすがに全席自由席ということで、開場の1時間前には、かなりの列になっておりました。早く行ってよかった。おかげさまで、狙っていたお席に座れました。
この「杜の会」は、東京藝術大学音楽学部邦楽科能楽観世流本科の卒業生有志により組織され、その発表会は現在、専門家として活躍中の方の斯道(しどう)を研鑽する会だそうです。
昨日の演目は、仕舞「氷室」・「通盛」・「鵜之段」、能「羽衣」、狂言「磁石」。
仕舞「氷室(ひむろ)」、長宗敦子。山深い丹波の谷陰に、朝廷に供える氷をためおく氷室山があり、春を告げる風にあえなく溶ける氷も、ここでは供御の思いによって夏まで保つという。巷に花が咲こうとも変わらぬ氷室山の深緑の中、氷を守護する神々の祭りが始まるり、天女が舞い、大地が振動する中、氷を守護する氷室の明神が現れる。波をおさめ、水を静める氷の力を称え、氷室の神は日の本の君に氷を供えるべく花の都へと急ぐ。
仕舞「通盛(みちもり)」、片平美代子。阿波の鳴門の浦。夜毎経を読み、この地で滅亡した平家一門を弔う僧たち。ある夜、その声にひかれるように、漁翁と女を乗せた一艘の舟が篝火を灯し近づいてくる。やがて、漁翁と女は、平通盛のあとを追った小宰相局の入水の様子をありありと物語ったかと思うと、そのまま二人は海の中に消えていった。法華経を読誦する僧の前に、武者姿の通盛と、小宰相局の霊が現れた。通盛は語る。一の谷の合戦前夜、陣における小宰相局との最後の逢瀬、後ろ髪ひかれる思いの別れ。弟・能登守教経らとともに戦に出るも、一族の者は次々と討たれていく。そしてとうとう通盛も、木村源五重章をよき敵と定めて最期の戦に臨み、討死にして修羅道に落ちたのだった…。悲しい運命に翻弄された夫婦愛を描く異色の修羅能。
仕舞「鵜之段(うのだん)」、加西暁子。「鵜飼」の中の舞いで、殺生禁断の地で鵜飼をし、地獄に堕ちた老人が、鵜飼の有様を僧にみせる。
前回も観世流の会で拝見したときと同じく、女性の仕舞で、地謡も女性のみでした。女性の方でも、謡の声は、かなり出るのに毎回驚きま
す。
仕舞は、私は素人ですから、わかりませんが、時々、男性の方が舞う仕舞を女性が舞うので、ちょっと無理しているかなと感じることはあります。男性がシテの舞でも、男性と同じように凛々しくとか、力強く舞う必要はないのでは…と思ったりします。
能「羽衣」。静岡県・美保の松原。漁から帰ってきた白龍(ワキ・野口能弘)は、松に掛けてある衣を見つけ、持ち帰ることにしました。そこに一人の女が声を掛けてきます。女は、その衣の持ち主、月の天人(シテ・清水義也)でした。衣を返して欲しいと願うのですが、白龍は簡単には返そうとはしません。天人が余りに嘆くので、白龍は舞を見せてくれたら返そうと言います。衣を着ないと舞えないという天人に、衣を返したら舞わずに天に帰ってしまうだろうと疑うと、「嘘をつくのは人間だけ。天に偽りはない。」と言われ、我が身を恥じた白龍は衣を返します。天人は衣を着て舞を舞い、やがて月へと帰っていきます。
舞台が静岡で、子供の頃から親しんだ「羽衣伝説」なので、好きな能です。特に、天人が、「嘘をつくのは人間だけ。天に偽りはない。」といつところはとても好きな場面です。
昨日のシテ方の清水義也さんの舞は本当に美しいものでした。
装束も美しく見惚れておりましたが、清水さんのプログによれば、新品とのこと。そして、仕立てたばかりの能装束は、フワフワで着心地が悪いので、「寝押し」をなさるのだとか。多少、ペチャンコにしないと、体になじまないのでしょうね。
狂言「磁石」。遠江の田舎者(高野和憲)が都見物をしようと、近江の大津あたりに着きます。人売りを家業とするすっぱ(野村萬斎)が言葉巧みに近づき、田舎者を人買いの宿(月崎晴夫)へ連れ込みます。眠っている間に売り飛ばされると聞いた田舎者は、すっぱの裏をかいて逃げ出す。それに気づいたすっぱが慌てて追いかけると、田舎者は実は磁石の精だと名乗り、すっぱの太刀を飲み込んでしまおうとします。驚いたすっぱが太刀を鞘に収めたら、田舎者は力を失いその場に死んでしまい、あわれに思ったすっぱが刀を手向けると、死んだフリをしていた田舎者が刀を奪い、逆にすっぱを脅します。だまされたことがわかったすっぱは慌てて逃げていきます。
久しぶりに観た「磁石」でしたが、面白かったです。最初は、田舎者・高野さんの一人芝居。遠江から出てきてまずは熱田神宮を通り、すぐに琵琶湖。早!新幹線どころではない速さ。ここが狂言の便利なところ?
すっぱが、田舎者を騙そうと、ちょっかいを出すあたりの掛け合いがとても面白い。昨日の2人はかなりよい掛け合いのように思いました。
せっかく逃げたのに、すっぱに捕まりそうになり、磁石の精という嘘が浮かび(磁石の精としての生い立ちの語りもすごい)、そして、また、死んだフリをしたりして、結局はすっぱよりは、田舎者のほうが一枚上手!
「磁石」は久しぶりに見ましたので、内容を忘れており、どのお席に座るのがよいか悩んだのですが、脇正面の最前列の右端が多分よいだろうと思い座りましたが、大正解でした。すっぱは、ほとんど脇正面前での演技。そして、途中、眠るシーンがあり、その時は、私のまん前で、しかも寝顔をこちらに向けて眠る…キャッ!ということで、寝顔見放題!
でした。眠る前にギロッと目が合ったし。
会は、まだ続きましたが、萬斎さんは、この後、越谷に移動。ということで、私も移動しなければならないので、ここで観世能楽堂をあとにいたしました。
駐車場の前を通ると、萬斎さんのお車がありましたので、時間もあったので、お見送りをすることに。20分ほどで出ていらっしゃいました。
黒いジーンズに黒い半そでのポロシャツ。黒を着るとホントに細いなあ。でも、腕は意外とたくましい~~
などど思いながら、車をお見送りいたしました。
さて、私も、いざ、越谷へ。
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