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January 13, 2006
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お浄土のはなし
お浄土のはなし


~今回のおはなし~
ある夜、バーで酔客・吉野からまれた宗教評論家・ひろさちやは、その客に翌日の自分の講演会に来るように誘う。吉野は、可愛い孫に先立たれ悲嘆に暮れているのだった。吉野を含む客の前で、ひろさちやは浄土について語る。


そもそも吉野がヤケ酒を喰らっていた理由は、数人の僧侶に「極楽浄土はほんとうにあるのか?」という質問をぶつけたところ、「死んだことがないからわからない」などと納得のいく答えが得られなかったため。
丹波哲郎が『大霊界』なんて、死後の世界を描いた映画を作ったことがあるが、まぁ、『大霊界』でなくとも、死後の世界を扱った映画・小説は山のようにある。
でも、あれらはあくまでも想像の世界であって、実際にどんな場所なのかは死んでみないとわからない。
臨死体験なんかでよく、「お花畑があった」なんて聞くけど、あれとて、実際の天国の情景かどうかはわからない。
宗教画なんかで見る、極楽浄土の絵だって想像で描かれたものであり、ひろさちやは最後に「昔の人は、自分たちが帰っていくふるさとをあのように夢見た」と締める。


仏教によると、我々は浄土から修行のために現世へやってきているらしい。
浄土には「苦」が無く「楽」ばかりだそうで、その「苦」へ耐える修行を現世でやっているのだと言う。

親しい人に先立たれる悲しみ、愛するものを残して死んでしまう悲しみに、涙を流し耐えるために我々は現世に生きているのだそうだ。
そもそも浄土での寿命は無量(10の68乗、ちなみに仏教では無限はなく、全てが有限なんだとさ)、そんな悲しみを味わうことが出来ない。
ここで私は思うのだが、「楽」ばかりの浄土に生きる人(ほとけさま)が「苦」の修行をする必要があるのだろうか?
「楽」⇔「苦」とはならないまでも、「苦」あっての「楽」であり、「苦」の概念が無いと自分たちの世界が「楽」にはならないのではないか。
現世での「苦」を通して、浄土が「楽」であるありがたみを知るため?
それだったら、地獄をほんのちょっと見せてやればいいし、浄土でちょっとした「苦」の仮想体験の場を与えてやればいい(映画『トータル・リコール』みたいにね)。
ひょっとしたら、その「ちょっとした『苦』の仮想体験の場」が現世なのかもしれない。
なにしろ、浄土での寿命は無量。そのうちのほんの80年である。
つまり、1000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000年のうちの80年なのだ。
浄土での無量の寿命を80年だとして、そのうちの「現世仮想体験」の時間は、およそ(1/40の56乗)秒。
つまり、私たちが80年生きたところでの1/4000000000000000000000000000000000000000000000000000000000秒の体験にすぎない。

でも、浄土で無量の寿命が尽きたあと、人はどこへ行くのだろう?





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Last updated  January 18, 2006 11:02:38 AM
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