裁判所公務員のつぶやきボックス

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ホソボソのH

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February 21, 2005
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交通事故を起こした者の弁償する額がいくらか(民事上の責任の大きさ)を決める際には,どんなことが問題になるか。

まず第一が 「因果関係」 である。難しい言葉だが,聞いたことくらいはあるだろう。以下,実例をあげてみる。

車が不注意でバイクと接触してバイクが転倒し,けがをした。手足をすりむいて出血していたが,意識ははっきりしていた。念のために救急車を呼んで病院に搬送しようとしたところ,救急車が国道上でダンプカーに追突された。

そのために同救急車が走れなくなったので別の救急車を呼ぼうとしたところ,その患者は「病院に行くほどでもないから歩いて帰りたい」と言い出して国道上に出たところ,車にはねられて意識不明となった。

そして別の救急車で病院に搬送されて手術をしたところ,医師が輸血する血液をまちがえたために,同患者は死亡した。

このような事案で, 「バイクと車の接触事故がなければバイクの運転手は死ななかった」 ということは確かである。 「あれなければこれなし」という条件関係 はある。



人によって考えは分かれるだろうが,「死んだことの責任まで負わせるべきではない」という結論になった場合には, 「接触事故と死亡の間には因果関係がない」」 ということになるのである。

どこまで因果関係を認めるかは非常に難しい問題である。各事案ごとに, 社会通念にしたがって(一般常識人の判断で)因果関係があるかないかを判断 している。

調べてみると,交通事故でけがをして病院に搬送され搬送先の病院の医師の医療過誤がもと死亡した場合,交通事故と死亡との因果関係を認めている裁判例は多いようである。

明日は 過失相殺 という点について書き,交通事故関係の日記をひとまずおえたい。

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Last updated  February 21, 2005 09:57:12 PM
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