外出禁止令!



 ある日の夕方、車で学校へ向かった。すると門が閉じられている。
「あれ?昨日学校休みだなんて行ってなかったよなぁ?」でも人影もない。 仕方なくアパートへ帰った。するとルームメイトが、「大変、大変、TV見て!」
って叫ぶから、見るとLAの街中は大変なことになっていた。
火の海、暴力、罵声、どさくさまぎれにお店を壊し、商品をひったくって逃げる。そんな映像がどのチャンネルでもやっている。
いったいなに?と、思ってるうちにルームメイトは「やばいから、ちょっと買出しに行ってくる!」と、言ってる意味がわかんない。やばいから買出しって?
 私はLAの郊外に住んでいた。なのでその時点ではなんの影響も受けてはいなかったが、ルームメイトはもう長くアメリカに住んでいるため、そういう情報も対処法も心得ていたらしく、どうなるかわからないから、スーパーで当面の食料を買い込んでこなきゃ!と言う意味だった。
 彼女は近所の友達と車で近くのスーパーに行ったが、もう同じ目的の人達でごったがえしていた。通常、スーパーに行くと山ほどあるカートが一つもない。そしてバーゲンでもないのに殺気立ってみな手当たり次第買い物をしていたらしい。
すでに、L.Aの街中のお店は暴徒を恐れクローズし始めたため、郊外に来た人もいる。そして同じく大変なのはガソリンスタンドだった。
L.Aは車社会である。車がないとどこへも行けない。そのため、ガソリン確保にも走っているのである。
そんなこんなで、彼女が買い物をし返ってきたのは数時間後だった。
大きなペーパーバッグをいくつも抱えて。。。
日本でもこの事件は毎日のように報道されており、珍しく両親や友達から電話がかかってきていた。
ひどく心配されていたが、当の本人はアパートにいる限りなんの問題もなくいつも通り。
学校も休みな為、時間を持て余していた。その週末はマリブへ行くのを楽しみにしていたのに、「外出禁止令」が出て、アパートから一歩も出れなかった。仕方なくアパートのプールでぴちゃぴちゃしていたのであった。
あの事件の爪あとは大きなものだった。ある一帯は焼け野原のようだっだ。
人が怒りの束になるとほんとに恐ろしいって痛感した。
私はたった1年ちょっとしかアメリカにはいなかった。なのに、こういう状況に出くわしてしまうのある。。。。。。。



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