Island Delphinus

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長男誕生まで~その2~


たまたま、本土にいた旦那に連絡を取り、たまたま、お見舞いに来てくれることになっていた母&兄と、仕事中の父に旦那の方から連絡を取ってもらい、私は緊急帝王切開の準備に入りました。
すぐに手術の説明があったのですが、はっきりと内容は覚えていません。ただ、点滴や剃毛、手術用の服に着替えたりいろいろしたと思います。最初は、手術まで結構待たされるようなことを言われていたのですが、意外と早く手術室に運ばれることになりました。

手術室にはいって覚えているのは『保育器』。32週と5日。早産です。それを見て私の中に「まだ産みたくない」という気持ちが強まりました。でも、今産まなければこの赤ちゃんは死んでしまう。私が今日、帝王切開する理由は「胎児仮死」。気持ちを切り替えなければいけなかった。でも、できませんでした。手術台の上に上がる瞬間。私は泣きました。たぶん、先生方はびっくりしたと思います。でも、「すみません」と謝るしかなかった。
手術台の上に上がってやっと覚悟も決まり、局所麻酔で帝王切開を受けました。結構あっという間だったような気がします。産声を上げてくれるかどうか心配でしたが息子は自分で産声を上げてくれました!。でも、私はその息子を抱くこともなく、保育器に入れられ、未熟児室に運ばれるその姿をかいま見ただけ。
「元気な男の子ですよ~」の看護士さんの声に「ありがとうございました」というのがやっとでした。

手術室をでたら旦那が待っていました。旦那は安堵したような表情を見せていました。いろいろなトラブルがあったから、無事に生まれてきたことにほっとしたのかも知れません。

病室に戻り私は気が抜けたようにぼけーっとしていました。もう、胎動を感じることはない。おなかが、抜け殻のように感じました。その後、術後の痛みはありましたが、私は昔、盲腸の手術を受けていたのと、痛みよりもショックの方が大きかったため意外と痛みは感じませんでした。


私の出産は、本当にトラブル続きでした。でも、切迫早産以外私自身には問題はありませんでした(中毒症とかそう言う意味で)。
たぶん、無事に出産できると自分で甘く見ていた面もあったのでしょう。本当に、愚かだったな、と今更ながら思います。


息子を出産するまでに流した涙を、私は絶対に忘れない。
この想いを一生忘れない。

そのために、簡単にですが文章にしました。


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