天使の絵本

天使の絵本

『たいやきひこうせん』


今夜も一人、旅に出る。


『たいやきひこうせん』


まっくらな洞窟を抜けると
真っ青な空の上に出た。
空には白い雲と青い海。
水面のように、ゆっくりときらめく空が見える。
私は軽快な調子でキノコの上をジャンプして
どこだかわからない空の海を渡ってゆく。
まわりには、ゆったりと空を泳ぐナナフシホシガエル。
ゲェコなんてのんきに鳴いて
私を楽しませてくれる。
「のってかないかい?」
まるでナンパでもするように私を誘ったのは
小さなたいやきひこうせん
「いいわ」
「それじゃぁ私を、あの水面の向こうの宇宙(そら)まで連れて行ってちょうだい?」
ちょっとおませなレディのように、私はすましてそう言って、
今夜は二人、星海(ほしぞら)の旅に出る。

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